【大人の社会科見学】オキコパンのできるまで

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12回目の【大人の社会科見学】シリーズ。今回はあの「ゼブラパン」でも有名な製パン会社、オキコ株式会社さんからパンができるまでをご紹介します。

12回目の【大人の社会科見学】シリーズ。今回はあの「ゼブラパン」でも有名な製パン会社、オキコ株式会社さんからパンができるまでをご紹介しましょう。

ところで「オキコ」の由来が「沖縄興業」から来ているのはご存じでしょうか?オキコ株式会社の前身の「沖縄興業株式会社」は1947年に豊見城で創業を開始して、もともとは赤瓦や瓶の製造・販売を行っていたそうです。そこから製菓・製麺を始めて、現在の西原で製パンが始まったのは1972年のこと。


工場内は厳重に衛生管理がされてます

それではオキコのパンのできるまでを見ていきましょう。

まずはパンのできるまで

まずは原料となる小麦粉などが置かれている資材倉庫から。見渡す限り小麦粉の袋が並んでいますが、これで予備も含めてほぼ2日分。オキコの工場で作られるパンは1日で20万食にもなるそうです。

小麦粉などの原料は各ラインに振り分けられて、ミキサーで練り込まれます。工場にはいくつかラインがあって菓子パンを作成する菓子パンライン、食パンを作成する食パンラインなどに分かれているとのことです。

練られた生地の行方を追っていきましょう。コンベアで薄くのばされた生地が運ばれていきます。

この何だかよく分からない機械を通ると…

丸くなった!

そう、このラインは菓子パンラインです。

こちらは発酵がすんだもの。棒状だったパンが、パンらしくなってきましたね。

コンベアに乗ってオーブンから出てきたもの。この一帯はパンの焼けるいいにおいが充満しててお腹が減りました。

焼かれたパンはさらにコンベアに乗って流れて行って

機械で間にジャムなどを挟んだり、検品をされて包装されます。

最終的に包装されたパンは、こちらから配送トラックに乗って出荷されていきます。

 

他にも様子を見てみよう

一旦原料からパンができるまでを見てみました。次はちょこちょこいろんな所をピックアップしてみていきましょう。

この丸っこい生地ですが、何だかわかりますか?

並べて型に入れられる生地たち
発酵後の生地

型を見てわかった方もいらっしゃると思いますが

食パンです。こうして食パンが並んでどんどん運ばれていく様子は圧巻ですね。

 

パンの製造はほぼ全自動で焼き上がりまでの工程を行えるものと、手作業が必要なものに分けられています。

このラインには結構沢山人が集まっています。

流れ作業でパンにトッピングをしています。

このパンですがmycoが以前に作っていた勝手に島パンプロジェクト(与那原編)勝手に島パンプロジェクト(宮古島編)でもおなじみの(?)「わったー島パン」の「読谷コンビーフの和風ピザパン」だそうです。

僕はTVが家になくてわからなかったんですが、「わったー島パン」は10月9日から県内ローソンで販売されているらしいですよ!気になる方はチェックしてみてください!

 

こちらはパンを発酵させるための発酵室。生地から整形されたパンはしばらくここに入れて発酵を促します。

発酵室から出てきたパン達。

このメロンパンみたいなやつ、先の読谷コンビーフハッシュの和風ピザパンと一緒に発売される「ちんすこうメロンパン」だそうです。たしかに表面がちょっとちんすこうっぽい。この日はまだ発売日前で、テスト段階の試作品とのこと。

オーブンから出てきたのはさっきのちんすこうメロンパンの試作品。

今回のものはあくまでテストのライン稼働。今出てきたものだと生地が割れすぎているために、これから販売まで焼き加減や整形を色々調整していくのだそうです。

あとは是非、ゼブラパンができるまでを見てみたかったのですが、ゼブラパンは午前中で全部作業が終わっているそうで、ラインが動いていませんでした。

 

お話もおうかがいしました

せっかくなのでお話もうかがいました。お話を伺ったのはパン営業部 直販課の知念さん。

―オキコさんのパンで売れ筋商品というのはありますか?

弊社でいくと「ファミリーサンド」という商品とあとは食パン系が多いですね。「もちっと食感」や「超熟食パン」、「超熟食パン」は本土の敷島製パンさんという製パンの会社があるのですがそちらと提携しておりまして、そのライセンスを使って生産しています。あとは「ゼブラパン」や「スナックパン」などですね。

―逆に作ってみたけど売れなかったという商品もありますか?

結構ありますね。「バジルマヨネーズ」とか「たくあんマヨネーズ」なども作ってみたのですが売れなかったですね。商品の寿命でいくと、売れない場合は包材のロットなどがありますのでだいたい1ヶ月くらいで商品が終売になります。毎年自社商品だけでも30品、スーパーやコンビニのプライベートブランドで100品でトータル130品近く商品を開発していますが、1年以上残る商品は年に10から15品程度です。

―結構頻繁に商品の開発は行われているのでしょうか?

毎週一回営業部と開発部が集まって開発会議というのを行っていますね。そこで新しいパンのアイディアを出したり、試作品を試食してみたり、ということをしています。自社で色々商品を開発してるのですが、ここ最近ですとコラボなどでFC琉球さんだったり、ローソン沖縄さんとOTVさんの人気番組「ひーぷー☆ホップ」の企画の「わったー島パン」など外部からの依頼での開発も増えていますね。

「わったー島パン」の場合、視聴者さんから100件くらいのアイディアが寄せられて、そこからこちらで材料の確保や量産できるかなどから8品まで絞り混んでサンプルを作ってみて、そこからさらに4品に絞り混んで、最終的に4品を番組で投票してもらって今回2品がでる形ですね。絞り込みが終わった後にこの2品については味のバランスや焼き具合などについても色々調整しています。

―そういえば沖縄のパンはなんだか内地より大きな気がします。何か理由があるのでしょうか?

特には理由はないのですが、本土サイズのクリームパンやあんパンなどを出しても売れなくて結果残ったのが今の大きさですね。少し小さめで値段の安いものより少し高くてもボリュームのあるものが売れるようですね。

 

気になるゼブラパンの謎


今月までパッケージがかりゆしウエアバージョンになってます。

ゼブラパンについてもお話をうかがおうと思ったのですが、ゼブラパンはかなり昔からある商品で現在は資料なども残っていないのだそう。

そのあたりに詳しい方を紹介して頂きました。パン営業部 営業一課の統括課長、吉田さん。

―ゼブラパンについてお話を伺いたいのですが

あれは当時の課長が色々試作して、偶然できたっていうんですかね。その商品が25年以上たった今も販売されているんです。
ゼブラパンの由来のあの黒い帯は黒糖なんですよ。黒糖シートをはさんだパンを二枚重ねて、間にピーナッツバターをはさんでいる商品ですね。

あれは生産性がものすごく悪いんです。当時は手で切っていました。今は切るのは機械ですけど、大きな天板でパンを焼いて、取り出し、ピーナッツバターを塗って、重ねるという工程は今も手作業で行っています。

生産性が悪い商品なので一日3000個くらいが生産の限度ですね。なのでこの商品は特売しないんですよ。一日そんなにつくれない、特売しない、だから商品がこれだけ長くもっている、というのもあるかもしれませんね。

 

もう一つどうしても気になる事が

そしてもう一つ聞いておきたいことが。オキコさんの組織図には「メルヘン課」なる課があるのです。これは一体…!

―メルヘン課って一体どんな課なのですか?

メルヘン課は今年、「菓子パン二課」になったので今はありません。

以前私たちの会社が「株式会社メルヘン」というのを立ち上げたんです。なぜメルヘンかというと、夢のあるような手作りパンを販売しよう、という事業でした。店舗としては第一号店はダイナハにありましたね。中部で言えばコザショッピングセンターにありました。そのときのインストアベーカリーの名前が「メルヘン」だったのです。

最後にメルヘンがあったのは3年前じゃあないですかね。洋菓子・ケーキだけをつくっていたトレビアンという会社があったのですが、そちらにメルヘンを統合して、新会社「オキコストア」という会社ができました。その流れで今年の7月でメルヘン課は「菓子パン二課」と名前を変えましたが、私たちは癖で「メルヘン」とか「メルヘン工場」、って言ってます(笑)。

「メルヘン」というブランド名は今でもオキコストアの方で引き継がれています。さらにおいしい愛のあるパン作りを目標に従業員全員で取り組んでいますよ。

 

オキコさんからお届けしました


メルヘングッズを持参してきた。

というわけで今回はオキコさんの工場からお届けしました。個人的に「メルヘン課」が年中浮かれてそうな名前ですごく気になっていたのですが、もうなかったとは…。

しかし、ゼブラパンが手作業で作られていたり、パンの大きさの話だったり色々日常感じている疑問が解けました。

お話を聞かせて頂いた知念さん、吉田さん、工場を案内していただいた具志堅さんありがとうございました!

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