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クブシミの卵を食べてみた
↑クブシミイメージ図
コウイカ科に属するコブシメの和名は、沖縄の方言のクブシミに由来していて、刺身やイカ汁でよく食べられています。2年で甲の長さが50cmに達します。冬になるとサンゴに産卵し、ダイバーの間では、ふ化したての小さなクブシミの赤ちゃんのかわいい姿が人気のようです。
かねてから、クブシミの卵を天ぷらにするとおいしいと母が言っていたのを思いだし、作ってみることにしました。母が魚屋を営んでいた叔母さんから、数十点年前に習った料理だそうです。 さらに、普通のスーパーはおろか、市場などの鮮魚店にもなかなか売られていないレア食材らしいのです。
ネットで探しても、クブシミの卵を食べるという情報がありません。知人の漁師の息子に聞いたところ、クブシミの卵を使った料理は知らない、とのこと。大丈夫なのか…。
クブシミの卵を入手せよ
魚久鮮魚さん
クブシミの卵を探して、牧志公設市場の鮮魚店へ来ました。
この日は天気が悪くてクブシミは入荷していないとのことだったので、入荷したら卵をとっておいてもらう予約をして帰りました。
数日後電話したところ、1杯分だけあるというので、早速買いにきました。
ビニール袋に入った1杯分の卵、300円なり。
お店の方に料理法を聞くと、カマボコにしたり味噌汁にそのまま入れたりすると聞いたことがあるとのこと。あまり食べることはないらしく、買う人は少ないようでした。
この日は天気も良く、ほかでもクブシミが売られているかもと思い、調子に乗って奥武島まで足を伸ばしてみることにしました。
奥武島の鮮魚店に到着。
「生アーサ入荷しました」の看板も気になりますが、今日はクブシミのみを探します。
すると、ありました。3杯も。
今朝獲れたて
通常は1杯まるごと買わないと、中身の卵はもらえないのですが、1杯買っても卵が入っているかは、さばいてみなければわからないとのこと。大きいものは1杯3千円するので、かなりギャンブルです。
ところが、ちょうど別のクブシミをさばいている時だったようで、500円の冷凍のボイル切り身を買うオマケで、卵と白子、甲羅もつけてくれました。
甲羅は旦那へのお土産にします。
早速家に持ち帰って調理しましょう。
調理開始
クブシミの卵は白から黄色をしており、1cmくらいの大きさの卵が一塊につながっていました。
あれ、卵の塊は2つなのに、白子がなぜか3つある?
白子だけ余らせてもしかたがないので、全部混ぜてしまうことにしました。
〈材料〉
クブシミの卵 2杯分
クブシミの白子(※なくても良い)
鶏卵 1個
塩 適宜
まずはクブシミの卵と白子をすりこぎですり潰します。
- 鶏卵を入れて
- 粘りがでるまで
卵がある程度つぶれたら、鶏卵を入れて、餅のように粘りが出るまでかき混ぜます。
お好みで塩を入れて、お玉やスプーンですくい、油で揚げます。
かなり膨らみます。ひっくり返して両面がきつね色になったら、取り出します。
最初に揚げた分は、温度がよくわからなくて、焦げ気味になってしまいました。あまり高温で揚げてはいけないようです。
鍋の中でパンパンにふくれていたものが、冷めるにつれて、元の生地の大きさまでしぼんでしまいました。
- できあがり
- できあがりその2
- さぁ、試食してみましょう。
もぐもぐ
うまい!…かな?
思っていたほど生臭さはないです。天ぷらというより、甘みのないカステラカマボコのような感じです。鮮魚店の方が言っていた、カマボコとは、これのことかもしれません。
見た目ではクブシミの卵はわかりませんね
味見した母曰く、今回は白子が多すぎたので、卵だけで作ればもっと濃厚な味がして美味しい、とのこと。
え、じゃあ、白子は最初から要らなかったのでは…。
調理前の卵をそのまま食べた旦那によると、
「生の卵は、少し塩気があって濃厚なクリームチーズみたいな味。俺は天ぷらより生のままの方が好き」と、相変わらずのワイルドぶりです。
この味が好きな母におすそ分けしようとしたら、「昔、食べたらすぐにコレステロール値が上がってしまったから、好きだけど少ししか食べられない」と断られました。
調理していて気がつきましたが、揚げる際に膨らんだ時にも油を吸っているので、かなりの高脂質・高カロリー!
一度に数個も食べるのは、健康上危険な食べ物と言えるかもしれません。
ここまできて言うのも何ですが、私は魚卵とか珍味系の食べ物がかなり苦手です。
したがって、今後私がクブシミの天ぷらを作る機会はあまり無さそうですが、結論として、クブシミの卵は珍味好きの人にとっては美味しいということがわかりました。
珍味好きの方は、クブシミの産卵の季節に食べてみてはいかがでしょうか。
一緒に買ったクブシミの切り身で作ったイカ天ぷら、美味しかったです。
ゲストライター
- AYA
- プロフィール:生まれも育ちも沖縄本島。県民に多い苗字ベスト3入りする苗字だったのに、九州出身の旦那をもったばかりにイチイチ説明が面倒くさい。殺人事件が起こるドラマが好きでしゃべる機械キャラ萌え。