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スクガラスが瓶に並べられる現場を見てきた
瓶にびっしり整列して入っているスクの謎
みなさんはこの記事を覚えているでしょうか?
『スクガラスは瓶に何匹入っているのか』
瓶にびっしり整列しているスクはいったい何匹入っているのか?を瓶から1匹づつ取り出して数えた記事です。
大瓶(2000円)に655匹入っているという結果に、多いのかどうなのかわからないけどなんだか感動した覚えがあります。
あれから1年半、みなさんの中にも疑問を持ち続けていた人がいたんではないでしょうか?
「ところで、どうやってあんなにびっしりと整列させて瓶にスクを詰めているの?」と。
ということで、今回はスク詰め現場からのレポートです。
まずは疑問を解消に
やってきたのは牧志公設市場の目の前にある漬物専門店の「浦崎漬物店」さん。
当たり前のようにスクガラスの瓶の中のスクはきれいに整列しています。
いろいろな疑問を聞いてみました。
Q1:スクの整列瓶はいったい、いつ頃からのものですか?
A1:「わからんけど、自分の親の代からやってたよ」
始まりはわからず。
他のお店でも同じ質問をしてみましたが、同様にいつ頃かからかは知らないとのこと。
瓶については、戦後すぐはアメリカ軍から配給された空き瓶や、エゴーの瓶なども使っていたそうです。
Q2:スク以外でこんな風に整列詰めされる食品はあるんですか?
A2:「うーん、前はコーレーグスでもやってたことはあるけど」
島とうがらしがびっしり並んだコーレーグス?
以前は島とうがらしを整列させてたこともあったそうですが、島とうがらしが高くなったことと、びっしり並べすぎたら泡盛が入らないことから、いまはやめてしまったそうです。
そして最も気になっていた疑問を。
Q3:誰がどうやって詰めているのでしょうか?
A3:「私が、箸で」
私が箸で!?
なんと、ほとんどの場合は販売店のお店の方が自分の手で詰めているそうです。
ちなみに浦崎漬物店さんでは以前は店頭で詰めていたそうですが、最近は家で詰めているとのこと。
いや、しかし箸を使うとはいえ、あんな風にキレイに並べられるものなんでしょうか?
公設市場内に店頭でスクを詰めているお店がある
ということで現在は詰めるのは家で、という人も多くなったようですが公設市場内にときどき店頭で詰めているお店があるよ、と教えていただきました。
それがこちら「上原山羊肉店」さん。
ヤギ肉のお店にスク?
ちゃんとお肉に並んでスクの瓶がありました。
小さい方が500円、大きいのが2000円だそうです
取材の前日に詰めてしまったので今日は空瓶がないとのことでしたが、無理を言って(中身を一度出して再度詰めてもらう・・)瓶詰めの現場を見せてもらえることになりました。
ありがとうございます!ありがとうございます!
インタビューに答えてもらいながら詰めていただきました
—スク詰めはどれぐらいやられているんですか?
7〜8年ぐらい。
最初はなかなか上手くできなくて時間がかかったけど、今は小さい瓶だったら10分ぐらいで詰められるよ。
—コツがあるんですか?
うーん、同じ向きで整列させること。
パズルと思えばいいよ。
まずは1段目を並べて、そして瓶の底に2匹ぐらい並べるでしょ。
で、表面はきれいに並べるけど、中はそのままいれちゃってるわけ。
中まで並べているわけではないの。
そこまでやってしまうと本業に手がまわらなくなるでしょ(笑)
うちでは、暇な時間にこの作業をやるって感じだから。
—スクを詰める時期はあるのでしょうか?
毎年旧暦の6月頃にスクがあがるから、そのときに100キロぐらい買っておくの。
それで塩漬けにして、2ヶ月漬けたやつを詰めていくって感じで。
だから詰めはじめは今ぐらいの時期だけど、そこから年中しているよ。
保存食だから、詰めるのはいつでも大丈夫だから。
—スクをきれいに詰める理由は?
やっぱり見た目にキレイだからかな。
店頭で詰めていると、はじめて見た人は「こうやってやるんだ!」ってみんな言うよ。
機械とか外国でやっていると思う人も多いみたい。
人がやるにしても、もっとおばあが詰めていると思ってたり(笑)
昔は家でこどものお手伝いで詰めていた家もあったりしたみたいだけど。
—整列しているものと、していないものでは量はちがうんですか?
どうかな?よくわからないけど。
箸だと中の方までピッタリ隙間を埋めていくようには詰めるので、こっちの方が多くはなるんじゃないかな。
パズルみたいに隙間を埋められるように、大きさを見ながら魚を選んでるからねー。
あっという間にスクの整列瓶が完成!
話を聞いていると、あっという間にスクの瓶が完成していました。
ジャーン
お話にもありましたが、スクをキレイに並べる理由は「キレイだから」。
たしかにびっしり並んでいるとキレイだし、何より「なんだかすごいぞ!」と感動してしまいます。
ひと手間かけて、買う人に感動を与えてくれるスクの整列瓶。
いつ頃からはじまったのかはわかりませんでしたが、ずっとずっとなくらないで欲しいなーと思いました。
上原山羊肉店さんに行けば、そんな優しい気持ちが詰まったスクの瓶詰め現場が見られるかもしれませんよ。