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街路樹のパンノキの実を食べてみる
夢のパンノキ
皆様こんにちは。皆さんは子どもの頃の憧れを覚えているでしょうか?
僕がまだ紅顔の少年だった頃、読んだ冒険小説で「パンノキ」なる木の実を美味しそうに食べてるシーンがあって「パンが実る木ってなんだかうまそうじゃないか。是非いつか食べてみたいものだ」とワクワクしながら思ったことを覚えています。
時が流れること30年余、そろそろオッサンになりつつある2014年現在、DEEokinawaの読者の方からこんなメッセージを頂きました(メッセージを送って頂いた嘉数さまありがとうございました!)。
パンノキ…!沖縄にあるの…!
写真を見る限り、街路樹っぽい雰囲気です。調べてみるとパンノキは「葉が大きく、よく茂ることから、熱帯地方では日陰樹として公園や庭園、また街路樹として植えられる(wikipedia)」とのことでどうやら沖縄でも街路樹として植えられている所があるようなのです。
というわけで本日はパンノキの実を探し出し、実際に食べてみるという内容で記事をお届けしようと思います。
パンノキを探して
まずはメッセージにあった那覇市上間のHONDA前に。
この辺りは一日橋といいますが、以前はここを流れる国場川に掛かった橋があったのだそうです。その昔、損壊した橋を1日で修繕したという伝承から一日橋という名前になったのだとか。
近くを探してみるとすぐに、それっぽい木を見つけることができました。
街路樹のプレートにも親切に「パンノキ」の表記と説明が。この説明にも「実はタンパク質やデンプンを含み食用」と書かれてますね。
ということで、落ちてる実を一つ拝借して参りました。某有名海賊マンガのなんたらの実みたいなフォルムですね。ネットで検索するともっとデカい実の写真がヒットするんですが、沖縄だとそんなに大きくならないのかもしれません。パンノキ、一体どんな味なんでしょうか?期待が膨らみます!
調理してみよう
さて、というわけで早速調理に移りたいのですが、一つ気がかりなことが。
漠然とした不安
なんか妙にパンの実がウエッティなんですよね。
匂いもなんだかカブトムシの餌みたいな匂いが漂っているのです。これひょっとしたら腐ってるんじゃ…。
まぁ一抹の不安はあるのですが、せっかくここまで来たのでやっぱり調理してみましょう。まずは実を二つに割ってみます。
二つに割った実はこんな感じ。紅色の部分は熟してぐじゅぐじゅしてますが、中心はそこそこ無傷のようです。
で、パンノキの調理方法なんですが蒸し焼きや丸焼き、あるいは薄切りにして焼けば食べられるようです。煮て食べていた人もいたので、「焼パンノキ」「煮パンノキ」の二種類の調理法で食してみることにします。
まずは「焼パンノキ」から。油を引いたフライパンにパンノキを入れて表面をこんがり焼いていきます。さっきまでカブトムシの餌みたいな匂いがしてましたが、焼き始めるとどうでしょう!フレンチトーストのような香ばしい匂いが漂ってきました!…まぁこれ油の匂いなのかもしれませんが。
続いて「煮パンノキ」。沸騰したお湯でパンノキを煮ていきます。煮ていく過程でものすごい実がバラバラになってしまいますが、ちょっとパイナップルっぽくも見えてなんとなく美味しそうにも見えます。
できあがりました。こうやって写真で見ると致命的に失敗した朝食みたいな絵面になってますが、味がよければ全てよしとしましょう。
パンの実はうまいのか
さて、実食です。確か子どもの頃に読んだ小説だと結構美味しそうに食べていたと記憶してたんですが実際の味はどんな感じなんでしょうか。
まずは「焼パンノキ」から。
…無味。
うん。なんだろう。食べられないことは無いんですけど、何の味もしません。もっとホクホクしたものを期待してたんですが、味の無いパインアップルを食べてる感じの食感です。実の中心の部分はエリンギの茎をもっと固くしたみたいな食感でした。
続いて「煮パンノキ」。
こっちも無味なんですが、無駄に実がシャキシャキしてエノキの茎みたいでした…なんかキノコ寄りの感想ばっかりですみません。あと皮の部分も食べてみたんですが、苦くてほのかに甘かったです。
そんなにうまいもんじゃなかった
もうパンノキの実よりパイの実でいいんじゃないか。
というわけで期待に胸を膨らませたパンノキだったのですが、残念ながら「そんなにうまいもんじゃない」という結果に終わりました。以前Naokiが「アダンを食べてみる」という記事を書きましたが、基本アレに近いんじゃないかと思うんです。しかしながら検索で出てくるパンノキの実はもっと緑色なので未成熟なやつを調理すればもっとうまいのかもしれません。どなたかパンノキを美味しく食べられる方法をご存じの方は是非とも編集部にご一報くださいませ。
これで一応、積年の夢が叶った訳ですがこれ食べない方がキレイな思い出だったんじゃないのかと思います。いつか息子が大きくなって冒険小説などを読む頃に自慢できるネタはできましたけど。