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【建物探訪】今帰仁村中央公民館
今帰仁村中央公民館は1975年に竣工。
設計は象設計集団とアトリエ・モビル。代表作品には日本建築学会賞を受賞した名護市庁舎があります。
建物は中庭を囲むように「コの字型」に配置。
その中にはそれぞれ独立した正方形の空間があり、教育委員会が入る事務室や調理室、和室や講堂があります。
オープンな休憩スペース。外なのか中なのかわからない曖昧さが何だか心地いい場所です。
赤い列柱が特徴
特徴は何といっても赤い列柱。
コの字型に配置された276本の柱で各部屋を囲み大きな屋根で覆われています。
列柱はコンクリートブロックを積み重ねて赤く塗られたもの。
列柱と内側のスペースの間は回廊に。
回廊部分は、沖縄民家でよく見られたアマハジ(雨端)と呼ばれる空間にもなっています。アマハジとは、屋根から張り出した庇(ひさし)のこと。昔の沖縄の民家には玄関がなく、この軒下にできた空間で訪問者との接客の場になったり、直射日光や雨風を遮る役目があります。内地では縁側がイメージに近いかもしれませんね。
回廊は京都伏見稲荷の鳥居のようですが、沖縄っぽくもあり東南アジアっぽい雰囲気もあります。
赤い柱に伸びるヒメイタビ。赤と緑のコントラストが綺麗。柱全体を覆うのはどれくらいかかるのでしょうか。
赤以外の色も
7色に塗られた階段状の小さなステージ。
トイレはブロックで円形に組まれ3色で塗られています。穴の開いたブロックの組み合わせがイギリス国旗のユニオンジャックっぽいです。穴の開いたブロックや花ブロックは、組み合わせを変えるといろいろな模様ができて楽しいですよね。
さりげない装飾
柱の回りや床には、貝殻やタイルなどで装飾。
カラフルなトイレの上を見上げると、ガラスブロックがはめ込まれた星座が。
屋根にも
赤い列柱の他に特徴的なのは屋根。コンクリートでできた屋根の上には、鳥の巣のような形に組まれた木材。
昔はブーゲンビリアなどが生い茂り、緑の屋根になっていたそうです。現在は所々に残るのみに。40年近く前の屋上緑化ですね。
中庭
コの字型に配置された建物の中央には芝生の中庭が。今帰仁村総合祭りなどの祭りやイベントで使われることも。
中庭の中央には3本の柱。柱の上にはシーサーが鎮座。
北部ドライブの帰りにでも
公民館とは思えない作りの今帰仁村中央公民館。無機質な建物にはない手作り感がある建物で心地よい空間でした。
赤い列柱に映えるヤシの木やブーゲンビリア、今の時期だとトックリキワタの花がキレイに咲いています。
今帰仁城跡や北部ドライブの帰りに、ふらり立ち寄ってみてはいかがでしょうか。