2014.07.30

【730】ナナサンマル車でGO!

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36年前の7月30日は沖縄で大きな変更があった日。その日から走り続けているバスに乗ってきました。

730(ナナサンマル)とは、本土復帰6年目の1978年に、それまで続いていた右側通行から左側通行に変わった日。
戦前は左側通行でしたが、終戦後はアメリカにより右側通行へと変更されていました。
36年前の今日、7月30日は再び左側通行になった記念日です。

この730(ナナサンマル)という言葉は、右側通行から左側通行へと変わることを知らせる事前キャンペーンの名称でしたが、実施後はそのものを指す言葉へと定着しました。

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730記念ステッカー。石垣島には記念碑や交差点もある
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県警が発行した通行方法の手引き

これに対応しなければならないのが自家用車やバス。復帰前の沖縄には日本車でも左ハンドルの「沖縄仕様車」が販売されていました。今でいう逆輸入車になるんでしょうかね。アメリカだったので日本仕様とは違うエンジンラインナップもあったそうです。

バスは全車両を左ハンドル右ドアから、右ハンドル左ドアに変更する必要があります。台数が台数なだけに資金の問題を解決するのが大変だったそうですが、なんとか国庫補助を受けることができ、新車・中古車の導入、既存車の改造をすることになりました。
このときに導入された車両を通称「ナナサンマル車」と呼んでいます。
その後は車両の老朽化が進み、新型車への代替が進み姿を消していく中、現在残っているのは、沖縄バスと東陽バスのそれぞれ1台のみ。

どちらのナナサンマル車も不定期ですが走り続けています。ということで今回は東陽バスのナナサンマル車に乗ってきました。

ナナサンマル車

現役で走り続けるナナサンマル車は、東陽バス馬天営業所の予備車として運行しています。

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サトウキビ畑が広がる場所にある馬天営業所
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待合室でおばちゃんがマンゴー売ってた

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新旧バスが並ぶ

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正面から。丸い車体に丸目が超かわいい

これが今も現役のナナサンマル車。日野自動車製造のRE101型機。もちろんディーゼル車です。元都知事が怒りそうなディーゼル車です。

今年で36才(同年代!)のナナサンマル車は、毎日運行していません。さすがに古いので整備して休ませながら走らせています。
運転手さんたちも正直ここまで走ってくれるとは思っていなかったそうです。ナンバーは沖22か906。今では見ることが少なくなった【沖】の一文字です。

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斜めから。シュッと細長い感じ。
今から5年前の6月に外装のリニューアル補修がされています。なので36年前のオリジナルとはちょっと違う箇所も。

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乗降口のステップがやや高め
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今のバスと比べるとタイヤハウスが広い

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タイヤハウスの大きさ。フェンダーの張り出し。バンパーの高さ。灯火類の高さ。全てが高め。
同じ丸目ライトでも、回りの形状の違いで印象が変わりますね。

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後ろから。丸っこい。系統番号はプレート。

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等間隔に並ぶリベット打ち
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メッキのリアバンパー。懐かしい形
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1枚ガラスが主流の現在とは違い3枚
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リベットに囲まれたリアサイドの三角窓萌え

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方向幕の左右に紫色のマーカーランプ。方向幕の上は、少しだけせり出した庇のような形状。サビがうっすらと出ているサイドミラーはもちろん手動。
コーナー部分を見ると、頑張って曲げてリベット打ちした感じがわかります。

乗ってみよう

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LEDとは違い味のあるウインカー

この日は3便運行。その最終に乗車してみました。他のお客さんはいないので貸切状態です。

ナナサンマル車は、系統番号191番・城間線(一日橋経由)で運行されています。最大高低差116m 往復38.3kmのルート。
馬天営業所を出発して、331号線を通り与那原交差点から329号線に入り、南風原を横断して上間交差点へ。
心臓破りの坂ならぬナナサンマル泣かせの坂をのぼり首里へ。
再び下り儀保を右折し浦添市前田、安波茶、大平を抜けサンパーク通りに入り58号線へ。屋富祖大通りに入り大平を抜けて戻っていきます。
終点という終点はないので、寝過ごすと馬天営業所まで戻ってきてしまうという悲劇が起こります。

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整理券ボックス。お茶缶みたいな感じ。

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乗車定員は78名。一人掛けの席は3席のみで残りは二人席と最後列の六人シート。
外装のリニューアル補修が施された翌月に、内装もリニューアル補修されています。

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運行回数が少なくリニューアル補修もしてあるのでとてもキレイなベロア調のシート。厚みは十分でフカフカです。座面はやや小さく、足元の広さは今のバスと比べると狭め。
 

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路線バスでは珍しい網棚。ん?珍しくないですか?

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停車ボタンは紫にぼんやりと光る。日除けのヨレ具合が年代を感じます。

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車内の照明は丸い蛍光灯。その中にはスピーカーが組み込まれています。

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渋滞と坂道は少し苦手
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古いバスだと気づくと指差す人も多い

エンジン音は他のバスとあまり変わらない気がします。沖縄のバスはナナサンマル車以外も古いものが多いからでしょうか。
走りだし、ブレーキを掛けたときは何となく違う感じ。剛性とかが関係していそうです。
首里へと向かう坂道は少し苦手。ゆっくりですが流れを止めてしまうことはありません。

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馬天営業所を出発して戻ってくるまでに約2時間。最初から最後まで乗ってしまいました。最大運賃は690円。往復で1380円です。

地球36周

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シンプルな運転席まわり。
ステアリングはオモステ程ではないけど少し重いそう。シフトレバーが長い。

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現在の走行距離を見てみると「093994」93,994km。平成21年7月の時点で1,349,511km!(地球約33周)となっているので・・・

今現在は何キロ走ったことになるのでしょうか。メーターが2周したとなると2,000,000kmというとんでもない数字になりますが。。

丁寧に整備してあげると、車ってこんなに走れるんだ、とビックリします。バスと乗用車で作りが違うので何とも比べにくいですが。

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デコンプレッションレバー。通称デコンプ
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車内放送用ラムコーダー

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方向幕は手動で回す

まだまだ走れます

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走り始めて36年。今も不定期ながら現役で走り続けています。2,000,000kmの大台を目指して頑張って欲しいものですね。
不定期運行なので、乗ってみたいという方は東陽バスに問い合せてみてください。運行日は日曜日の9時〜13時が多いみたいです。道路が空いていて負担が少ないからでしょうか。

東陽バス馬天営業所
〒901-1412
沖縄県南城市佐敷字新里545番地
電話 098-947-1040
東陽バス ナナサンマル車

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