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沖縄の水でフルーチェは固まるのか
みなさんこんにちは。突然ですが本日は「フルーチェ」の話をしたいと思います。
因みにフルーチェは「フルーツ」と「ドルチェ」を掛け合わせた造語らしいです。
フルーチェを知らない読者の方の中に人はいないと思いますが、フルーツ味のフルーチェ液に牛乳を加えて混ぜることで、ミルクプリンのようなとろみが付いたスイーツが出来上がるという夢のような代物のことですね。
- フルーチェ液に牛乳を加えて混ぜると
- とろみがついたフルーチェが完成
このフルーチェのとろみですが、フルーチェ液の中に入っているペクチンが牛乳の中に入っているカルシウムと反応してゲル化(とろみがつく)するというものであり、フルーチェの注意書きにも書いてあるんですがカルシウムが少ない豆乳や乳飲料などではうまく固めることができません。
- 牛乳の代わりに豆乳を使うと
- 固まらない
逆に考えるとフルーチェを固めるコツはカルシウムにあるわけで
カルシウムを豊富に含んだ水でも(牛乳ほどは固くなりませんが)、フルーチェを固めることができます。上の写真は硬水(カルシウムやマグネシウムを多く含む水)のコントレックスというミネラルウオーターです。
写真では分かりにくいと思いますが、少しとろみがつきました。
動画で見るとこんな感じです。
さて、ここまでは前置きだったんですが、フルーチェについてかいつまんでご説明すれば
・フルーチェはカルシウムによって固まる
・牛乳じゃなくてもカルシウムを含んだ水でも固まる
ということです。で、本日の本題なんですが、沖縄の水は石灰岩質の土壌を通っているためマグネシウムやカルシウムを多く含む硬水であるといいます。どのくらいカルシウムが含まれているのかは分かりませんが、うまいことやればフルーチェが固まるんじゃないでしょうか。
本日は沖縄の水を使ってフルーチェが固まるかについて検証してみたいと思います。
水を汲みに行こう
まずはフルーチェを固めるための水を汲みに行きます。沖縄でも色々な場所に井戸や湧き水的なものがありますが、今回採集した沖縄の水は以下の3箇所です。
塩川
まず1箇所目は本部町にある「塩川」。「塩川の水で塩はできるのか」という記事でも昔取り上げたんですが、塩川は沖縄最短の川であり世界に2箇所しかないという塩水が湧き出る不思議な川です。
水は確かに塩の味がします。塩水=カルシウムだったりナトリウムだったりが沢山含まれているということになるんじゃないでしょうか。
金武大川(ウッカー)
金武大川、ウッカガーは金武並里区にある井泉であり、1日1000トンを超える地下水が湧き出る場所です。上水道が普及するまでは、飲料水として、水浴場として、洗濯場として使われていたのだとか。
2014年の今も常に大量の湧き水が流れ出ています。
垣花樋川(カキノハナヒージャー)
最後は南城市の玉城にある垣花ヒージャー。名前も広く知られており日本名水百選にも選ばれたことがあるのだとか。まさにキング・オブ・ヒージャーと言えるんじゃないでしょうか。
割と急な石畳を下りていくと、開けた場所に大きな井泉が。水量も豊富で流れ出た水が池状になってます。近くにあった紹介看板によれば、現在もこの水は簡易水道として飲料水や農業用水に使われている模様。
以上3箇所の水を採取してきました。生水を使うと多分色々危険な気がしますので、とりあえずひと煮沸しておきます。
沖縄の水でフルーチェは固まるのか
というわけでフルーチェを固めるべく、塩川(本部町)、金武大川(金武町)、垣花樋川(南城市)をそれぞれ用意しました。さらに、もしも結果が芳しくなかった時のために久米島の海洋深層水「球美の水 硬度1000」を用意しました。
硬度とは水がどれくらい硬水かを表す数値なんですが、先に出てきたコントレックスは硬度1500、那覇市の水道水が170〜30の間くらいらしいので、硬度1000はかなりの硬水ということになります。
それでは早速実験してみましょう。
塩川
まずは本部町は塩川の水。
結果:水。全然とろみがつきませんでした。水くみに行った中では一番有望株だと思っていたので、なんだか嫌な予感がします。
金武大川(ウッカー)
続いて金武大川の水。塩川の塩水に比べたら普通に飲める水ですが、フルーチェは固まるんでしょうか?
結果:水。うん。全然固まんない。
垣花樋川(カキノハナヒージャー)
ここまで来たら大体結果が見えていると思うんですが、垣花樋川の水。
結果はやっぱり水でした。
球美の水 硬度1000
このままでは終われないので、最終兵器として買っておいた「球美の水 硬度1000」を試してみましょう。
球美の水1000を混ぜ入れます。
結果はいかに…!
…。
…結果はやっぱり水でした。
沖縄の水はフルーチェが固まるほどカルシウムは入ってない
というわけで惨憺たる結果に終わった本実験でしたが、結果としてフルーチェを固められたのは沖縄関係なくコントレックスのみという結果に終わりました。
調べてみると牛乳の100ml中に含まれるカルシウムが113mg、コントレックスに含まれるカルシウムの量は100ml中46.8mg、球美の水 1000は100ml中カルシウム6.4mgということで圧倒的にカルシウムが足りてなかったようです。また、他の沖縄の井泉も球美の水と同等の固まり度合いから考えると多分そんなにカルシウムは入っていないのだと思います。
結局の所「沖縄の水はフルーチェを固められるほどカルシウムが入っていない」というのが結論になる訳なんですが、例えば珊瑚のカルシウムを使ったり、にがりや海水を使えばもっとフルーチェをうまいこと固められるんじゃないのかと期待しています。これについてはいつか別の特集で検証出来ればです。
結局牛乳が一番うまい。
作った水フルーチェは全部食べましたが、水で作ったフルーチェ全然美味しくなかったので結局の所、教訓としては「フルーチェは牛乳で作るのが一番」ということになるかと思われます。この結果を皆様のフルーチェライフに役立てて頂ければ幸いです。