ジャンボタニシを食べてみる

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皆さんは「ジャンボタニシ」をご存じだろうか。今は害虫だが、もともと食用で持ち込まれたものだというので食べてみることにした。
ご注意事項

・ジャンボタニシには寄生虫などがおり、手で触ったりしたあとは必ず手を洗いましょう。
・上記の理由からしっかり火を通して食べましょう。
・今回の記事はややグロイので虫の嫌いな方はそっと閉じてください。

皆さんジャンボタニシという生き物をご存じでしょうか?

ジャンボタニシは「スクミリンゴガイ」という名前の淡水に生きる貝で、稲などの農作物を食い荒らす害虫です。世界の侵略的外来種ワースト100リストというやつにも入ってるようです。日本では食用として海外などから持ち込まれたものが、野生化して分布を広げているのだそうで、沖縄でいうアフリカマイマイと同じような経緯みたいですね。

資料を調べてみると沖縄県では昭和55年にシンガポールから15匹のジャンボタニシを持ち帰った人が、養殖の後に昭和57年5月までに他府県に17kg,県内各地に30kgを販売、その際の価格はなんとkgあたり5万だったそうです(* 昭和57年度沖縄県水産試験場事業報告)。

このジャンボタニシ、沖縄でも野生化したものが問題になっているようですが、もとは食用ということで多分食べられると思うんです。いったいどんな味なんでしょうか?

というわけで今回はジャンボタニシを食べてみるというお話です。

 

勝連城趾産ジャンボタニシ

まずはこの企画なんでやることになったのかという経緯からご説明したいと思います。

こちらはうるま市にある勝連城趾。

ジャンボタニシ捕り。
赤いのはジャンボタニシの卵。

うるま市にある博物館、海の文化資料館でこの夏に勝連城趾などの生態系を守るため、今は害虫になったジャンボタニシなどを駆除したのだそうです。

で、このジャンボタニシを


カニを絞る川副さん

カニ豆腐だったりオキナワウスカワマイマイだったりでお世話になっている沖縄市郷土博物館の川副さんが譲り受けて「食ってみようぜ!」という連絡を頂いたからなのです。

…別に僕がゲテモノ好きなわけじゃないですからね。念のため。

 

ジャンボタニシを料理してみる

それでは気を取り直してジャンボタニシを料理してみたいと思います。因みにこのジャンボタニシは川副さんが譲り受けたものを2ヶ月間養殖して大きくしたものです。

「ジャンボタニシ」という名前を聞くとどんだけでかいのか、という話になると思いますが今回調理するのは5-6cmくらいの大きさのやつです。そもそもジャンボタニシ、タニシの仲閒じゃないんだとか。

ジャンボタニシを食べるにあたって、料理法を色々調べてみたんですが沖縄でどのように食べたれていたのかが全然分かりません。多分一般的な食材として沖縄で出回る前に養殖ブームが終わってしまったんじゃないかと思います。

どうやって調理すればいいのか…。考えた末エスカルゴみたいに焼いてみたらいいんじゃないかという結論に至りました。

ネットで検索した「エスカルゴ 下処理」の結果をもとにまずは塩でジャンボタニシを殺します。

…しかし、なかなか死にません。ジャンボタニシは蓋みたいなものがついていて、貝に潜ってぴっちり蓋を閉めることができるらしくちょっとやそっとでは死ななそうです。

鍋に入れて
煮てみる

ググってでてきたエスカルゴの下ごしらえでは、「塩でしめてから下ゆでする」と書いてあったんですが、塩では死ななそうなのでそのまま下ゆですることに。寄生虫とかが怖いので念入りに茹でます。

流石に動かなくなりました。

爪楊枝で身を取り出して殻と身を分けます。茹で上がったジャンボタニシですがバイ貝の臭いがします。

こちらがジャンボタニシの身
こちらはジャンボタニシの殻

身からハラワタだけ取り除いたんですが、取り出した身の形といい、臭いといいウスカワマイマイを彷彿とさせます。巻き貝って大体同じような形をしているのかもしれませんね。

エスカルゴの下処理に則って、ジャンボタニシの身をさらに白ワインで煮て臭みをとります。

バターを詰めて
耐熱皿に

最後に殻に身を戻して、ニンニクのすり下ろしなどを加えたバターで蓋をします。

これをオーブンで加熱すればできあがり!

 

ジャンボタニシエスカルゴ風はうまいのか

というわけで「ジャンボタニシ エスカルゴ風」が完成しました。

早速味見してみましょう。

………。

あれ?これ普通にうまいよ?

なんでしょうか?一番近い味で言えばサザエなんじゃないかと思います。歯ごたえもあるし、淡水のもの特有の泥臭さもありません。

ジャンボタニシはそこらじゅうにいるし、外来種で害虫だし、「沖縄のエスカルゴ」みたいなノリでみんな捕まえて調理すればいいんじゃないでしょうか?

……。
……。

ただ、僕たちはエスカルゴを食べたことがないため、これがエスカルゴなのかどうかは分かりませんが。

 

次はアフリカマイマイなのかもしれない

とういわけでカタツムリ系は、ウスカワマイマイ、ジャンボタニシと食べてきたのですが結論から言えば見た目に反して割とうまいんです。

…ということは同じような経緯で導入されたアフリカマイマイも割とうまいんじゃないかと思っています。そのうち勇気を振り絞って食べるかもしれませんのでお楽しみに。

 

最後に今回ジャンボタニシを一緒に食べてくれた川副さんの務める沖縄郷土博物館では10月25日~11月24日まで「沖縄県立博物館移動展 目からウロコの生き物展」が行われるそうです。

ジャンボタニシとかは食べられませんが、お近くにお住まいの方は是非足を運んでみてください!

沖縄市郷土博物館
沖縄県沖縄市上地2-19-6 文化センター3F
休館日:月曜日・祝日
入館料:無料

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