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EXPO'75の珍品レコード! 「沖縄海洋博音頭」&「イルカ音頭」
みなさんは覚えているでしょうか? あの、EXPO'75沖縄国際海洋博覧会のことを。
EXPO'75沖縄国際海洋博覧会とは?
沖縄県国頭郡本部町にて開催された『沖縄国際海洋博覧会』(1975年7月20日~1976年1月18日)は、約6ケ月、183日間に渡って行われた国際博覧会。沖縄県が本土に返還(1972年)されたことを記念して、『海-その望ましい未来』をメインテーマに、国内外から350万人が訪れたイベントだ。
「まぁ!なつかしいわぁ~」
「初デートでいったなぁ~」
「海洋博覧会ってなぁにぃ~?」
おっ!皆さんの声が聞こえてきましたねぇ。
約40年前の出来事なので、DEEの読者層だと、まだ生まれてないよ、という方が多いのかなと思います。
じゃぁ、なぜにEXPO'75沖縄国際海洋博覧会の話題を?
そうなんです。私が本部町出身ということもあって、自然と当時の事が知りたくなり、写真集やグッズ、エピソードなんかをコツコツ収集しております。分かりやすく言えば、海洋博マニアなのです。
駆け出し海洋博マニアなので、まだまだグッズは少な目。ちなみに、今一番欲しいのは海洋博のハッピ。
お気に入りの海洋博のお皿。食パンをのせるのにちょうど良いサイズ。
那覇市内の古本屋で偶然見つけた本。カバーには、メイン展示だったアクアポリスが!まさか、香港で鉄くずになってしまうなんて…(泣)。約40年前のビックイベントが鮮やかに(たぶん)蘇ります。
そして、本日紹介したいのは2枚のEPレコード。
右は知人からいただいたもの。タダ。左はオークションで落札したもの。ちなみに、お値段は5,000円…。家にレコードプレイヤーがない(致命的!)にもかかわらず、我慢できずに購入してしまうという危ない橋を渡ってしまった思い出の一品です。
「沖縄海洋博音頭」と「イルカ音頭」。一体どのような歌なのか皆さん気になる所だと思います。本日はこの2枚のレコードを聴いてその内容を皆様にご紹介したいと思います。
レコードを聴いてみよう
ということで、今回はgetした1975年海洋博覧会当時の珍品レコード、略して「珍レコ」2枚を聞いてみることにしました。
自宅にレコードプレーヤがないので、レコードが聴けるお店にLet's go!
協力してくれたのは、首里鳥堀町にある「ビーンズ バーキタザワ」さん(那覇市首里鳥堀町1-45 2F)
このお店は1年ほど前に、首里の老舗喫茶店「比韻豆」の店舗後に開店したお店です。
昭和の歌謡曲(レコード)をBGMに、様々な洋酒や特製缶詰ピザなどが味わえる隠れ家的バー。ジュークボックス、インベーダーゲームもある。(マスター自ら修理して設置したそう)
- 1972年札幌オリンピックのサントリーオールド(左)と1975年沖縄国際海洋博覧会のサントリーオールド(左)が並ぶ。
- ビーンズの店内には、昭和の懐かしいグッズが溢れています。
で、早速お願いして聞いてみました。
…ついに「海洋博音頭」と「イルカ音頭」を聴くことができて、録音もできたのですが残念ながら著作権などあるのでここに曲自体をアップすることはできません。
仕方ないのでどこまで伝わるか分かりませんが文章にて「沖縄海洋博音頭」と「イルカ音頭」について内容をご紹介していきますね。
その1 『沖縄海洋博音頭/(B面)みなみのさかり場』
ジャケットには当時の眩しく輝く国際通りが
唄:城明(じょうあきら)
作詞:高良定尚/丹古晴己
作曲:叶 弦大
海洋博覧会のシンボルマークが輝く
歌詞カードに振り付けも書いてありました。
それでは気になる歌詞を見てみましょう。
沖縄海洋博音頭 一、おとこ黒潮 かもめがうたえば まっかなデイゴの 花も咲く ここからみんなの 幸がはじまるよ サッサすりてめんそーれ すりてめんそーれ 海どぅかりゆし 海どぅかりゆし 沖縄海洋博 二、備瀬の浜から タッチュウのぞめば 夢もわくわく さんご礁 コバルトブルーの 波もきらめくよ サッサすりてめんそーれ すりてめんそーれ 海どぅかりゆし 海どぅかりゆし 沖縄海洋博 三、なさけ常夏 花づみてさじは うるまむすめの 恋ごころ やきもちお日さまが 海にかくれるよ サッサすりてめんそーれ すりてめんそーれ 海どぅかりゆし 海どぅかりゆし 沖縄海洋博 四、星をうかべて くみあう泡盛 こころをひらいて おどろうよ そてつの葉ずれは 風の音頭だよ サッサすりてめんそーれ すりてめんそーれ 海どぅかりゆし 海どぅかりゆし 沖縄海洋博 五番は一番と同じです。
曲を聴いての感想ですが、これは「THE音頭」です。
サッサそろてめんそ〜れ沖縄海洋博~♪
という歌詞がばっちり入っているんですが…、まったく沖縄っぽくありません。笑
内地風の音頭のメロディーに、むりくり沖縄要素をこれでもか!っと詰め込んだ感が否めません。三番の歌詞にいたっては、うるま(琉球)むすめの恋心までもが表現されています。
やきもちお日さまが 海に隠れるよ〜 なんとも壮大です。
というか、城明って何者?
気になる。この楽曲でデビューをはたしたという城さん、今はおいくつくらいだろうか。まだ歌っているのだろうか。
城さんは、一九九二年に首里城公園が開園したことを記念して、『首里城音頭』という唄を作詞作曲して発表しているらしい。ぜひ聞いてみたい。いや、会ってみたい!
イルカ音頭/(B面) イルカのソナタ
唄:イルカファミリーコーラス
作詞:阿久 悠
作曲:井上忠夫
(補則情報)今をトキメく坂上忍さんが、イルカファミリーコーラス隊のメンバー(イルタン)として歌っているらしい。www
にしても、ジャケットが衝撃的過ぎ!イルカの着ぐるみ。しかも二足歩行!!なんともシュールです。
左から、お兄さんイルカ、お母さんイルカ、イルタン、お父さんイルカ、お姉さんイルカ。
- なぜイルタンだけテンガロンハット…?
- 海洋博のロゴが輝く。
恐るべし、70年代。
こちらも歌詞カードに、当たり前のように振付けが掲載されています。
では歌詞を見てみましょう。
イルカ音頭 一、メダカちゃんより 小さいの(ア ゆ~ら) クジラちゃんより 大きいの(ア ゆ~ら) 世の中に そんなもの いるか ご苦労さん ア・す~い すい すい すい 坊主頭は ありゃ剃るか(ア そ~る) 外は真暗 まだ夜か(ア よ~る) 赤い尻 ありゃ猿か こちら イルカちゃん いるかいないか 手を叩き イルカいたなら こんにちわ イルカ音頭を 仲よく いるかいるかと 踊りましょう 『イルカいのつく いのいちばんで イルカ器量も いのいちばんで 頭よいのも いのいちばんで』 ア す~い ア す~い ア すい すい すい す~い 波の上くねくねと泳いでるグラマーよ そうよ イルカちゃん 二、モナリザさんより 美しく(ア ゆ~ら) マリアさんより やさしいの(ア ゆ~ら) 世の中に そんなもの いるか ご苦労さん ア す~いすいすい いやな奴なら すぐふるか(ア ふ~る) 怠けものなら もう寝るか(ア ね~る) 泥棒は ありゃとるか こちら イルカちゃん いるかいないか 手を叩き イルカいたなら こんにちわ イルカ音頭を 仲よく いるかいるかと 踊りましょう 『イルカいのつく いのいちばんで イルカ器量も いのいちばんで 頭よいのも いのいちばんで』 ア す~い ア す~い ア すい すい すい す~い そろったら輪になって ポチャポチャと水の中 イルカ音頭だよ
かなりの衝撃波に、心が打ち抜かれました。
チャンチャッチャ チャン〜チャラランランラン チャンチャン♪
イントロが素敵過ぎます!昭和感。
イントロドン!で出題されたら、ほとんどの人が分からないでしょう。
それに、歌詞をじっくり聞きましたが、全く意味が無い!驚きです。
「イルカ」に、言葉尻がなんとなく似てるだけのワードの羅列です。
イルカいのつく いのいちばんで のとことかかもう必死です。もはや、これが海洋博の唄だとはとても思えません。
あの、阿久悠さんが作詞したはずなのに…、なぜこうなったのか。さすがの大御所も、やっつけ仕事的な?作品を送り出したこともあるんだな、と何かちょっと安心しました。笑
まとめ
以上、「沖縄海洋博音頭」と「イルカ音頭」をご紹介しましたが、如何だったでしょうか?
これを聴いて思うのは1972年の本土復帰とか、730とか一気にごちゃごちゃ〜とあって、気がついたらさぁ本番!みたいなとこ、あったかもしれないな〜、ということです。イケイケどんどんの70年代が生み出した珍曲であることは間違いありません。まぁ海洋博マニアとしては、レコードから見えてくる海洋博の新たな一面に、心が躍りましたが。
いつか、振り付けもマスターして踊ってみたいなぁ~と、夢も膨らんでおります。
イルカファミリーの当時の様子(会場で見たよ!握手したよ!写真写したよ!)やその後など、何か情報をお持ちの方はご一報下さい!
紹介した2曲の音源をお届けできないのが、本当に残念です…。
でも、ど〜しても聞きたい!
と思ったみなさんは、古いレコード屋さんなどで探してみてください(ヤフオクだと5000円くらいするので…)。
ちなみに、海洋博関連の歌は他にも多数あったようです。まだまだ知らない歌が眠っているのかもしれません。
♪海洋博ユンタ 三橋美智也
♪オキちゃんマーチ 今陽子
♪海洋博は招くよ 饒辺愛子
♪沖縄メンソウロー 新垣豊子/上地末子
♪海のおくりもの やまがたすみこ
♪沖縄海洋音頭 大平隆嘉
♪沖縄国際海洋博音頭 乙女椿 など
やっぱり海洋博覧会まわりはアツい!
糸満に、海洋博マニアがいるらしい?というアバウトな情報も寄せられているので、ご存知の方は情報をお願いします。海洋博ネタ、今後も発信していきます。
ゲストライター
- ぐしけんこずえ
- プロフィール:EXPO'75沖縄国際海洋博覧会マニアな編集者・ライター。得意技は二段階右折。本部町出身。