- DEEokinawaトップ
- 特集
- 個性的な沖縄ぜんざいを食べに行こう!
個性的な沖縄ぜんざいを食べに行こう!
内地は大雪のニュースが流れていますが、沖縄といえども寒い日が続いていますね。
これだけ寒いと、やっぱりぜんざいが食べたいですよねー。
この文章を見て「確かに、温かいおしるこが食べたいなー!!」と思った、そこのアナタ。
それは大きな間違いです。
沖縄では、ぜんざいと言えば、おしるこではなく『冷やしぜんざい』のこと。
簡単に言うと、金時豆にかき氷をかけたもので、「なぜこの寒い時期にぜんざいを!?」と
怪しむのが正解なのです。
沖縄ぜんざいとは?
で、その冷たい冷たい、沖縄ぜんざい。
wikiで「ぜんざい」を調べると、わざわざ「沖縄県のぜんざい」と表記して、以下のように定義されています。
【沖縄県のぜんざい】
沖縄県で「ぜんざい」と呼ばれる食べ物は、氷菓である。黒糖で甘く煮た金時豆にかき氷をかけたもので、「冷やしぜんざい」とも呼ばれる。
もともとは緑豆と大麦を甘く煮て冷やした食べ物で「あまがし」と呼ばれた。戦後は主に金時豆(または小豆)で作られるようになり、
冷蔵庫の普及と共にかき氷を載せるようになった。最近では白玉などが入ることもある。
ぜんざい=氷菓!!
これは、沖縄でしか分からない感覚だと思います。
ちなみにDEEokinawaでは以前「沖縄ぜんざいコレクションvol01」をしたこともあります。
個性的なぜんざいを出す、おそば屋さん?
さて、そんな冷たい冷たい沖縄ぜんざい。
今回は、ちょっと変わったぜんざいを出すお店が、沖縄市の泡瀬にあるという情報を聞きつけ、そのお店に突撃取材してきました。
その変わったぜんざいを出すお店とは、その名も「米八そば」。
ぜんざいの専門店ではなく、おそば屋さんなのです。
まずはお店の外観。決して個性的ではなく、普通です。
昔なつかしい麦入り黒糖ぜんざい。個性的なぜんざいって、これのことでしょうか!?
でも、まあ普通だ。
店内へ。
お店のメニュー。「ソーキ」「三枚肉」「てびち」。これも普通。
「トライアスロンそば」は多少ひっかかりますが・・・。
本当はいきなりぜんざいだけを頼みたいのですが・・・。
気の弱い筆者に、そば屋でそんな強気な注文ができるわけもなく・・・
まずは「トライアスロンそば」を注文しました。
そばが来るまで、店内を散策。
「とろとろてびちそば」が、コザチョイスに選定されてます。
あの登川誠仁さんをして「沖縄で2番」と言わしめるとは・・・。
ただ、1番がどこなのか気になって仕方ありません。
そうこうしているうちに、トライアスロンそばが到着!
「三枚肉」「てびち」「ソーキ」の3種の肉が入っています。
コーレーグスにすだちを絞ってくれます。
肉につけて食べると、これが美味しい!
全体的にあっさりして、美味しいおそばでした。
さあ、ぜんざいを頼んでみよう!
さて、ここからが本題。
そばも食べ終わったので、噂のぜんざいを注文してみます!
もし普通のぜんざいが来たら、どうしよう・・・。
キターーーーー!!!
こ、これは・・・・・
ぜんざい、なのか???
なんという存在感!!
普通のぜんざい=かき氷がくると思ってたら、相当ビックリしますよね。
そして何より、何のためにこんな形にしたのか、興味は尽きません。
ぜんざいを作っているご主人にインタビュー!
これはちょっと面白いので、取材をお願いしました。
「米八そば」二代目ご主人の永山賀郎(よしろう)さん。
顔写真を撮らせてもらっていいですか?と聞くと、「正面以外なら、どの角度でもいいですよ」との返答が・・・。
このセリフの秀逸なとこは、一見譲歩しているように見えながら、全く譲歩していないところですね。
「米八そば」にまつわるお話
では、お話を伺いたいと思います。
―米八そばは、いつ出来たお店なんですか?
「そば屋は、始めて10年ぐらいになります。その前は「米八」というお米屋さんでした。
「米八そば」という名前は、その時の名残ですね。」
―なるほど。では、お米屋の前は?
「元々、お父さんが警察官でして、脱サラみたいなかたちで金物屋、クリーニング屋、レンタル漫画屋とかをやってたんです。
でも、近所にTUTAYAが進出してきてしまい、レンタル漫画屋は廃業です(笑)」
―色々とやられてたんですね。
「そうですね。次に、クリーニング屋&お米屋みたいなかたちになったんですが。
これも、お米券の普及と共に、お米屋が廃業に追い込まれました(笑)」
―あのー。笑って話されてますけど、内容的にはちっとも笑えませんが・・・。
「そうですか?そこで、さあどうしようとなった時に、お母さんの弟が南城市でやっている「玉家(たまや)」という沖縄そば屋が大ブレイクしたんです。そこで、お父さんがお母さんに指示を出して「そば屋のノウハウを習ってこい」と。修行してこいと(笑)
そこでのノウハウを元に、ウチでの改良を加えて「米八そば」を始めました。それが約10年前です。」
―な、なるほど。でも大丈夫ですか、そんなに内部事情をペラペラと・・・。記事に載りますよ!
「あー、全然大丈夫ですよ。」
―そうですか・・・。では、続けます(笑)
メニューは創業当時から変わりましたか?
「メニューは創業当時と変わらないですね。「スーチカーそば」は追加になりましたけど。。
おすすめは「トライアスロンそば」です。三枚肉、ソーキ、てびちの3種の肉が食べられます。」
追加メニューの「スーチカーそば」
―じゃあ、一番売れてるのも「トライアスロンそば」ですか?
「あ、一番売れてるのはソーキそばです(笑)てびちを食べられない人が多いので、ソーキの方が売れるんです!
でも、おすすめはトライアスロンそばですよ!!」
創作ぜんざいの誕生秘話!
―そば以外の、ぜんざい、かき氷、じゅーしーなども創業当時からありましたか?
「ありましたね。」
よくよく見ると「ぜんざい」と別に「かき氷」というメニューも!
―今みたいな創作ぜんざいになったのは、いつから??
「そうですね。3〜4年前ですかね。。最初は普通のぜんざいを出してたんですが、変わったものを出そうとヒマな時に氷で遊んでたら、できちゃいました(笑)」
―遊んでたらできちゃった? 創作ぜんざいの、苦労話とかは、ないんですか?
「ないです、ないです。遊んでたら、できちゃったんです(笑)」
―えーと、再度確認なのですが。このまま記事に載りますよ?
「ぜんぜん問題ないです。大丈夫です。」
―では、続けますね・・・。ぜんざいには色んな形がありますよね?
「形は気分により変えます。いま主に出してるのは数種類だけですね。」
―作ろうと思えば、レパートリーはどれくらいあるんですか?
「無限ですね」
―ま、まあ、それはそうでしょうけど。
普段メインで作ってるのは、具体的にはどんな形のものでしょう?
「いま、主に作っているのは
(1)パンク
(2)オスプレイ
(3)花火
(4)こうのとり
(5)うま
(6)おしどり
の6種類ぐらいですかね。ご希望があれば、言ってもらえれば、この中から作ります。
リクエストのベスト3は、パンク、オスプレイ、こうのとり、ですね。で、さっき出したのが「パンク」です」
―こうのとりって珍しいですね。
「カップルにはこうのとりを出すことが多いです。
子供を運んでくるイメージがあるので、子どもが欲しいカップルとかに出したりしています。
で、のちのち妊娠したら、ボクのぜんざいのおかげということにしています(笑)」
ぜんざいリクエスト・ベスト3
1位「パンク」
ツンツンしてるイメージで。
2位「オスプレイ」
ご主人のお母さんは「風車(かじまやー)」と呼んでましたが(笑)。
3位「こうのとり」
幸せを運んでくるイメージで。
バックが黒くなってるのは、お母さんに黒いお盆を持ってもらっているためです。
お母さん、ありがとうございます!!
―これ以外の形のぜんざいをリクエストしたら、作ってもらえるんですか?
「この6種類の中なら、言ってもらえればご希望通りに作りますが、基本的には、これ以外のリクエストは受け付けていません。
以前、ショベルカーぜんざいという無茶なリクエストがありまして。その時はなんとか作りましたが、もうイヤです(笑)」
―なるほど。あと、お米券が使えるお店、とありますが?
「お米券を金券がわりに使えます。おつりも出ます。これは沖縄(のそば屋)でウチだけだと思います!」
米八そばの裏ワザ=お米券が使えます!!
―最後に、DEE読者に、何かひとことお願いします!
「あえて、特にないと言っておきましょう。ありません。」
―そ、そうですか。ありがとうございました・・・。
個性的なご主人が作る、個性的なぜんざい
というわけで、「米八そば」のぜんざいをご紹介しました。
正直なところ、このインタビューが取材として成立しているのかどうか、不安で不安で仕方ありません。
お米券も使えるおそば屋で、個性的なご主人が、当日の気分で出す、個性的なぜんざい。
なんだかややこしいですが、みなさんもこの楽しいぜんざいを食べに来られては?
なんといっても当日の気分で出てくるので、これ以外の形も出てくるかも知れませんよ!?
米八そば
木曜定休・祝日は営業
開店11時/閉店18時
住所:〒904-2172 沖縄市泡瀬5-29-6
電話:098-938-3266
http://komehatisoba.jimdo.com
ゲストライター
- manabu
-
寒いのがイヤ。という理由だけで、暖かい沖縄に移り住んで約2年。
趣味は、甘いものを食べること。
特技は、コップ1杯のお酒で酔っぱらい、どこでも寝ちゃうこと。
今後はDEEではあまり取り上げられない、スポーツネタを記事にしようと画策中。