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沖縄で最古の木造建造物
桃林寺
以前紹介した旧大宜味村役場庁舎は沖縄県内で最も古いコンクリート建造物。
今回は木造建造物を紹介するのですが、どこにあるかご存知でしょうか?それは石垣市石垣にある権現堂。
権現堂は隣接する桃林寺と併立して創建されました。まずは桃林寺の紹介を。
桃林寺山門
国の重要文化財に指定されている桃林寺は、琉球王国の尚寧王が薩摩藩の進言を受けて建立を命じ、1614年に創建した八重山で最初のお寺。それまで八重山には仏教寺社がなかったんですね。
桃林寺の文字が何となくかわいい
桃林寺本堂
桃林寺本堂も1771年の大津波の被害を受けたが、再建修復を繰り返し現在に至る。
沖縄最古の仁王像
桃林寺の山門の左右に仁王像がいる。
沖縄に仁王像というだけでも珍しいのだが、なんとこの2躯は沖縄最古の木造彫刻物でもある。
完成したのは1737年。ドシヌ(おがたまの木)という八重山産の材木を用いた寄木造り。県指定有形文化財。
1771年、明和の大津波で流されてしまったが、崎枝湾の海岸に打ち上げられているのが発見され、戻されて修復されたそう。
権現堂
桃林寺の隣にある権現堂は、1614年に桃林寺と併立して創建された。
1771年の大津波で壊滅したが、1786年に再建。その後、2度の改建・修復されたが、太平洋戦争で大破。1947年に修復。その後も何度か修復作業が行われて現在の姿になっています。
赤瓦葺の薬医門
薬医門・拝殿・神殿と軸線上に建てられている。
拝殿
両脇に祭壇。奥に見えるのが神殿
神殿
沖縄で最古の木造建造物の権現堂神殿。
朱色がキレイでとても最古と思えないが、2008年、権現堂神殿は大規模の修復作業を行い現在の姿に。国指定重要文化財。
神殿
御神体の宝鏡は銅製で琉球最古といわれているもの。木彫りの仏像も併祀されている。
牡丹の浮き彫りの肘木
権現堂神殿は、本土の神社にはあまり見られない特色がある。
両脇間に麒麟が描かれた板戸
唐獅子がはめこまれた登高欄
知らないものがたくさん
沖縄最古が3つ(仁王像・権現堂・御神体)もあった桃林寺・権現堂。
通りに面しているのに、石垣の塀があるからかとても静かな場所でした。正月になると、石垣島では珍しく参拝客で行列ができるそうです。
古くなったからすぐ取り壊すのではなく、何度も修復して残しているのが素敵だなと思いました。
個人的に建物系が大好きなので旧大宜味村役場庁舎と同様興奮してしまいました。今後も沖縄にあるステキな建物を紹介したいと思います。