2013.01.10

沖縄の植物で七草粥を

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1月7日は七草の日でした。正月クワッチーで疲れた胃腸をいたわるために、七草粥を食べたという方も多いのでは。でもせっかくならば、あまりなじみの無い植物ではなく、身近に生えている沖縄の植物で七草粥を作りたい。そう思うのは自然なことではないでしょうか。

楽しかったお正月休みも終わり、みなさんすっかり日常を取り戻した頃でしょうか。
お仕事始めという方も多かった今週月曜日は、春の七草でしたね。

七草(ななくさ)は、人日の節句(1月7日)の朝に、7種の野菜が入った粥を食べる風習のこと。
元々の「七草」は秋の七草を指し、小正月1月15日のものは「七種」と書く。この七種も「ななくさ」と読み、一般には7日正月のものを七草と書くなど、現在では元々の意味がわからなくなり、風習だけが形式として残った。これらの事から、人日の風習と小正月の風習が混ざり、1月7日に「七草粥」が食べられるようになったと考えられる。
Wikipedia「七草」より)

お正月でご馳走を食べ過ぎて疲れた胃腸をいたわるという意味合いもあるんだそう。(そんなご馳走食べてみたい。)
近年では七草が近くなるとスーパーに「七草粥キット」なるものがずらりと並び、わざわざ自分で七草を集めてこなくても手軽に作って食べることができます。

様々なメーカーからキットが出ている
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七つ全部言えるかな?

春の七草といえば「せり・なずな・ごぎょう・はこべら・ほとけのざ・すずな・すずしろ」の七種類。ちなみに秋の七草は「おみなえし・おばな・ききょう・なでしこ・ふじばかま・くず・はぎ」。元々「七草」といえば秋の七草のことだったというわりには春の七草に比べて馴染みが薄い気がします。
 

七草を探して三千里

便利な七草キットの誘惑を振り切り、まずは自宅の周辺で使えそうな草が無いか捜索開始。
沖縄では冬とはいえども植物たちは元気に生い茂っています。

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謎のヘルメットが置かれているのが若干気になりますが、この茂みで2種類の食べられる草を発見。
 

・フーチバー(ヨモギ)

ヤギ汁などニオイが強い肉の臭み消しなどにも使われるフーチバー。
沖縄そばに入れても美味しいですね。

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鋭いギザギザの葉っぱが特徴です。

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柔らかそうな若葉の部分を選んで摘み取りました。
独特のフレッシュな香りが漂います。
 

・センダングサ

そして、沖縄では年中どこでも見かけるセンダングサ。
この草にはいろいろと苦い思い出がありますが、とりあえず身近で見かけるおなじみの草ということでラインアップに加えます。
ちなみに宮古島ではこのセンダングサを管理栽培し、有用なハーブとして研究・開発をしているのだそう。名前も「ビデンス・ピローサ」というなんだかお洒落な呼び名に。

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種子(くっつき虫)がくっつくとかなり面倒なので細心の注意をはらいつつ採取。

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これもなるべく苦味が少なそうな若葉の部分を採取。
 

・サクナ(長命草)

お次は抗酸化作用に優れているとして昨今注目されているサクナ。与那国島が有名ですが、沖縄本島でもよく道端などで見かけます。
苦味がくせになる大人の味。細かく刻んで白和えにすると美味しいです。

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民家の塀の角というものすごく犬がマーキングしやすそうな位置に生えていましたが、その現実からは目を背けたいと思います。
 

・オオタニワタリ

本島ではあまり食べる習慣がありませんが、八重山地方では天ぷらやチャンプルーとして普通に食卓にのぼるオオタニワタリ。
ガジュマルなど大きな木に寄生している姿をよく見かけます。

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シダ科の植物なので、密集恐怖症の人は葉の裏側を見ないように気をつけましょう。

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葉先がくるっと丸まった黄緑色の新芽の部分が食べられます。

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ちなみにこのときの引きの写真を見ると怪しさ爆発。
もし私が警官ならば、間違いなく職務質問しています。
 

・ツワブキ

最近あちらこちらで黄色い花を咲かせているツワブキも加えてみることに。リュウキュウツワブキという変種のツワブキがあるそうですが、これがそれかどうかはわかりませんでした。

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花ではなく、丸い葉の葉柄の部分が食べられます。

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カエルの雨傘のようでちょっとかわいい。

これで5種類の草が集まりました。
あと2種類...。あと2種類...。
 

困ったときはファーマーズ

残り2種類の野草。探してはみたのですが、雨が降ってきたし寒いし面倒になってきたので、ここは潔く農産物直売所へGO。
せっかくなので2ヶ所まわってみました。

南城市大里にある軽便駅 かりゆし市
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見たこともない謎の植物を発見
JAファーマーズマーケットいとまん うまんちゅ市場
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初めて見る「ボルドヂンユ」という草

農産物直売所は普段スーパーで見かけないような珍しい野菜や果物などが売られているので楽しいです。
上のふたつが気になりましたが、彩りが欲しかったので紫色の葉が鮮やかな「ハンダマ」と、ネバネバが特徴でなんだか健康になれそうな「雲南百薬」の2種類をゲットしてきました。

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これで無事、七種類揃いました。
 

茹でて刻めば準備OK

それでは集めてきた雑草野草をおさらいしてみましょう。

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  • フーチバー(ヨモギ)
  • センダングサ
  • サクナ(長命草)
  • オオタニワタリ
  • ツワブキ
  • ハンダマ
  • 雲南百薬

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よく洗った後、ひとつまみの塩を加えた熱湯で茹でます。
本来なら色よくさっと茹でるところですが、いろいろと不安なのでちょっと入念に熱を加えることにします。

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執拗に加熱した割には、なかなか色鮮やかな茹であがり。

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それぞれ細かく刻んで下準備完了です。雲南百薬は刻むとネバネバに。
 

お粥に混ぜて完成

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予め炊飯器で炊いておいたお粥にさきほど刻んだ野草を混ぜ込み、塩をひとつまみ。

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というわけで、ウチナー七草粥の出来上がり。
オオタニワタリの葉先はなんか可愛いかなと思って飾ってみましたが、べつにそんなに可愛くは無かったですね。

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「い、いただきます・・・」

彩りになると思いラインアップに加えたハンダマは、茹でると紫色が抜けてただの緑色に。
しかしその色素だけがお米に移り、全体的に食欲をそそらない残念な見た目になっています。

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そして肝心のお味はというと、ただただ青臭い。そして時折ものすごく苦い(おそらくセンダングサ)。
はっきり言って美味しくない。というか不味いです。ごめんなさい。

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七草粥で胃腸をいたわるつもりが、全くいたわれないどころか逆に胃腸にストレスを与えるという残念な結果に。
新年一発めの記事がこんなことになってしまい先が思いやられますが、めげずに今年もいろいろ挑戦していきたいと思います。

そして、来年は素直にスーパーに並んでいる七草粥キットを買ってこようと思います。

ごちそうさまでした。ウップ。

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