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安いソーキそばのソーキはカンガルー肉という都市伝説を検証してみる

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沖縄には「安いソーキそばの肉はカンガルーの肉だ」という都市伝説があるが、本当にカンガルーの肉でソーキそばを作ったら気づかないものなのか。検証してみた。

安いソーキそばの肉はカンガルー肉である

一昔前に「某ハンバーガーショップMのハンバーグはミミズから作られている」という噂話がまことしやかに流れていたのをご存じでしょうか?

僕はその頃小学生だったんですが、友達が実際に見たとか口止め料をもらったとか色々噂話が錯綜したことを記憶しております。

で、今日は沖縄のソーキそばの話なんですが


某掲示板。赤い肉はヤバイらしい。


某知恵袋。言い切っちゃってる。

沖縄特有の都市伝説として「あそこのソーキそばは異様に安い。なぜなら豚肉の代わりにカンガルーの肉(あるいはカピバラの肉)を使っているからだ」というものがあります。

んなアホな…と思うんですが、ググってみたところ「ソーキそば カンガルー」で検索してヒットするサイトは約24,900件。割と今でもそのような噂話は絶えていないようです。

 

それでは実際にカンガルー肉でソーキそばを作ることはできるのでしょうか?また本当に気づかないもんなんでしょうか?試してみることにしました。

 

カンガルー肉を買ってみる

まずはカンガルー肉の調達へ。とはいえカンガルー肉って何処に行けば買えるんでしょうか…。

カンガルーでおなじみイバノへ
カエル肉とかワニ肉とか

とりあえず浦添市の輸入品を取り扱ってるイバノに行ってみましたが、カエルとかワニとかウサギとか色々肉はあれどもカンガルー肉はありませんでした。


Amazonは何でもあるよね

結局、Amazon でネット注文することに。フィレ肉とケバブ(串焼き)、尻尾のテール肉が売ってたんですが、骨があった方がソーキっぽいだろうということでテール肉を注文。500gで1,160円でした。

ちなみにネットで見てると食用肉以外にペット用の肉としてもカンガルー肉は販売されているようです(うっかりペットフード用を買いそうになった)。

 

ソーキそばを作ってみよう

というわけで、肉を調達してきました。

左がカンガルー肉、左はスーパーで買ってきたソーキです。念のため「ソーキ」について説明しておきますが、豚のスペアリブ部分ですね。

カンガルーテールカット/オーストラリア産
豚肉ソーキ/アメリカ産

ソーキの方はアメリカ産、669gで856円。カンガルー肉が500gで1,160円なことを考えるとちょっと割安です。

まずは沸かしたお湯で下ゆでを。とりあえず同じ鍋にソーキとカンガルー肉入れて茹でてるのですが、ものすごいアクが出てきました。…これ本当に大丈夫なんでしょうか。

下ゆで完了。ソーキは白っぽくなっているのに比べ、カンガルー肉は牛肉色です。

圧力鍋で煮込んでいく
よい感じに火が通ってきた

下ゆでをした肉を何時間も煮込んでいくんですが、面倒臭かったので圧力鍋で調理。時間を短縮します。圧力鍋で15分加熱→水を替えてさらに15分加熱をするとかなり肉が軟らかくなってきたようです。

こちらはソーキ。まだ味はついてませんが、ほぼソーキそばに乗ってるくらいの柔らかさになったようです。この段階でソーキそばのにおいが漂っています(豚肉くさい)。

続いてカンガルー肉。あまり脂がない肉質なため、見た目は魚みたいにも見えます。茹で上がりのにおいは完全に牛肉のそれです。色もさることながら、どうもカンガルー肉は牛肉に似ているのかもしれません。

あとは茹で上がった肉を、醤油、酒、砂糖、みりんなどで味付けていきます。

30分くらいじっくり味がしみたら煮てできあがり。

 

カンガルー肉のソーキそばいけるのか

さて、味付けした肉をそばに盛りつけて、カンガルー肉そば(左)、ソーキそば(右)ができあがりました。果たしてカンガルー肉はソーキそばとして出されて本当に気づかないくらいの味なんでしょうか?

それぞれ食べ比べてみたいと思います。

まずは普通のソーキから。

普通にうまい。割かしうまい具合にソーキが煮られました。もうDEEokinawaが立ちゆかなくなったらそば屋とかできるんじゃないかと。

まぁそんな戯れ言は放っておいて、お次はいよいよカンガルー肉です。

……。

うん。まぁまずいことはないんですよ。カンガルー肉は味も肉質も牛肉っぽいです。あまり脂がないので、ホロホロと肉が崩れてこれ何かに似てるなーと思ったら一番近いのはビーフシチューに入ってる牛肉です。

これを「ソーキそば」って出されて気づくか否かですが、普通は気づくレベルなんじゃないかと。あと食べ比べて気づいたんですがソーキそばって割と豚肉くさいんです。この豚肉くささが食欲をそそるんですが、カンガルー肉だとにおいも全然違うんで流石に分かるかなという感じです。

 

まとめ

というわけでカンガルーでソーキそばを作ってみましたが味には明確な違いがあり、肉質も全く異なるために「安いソーキそばはカンガルー肉である」はガセなんじゃないのかと思われます。

反面、カンガルー肉は確かに安価なのと赤肉なので「赤い肉はカンガルー肉だ!」っていう主張は若干根拠があるように思われます。今回カンガルー肉はソーキに相当する部分では無かったので同じ部位で作ればもっとそれっぽいのかもしれません。

…まぁカンガルー肉使ってるなら「カンガルーそば」みたいな名前にした方がウケると思うんですが。

因みに「安いソーキそばはカピバラの肉である」という説もあるんですが、カピバラ肉自体どこを探しても販売されていなかったので検証ができませんでした。噂によれば読谷村あたりで沢山飼育されているらしいので(ほんとかよ)知っている方がいらっしゃったら是非情報をくださいませ。

「うちのソーキそばの肉はカンガルーだ!」というそば屋の方からの情報もお待ちしております。

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