- DEEokinawaトップ
- 特集
- 生スクを調理してミニ定食を作る
生スクを調理してミニ定食を作る
ただ今スクの季節
DEEをご覧の方は「スク」がどんな魚か大体ご存じかもしれませんが、スクはアイゴ(沖縄ではエーグヮー)の稚魚のことであり、スクガラスの材料となる魚です。
かつて「スクガラスは瓶に何匹入っているのか」という記事でも紹介していますね。スクを塩漬けにしたものがスクガラスになります。
で、このスクですが旧暦6月始めに沖から沿岸にやってきて、この時期はスク漁の最盛期なのです。
- 新鮮生スクあがりました
- 生スク入りました
というわけで、この時期にスク漁が盛んな南城市奥武島などに行くと水揚げされたばかりの生のスクが販売されていて購入することができます。
これで1000円。生スクがぎっしり。
スクガラスはスクの塩漬けで島豆腐に乗せたスクガラス豆腐にして食べるなど、食べ方が結構限定されているのですが生スクは刺身にしたりフライにしたりと様々な調理をして食べる事ができるのです。
で、本日の特集は「スクをいろんな料理法で食べてみる」的な内容なのですがそれだけだと普通なので
尾頭付きスクを使ってミニ定食を作ってみたいと思います。
焼き魚定食
まずは焼き魚(スク)定食から。前にNaokiが「なぜ沖縄は焼き魚が少ないのだろうか」てのをやってましたが、沖縄で焼き魚を食べる機会って滅多にないですよね。焼き魚が少ない理由を知りたいところです。
まずスクのお腹を開いて内臓を取ります。包丁使いたかったのですが、包丁使うとスクがボロボロになってしまうのでカッターナイフを買ってきました。
かろうじて魚焼きグリルに乗ったので焼いてみましょう。焼き加減が全然分かりませんが、1-2分で表面がこんがりしてきました。
焼きスク完成。なんか「定食」じゃ無い感じなのですが、次からはもうちょっと定食っぽくなります(写真撮り忘れてた…)。
マース煮定食
沖縄で魚といえば「マース煮」。マースは塩、塩と泡盛などで魚を煮付けた料理。
本来はショウガを入れたり、泡盛で臭みを消したりと色々入っているようですが、よく作りか方が分からなかったので塩オンリーで煮てみました。
スクのマース煮。定食感を出すためにとりあえずご飯を添えてみました(安直?)。
バター焼き定食
沖縄の魚は淡泊で脂がのっていない魚が多いからなのか魚の調理法として「バター焼き」も多い気がします。これは魚に熱したバターを回しかけて魚を焼いたもの(というか揚げたに近い気がする)。おろしニンニクが付け合わされていることもあります。
とりあえず内臓をとったスクに軽く薄力粉を振ってをバターで焼いてみます。
バター焼き定食完成。本来は鉄板に乗って出てくることが多いバター焼きですが、ままごとセットに鉄板とかがなかったので普通に皿に盛りつけました。
刺身定食
最後は刺身。生スクの食べ方として「刺身として」というのがあるのですが、普通は醤油をかけてスクを丸のまま生食することを指しているのだと思います。
しかし、折角なのでスクを3枚におろして刺身に挑戦してみます。
頑張って3枚におろしてみたのですが、身が殆どありません…。上手にスクを三枚におろす方法をご存じの方がいたら後学のために是非教えてください。
刺身定食完成。三枚におろした身を更に細かく切ったのですが、なんか絵的によく分からないものに仕上がりました。自炊初心者にとっては魚をおろして刺身をつくるというのは高レベル過ぎたようです。
実際に食べてみる
とりあえず4つの料理法でスク定食を作ってみました。ご飯と魚だけなのに定食…というツッコミはさておき、実際どんな味なのかそれぞれ食べてみたいと思います。
1.焼き魚
(……?)
結構香ばしく焼けていました。味は鯵に似ているような気がしたのですがそれを確かめる前に口の中からスクが消えてしまいました。
2.マース煮
(……?)
食堂で出てくるマース煮のような風味は一瞬したのですが、やはりそれを確かめる前に口の中からスクが消えてしまいました。
3.バター焼き
(……。)
バターの味しかしない。
4.刺身
(……。)
一瞬歯ごたえがあり、その後スクが消える。
というわけで、スクを調理してミニ定食を作ってみたんですが、結論から言うと
スク一匹では全然味が分からない
という事になるかと思います。まとめてバター焼きにしたり、丸ごと一匹生食しないとスクは味を楽しめないということがわかりました。当たり前といえば当たり前の話なんですが。特に三枚におろして刺身とかにしてしまうと殆ど食べるところがありません。この記事をみて真似をしてみよう、という方はいないと思いますが念のためお気を付けください。
このあと何匹か醤油をつけて生食してみたんですが、やや甘みのある身と内臓のほろ苦さが混ざってお酒によく合いそうな味でした。生食で食べられるスクが出回っているのは今の季節だけなので、興味のある方は奥武島などで是非購入してみてください。スクガラスとはまた違った味わいを楽しめますよ!