- DEEokinawaトップ
- 特集
- イチローカレーの謎に迫る
イチローカレーの謎に迫る
国道58号線を恩納村に入り『琉球村』の看板を通り過ぎたあたり、視界に青い海が飛び込んでくる沖縄らしい美しい景色が楽しめるポイントに、『OKINAWA HOLLYWOOD』の文字と自由の女神像があるのはご存知の方も多いのではないでしょうか。
長年沖縄に住み続けているともはや日常風景の一部と化していてあまり違和感もありませんが、たまに本土から観光に来た友人に「あれはなに?」と聞かれて答えに窮することがあります。
その立地や店構えなどから、自由の女神像のちょうど海側に広がるマリブビーチ沿いに建つ『マリブハウス』というレストランのオブジェだろうということは推測できるのですが、それ以上の詳細はわかりません。
マリブハウスといえばその店構えからも想像できるように、ステーキの店だったように思うのですが、いつの頃からか道沿いに「イチローカレー」や「キム・ヨナシチュー」といった謎の看板が乱立するようになっていました。
これはいったい・・・
というわけで今回はその答えを探るべく『マリブハウス』へ乗り込んでみました。
ロケーションのいいレストランなのになにかがおかしい
ぱっと見は美しいビーチの目の前に建つロケーション抜群のステーキレストラン。
外壁沿いにはレトロなハリウッド映画のポスターがずらり。
壁いっぱいにイチローとキム・ヨナの巨大な写真。
”マリブの激痛克服施術法は独自の体験から生まれた拷問マッサージだからできる”
宮里美香おにぎり...!イチローカレーとキム・ヨナシチューだけじゃなかったようです。
店内見取り図。2Fもあるのでかなりの広さがありそうです。
突っ込みどころ満載の外観に圧倒されつつ店内へ。
ドア左手の看板には、「素敵な人生を求めて 美容と健康のライフワーク」「健康調理法&ボディケア 希望者にはしっかり教えます」「ナガボーヤー」など謎のメッセージが。
果たしてここがレストランなのかどうかも疑問に思えてきました。
映画!映画!映画!
店内に一歩足を踏み入れると、吹き抜けのある広い店内はどこを見回しても昔の映画のポスターだらけ!
とにかく圧倒される量です。
残念ながら私はあまり映画に詳しくないので、単純に「すごいなー」ぐらいにしか思えませんでしたが、映画ファンにとってはきっとたまらない空間なのではないでしょうか。
ポスターだけでなく、ビーチ目の前に建っているだけあって海を眺める景色も抜群です。
2階もあるようですがフロアの半分は吹き抜けになっているので天井が高くかなり明るい開放的な雰囲気。
映画のポスターだらけかと思いきや、突然現れる宮里美香コーナー。
写真や書籍をはじめ、オリジナル泡盛、Tシャツ、愛用のゴルフバッグまで展示されており、宮里美香さんへのなみなみならぬ情熱を感じます。
レジ横ではマリブハウスのオリジナルマグカップやTシャツが販売中されていました。
レトロでなかなかかわいいデザインです。
店主からのメッセージがほとばしりすぎなメニュー
映画ポスターと宮里美香のミュージアムかとおもいきや、席につくとちゃんとお水とメニューが運ばれてきたのでやっぱりここはレストランだったようです。
なんだか料理の写真よりも文字が多いメニューですが、じっくり見てみましょう。
マリブハウス21世紀ビジョン
☆☆☆未来の幸福感☆☆☆
<全ては健やかな体作りから>
20世紀は大量生産大量消費が世界中で席巻しものの豊かさを求めて生きた時代でした。
21世紀はココロの豊かさを探求し世界中が平和で「安定した社会」「安定した経済」「安定した生活」を基軸にそれを実現しないといけない世紀だと思います。そのために必要なキーワードは「食べ物」だと思っています。
粗半生記を迎えたことを起点に21世紀ビジョンを「健やかな身体づくり」に据えて、もみ殻玄米粉(ハード玄米粉)、黒ごまパウダー、濃縮梅(陽梅)と根菜を使った料理店として再出発することにしました。
マリブハウスは小さな挑戦を始めます。
”食”を見直し、提案することができる舞台、
そして、お客様に感謝することによって
いつか竜宮城からInvitation(招待状)がと届くことを信じて・・・。
Yes we can!!
メニューの大部分は料理の説明というより店主からのアツいメッセージで埋められていました。
ひととおり目を通したところで、マリブハウスの看板メニューを注文してみることにしましょう。
イチローカレーの正式名称は『イチロー(選手)にも食べてもらいたいカレー』のようです。
同じくキム・ヨナシチューの正式名称は『キム・ヨナ(選手)にも食べてもらいたいシチュー』。
なるほど、いろいろ問題がありそうなネーミングもこの表現ならクリアできそうですね。
お値段はどちらも600円。
- 宮里美香おにぎり
- 室伏広治ハンマーおにぎり
その他、キャロットトマトスープや根菜トマトソースパスタ、カレーうどん、玄米粉を使用したオリジナルケーキなどいかにも健康に良さそうな品目が並んでいました。
ウェイトレスさん曰く、2年前からメニューを一新し、現在はイセエビ&ステーキなどはやっていないとのこと。
そしていよいよイチローカレーが登場
こちらが『イチロー(選手にも食べてもらいたい)カレー』。
ひじきの混ざった茶色っぽい炊き込みごはんに、にんじんなどの根菜類がたっぷり入ったカレールーがかかっています。お肉は入っておらず、酸味の効いたあっさりとした味わい。
このイチローカレーのコンセプトと誕生秘話がメニューに詳しく書かれていました。
世界を代表するプレーヤーイチロー。彼は朝食に”カレーを食べる”というニュースを耳にした時から、いつか、ここマリブハウスのカレーを食べてもらいたく試行錯誤を繰り返し、とうとう”かさね煮”というゆっくり長〜い時間をかけて、野菜本来の甘味を出す料理方法に出会いました。イチロー選手のような柔軟な身体、五感をも超えたエネルギーを、ポジティブにすべての人が出しきり、楽しく平和に命のかぎり生き抜けるような、そんな願いを込めたカレーです!
『キム・ヨナ(選手にも食べてもらいたい)シチュー』。
トマトベースの甘めのシチューにカブとにんじん、ブロッコリーがトッピングされています。こちらもお肉は使われていないようであっさりとした味わい。シチューっぽくは無いかも。パンかごはんかを選べますが、ごはんにしたところ『イチロー(選手にも食べてもらいたい)カレー』と同じものが添えられてきました。
視る人の心を射止めて離さない・・・!?
スケーティングのしなやかな体の動きと顔の表情は小悪魔のように視る人を魅了させてしまう。それほどに完璧だったバンクーバーでの演技。それは、甘い物を断った証・・・!!
キム・ヨナ(選手)にも食べてもらいたいシチューのソースの中に、その美しさとしなやかな身体にしてくれる秘訣が込められています・・・。どうぞ、その醍醐味をご堪能下さいませ。
どちらも、両選手に対するとにかくものすごい店主の尊敬の念と想いが込められて開発されたメニューのようです。
レジの上にはイチローカレーの神棚が燦然と輝いていました。
拷問マッサージの謎には迫れず
というわけでイチローカレーはなんぞやという謎は解けたわけですが、外壁で見かけてもうひとつ新たに気になった拷問マッサージ。
2階で行っているということだったのでお店の方に見学できるか聞いてみたのですが、完全予約制なのかこの時は残念ながらNGとのことでした。
セクシーなマネキンが気になる
興味のある方は是非問い合わせ、予約してみてください。
お見送りはゴジラ
というわけでレストラン『マリブハウス』の店主は、映画好き、イチローやキム・ヨナなどのアスリート好き、健康的な食好き、加えて拷問好きということが分かりました。
ドアを見上げればゴジラ
とにかくいろんな意味で個性の強すぎるレストラン『マリブハウス』、イチローカレーの謎は明らかになりましたが、全体としてはさらに謎が深まったような気がするのは気のせいでしょうか。