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シレナシジミでつくる「シジミ70個分くらいのちから」
DEE読者の皆さんは「しじみ70個分のちから」という永谷園から出ている商品を知っていますか?この商品の何がしじみ70個分のちからを持っているかと言えばシジミに含まれるオルチニンというアミノ酸の一種がしじみ70個分入っているのだそうです。
この「シジミ70個分のちから」ってネーミングは直球でわかりやすいのですが、別にしじみが70個入っているわけではありません。本気でしじみが70個入っていても困ると思いますがなんかがっかりしますよね。
で、話は変わってこの前石垣島に行ってきたわけなのですが、石垣島や周辺離島のマングローブにはそれはそれはでかいシジミがいるのだそうです。
その名は「シレナシジミ」といって日本一大きなシジミで貝の大きさは10cmにもなのだとか。それを知ってちょっと思ったわけです。シレナシジミでシジミ汁を作ればシジミ70個分くらいになるんじゃないかと。
シレナシジミを探しに西表島に
早速石垣島でもしじみ探しに行ってみたのですが、これが全然見つからない。
というわけで、もっと自然がありそうな西表島に行ってみました。西表島は八重山諸島の中で一番面積の広い島で沖縄県では沖縄本島に次いで面積が広い島です。島の90%は森に覆われており珍しい動植物が沢山いる島でもあります。
そういえば島に着いた時に特別天然記念物の「カンムリワシ」を見たんですが普通に電柱に止まっていたので写真を取り忘れてしまいました。
西表島の干潟にやってきました。「広大なマングローブの干潟を掘るとシレナシジミが見つかる」というグーグール検索の結果を信じてひたすら掘り進めます。
そして、上の写真がシレナシジミです。でかい。しかし、このサイズはまだ小ぶりのものらしいです。
殻だけですがでかい奴も見つけました。これだけの大きさがあればしじみ70個分とわず、100個分にはなるかもしれません。
結局見つけて持ち帰ったしじみは3個。これを使ってしじみ汁を作ってみましょう。
シレナシジミでつくるしじみ汁
まずは普通のしじみと大きさを比べてみましょう。
左がシレナシジミ、右が普通のしじみです。70個まではいきませんが3つ合わせて40個分くらいの大きさはあるんじゃないでしょうか。
で、シレナシジミを採ってから3日間海水を入れて泥抜きをしていたのですが泥抜き期間の3日間のうち、僕は一度も貝が開いたのを見たことがありませんでした。
こいつひょっとしたらすでに死んでて腐ってるんじゃないのか?
腐敗臭はしていないのですが、すごくドキドキします。貝にあたるとめちゃめちゃ苦しい、そう同じ事務所の川満君が言っていました。
まぁ、ここまできたら煮てみるしかありません。
お湯が沸騰してくると無事貝が開きました。が…
身小さっ!
これしじみ4個分くらいの大きさしかないのではないでしょうか。
とりあえず全部貝が開きました。死んでる貝は煮ても開かないという話が嘘でなければ多分全部食べられるはず。あとよくよく見るとカニが増えてます。貝の中に隠れていたようです。もう取り返しがつかないので一緒に煮込んでみます。
味噌を加えてシレナシジミ汁完成です。貝殻は全部器に入らなかったのでひとつだけいれてみました。
シレナシジミ汁はうまいのか
それでは試食してみましょう。
シレナシジミを前に食べたことがあるという人から話を聞きましたが、マングローブの泥の中にいるのでこの貝はかなり泥臭いらしいです。はたしてシレナシジミのしじみ汁はどんな味なのでしょうか?
まずはスープから。
ん?普通にうまいよ?
「泥臭くて食えたもんじゃない」みたいなオチも予想してたんですが、普通に貝の出汁が出ておいしいしじみ汁になっていました。
事務所にいた川満君とmiooonに試食してもらいましたが「普通の貝の味噌汁」という評価でした。なんか腐ってるんじゃないかとか泥臭いんじゃないかとか色々書きましたがあまりにもあっけない着地。
貝の身自体もしじみよりは噛み応えがありますが、普通に二枚貝の味。普通においしくいただけました。
(試食の最中はおっかなびっくりだったけど)
というわけけで「シレナシジミのしじみ汁は普通においしい」的な話に落ち着いた訳ですが、意外にシレナシジミは身が小さいので「しじみ70個分」をシレナシジミで実現するのは困難だと思われます。普通にしじみを70個買ってきた方が色々手間がなくてよいということで今回は終わりたいと思います。