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THE クンペン
沖縄の春の風物詩、シーミー(清明祭)。
中国の暦法で二十四節季のひとつである「清明(せいめい)」の季節に毎年行われる、中国から伝来した祖先供養の行事です。門中単位で祖先のお墓に出向き、親族揃って墓参りをし、その後墓庭でごちそうを頂きます。そう、いわゆる "お墓でピクニック" ですね。
参考記事:「當山家のシーミーにお邪魔してきた」
そんなシーミーの時期になるとスーパーにずらりと並ぶもののひとつが、薄茶色で丸い昔ながらのお菓子「クンペン」。(「コンペン」と呼ばれたりもします。)かるかんやレモンケーキと並ぶ、シーミー定番のお菓子です。
たまーにふとあの素朴な味が食べたくなるのですが、どれが自分好みか分からなかったので、たくさんの種類が売られているこの機会に食べ比べてみました。
くんぺん - うるま(オキコ)
売値:100円
- 直径:9.2cm
- 中身:ごまピーナツあん
- 高さ:3.5cm
- 重量:92g
今回食べ比べた中では最大級のクンペン。
生地自体に黒糖のほんのりとした甘みがあり、ごまピーナツあんはごまの香ばしさとピーナツの塩気のアクセントが相まってとても美味しい。あんもぎっしり詰まっているのでお得感あり。若干生地がパサつく。
薫餅 - 和菓子の店 吉兆
売値:115円
- 直径:7.8cm
- 中身:白あん、ピーナッツ、ゴマ
- 高さ:3.1cm
- 重量:92g
昔ながらといった渋いパッケージの平たいタイプ。仏壇にもよく似合いそう。
生地はしっとりとしていて飲み物がなくても食べられる。ぎっしり詰まったあんも、今風ではなくあくまでも古き良き味がする。生地との一体感が素晴らしい。ゴマが大粒なので食感が楽しいが、油断すると歯の隙間にはさるので注意。
コンペン - マルキヨ製菓
売値:94円
- 直径:8.5cm
- 中身:白アン、ピーナツバター
- 高さ:2.9cm
- 重量:76g
ヒビひとつなくつるりときれいな焼き上がり。生地の黒糖風味がよく出ていて甘さは強め。
前出の吉兆のクンペンと同系列だが、もう少し甘さはひかえめ。安心して食べられるスタンダードな味。
牛乳と相性がよさそう。
こんぺん - お菓子のポルシェ
売価:100円
- 直径:8.3cm
- 中身:白餡、ゴマ、黒糖、ピーナッツバター
- 高さ:2.8cm
- 重量:88g
紅いもタルトで有名なお菓子のポルシェのクンペン。大きめでふかふかなので、一見するとパンのよう。
生地はかなりしっとりしていて食べやすく、甘さのバランスがとてもいい。あんはピーナツの風味が強めでゴマのプチプチ食感も楽しめる。
生地がしっとり&あんがぎっしりなので、食べ終わった時の満腹度は今回のなかでいちばん高いかも。
黒糖こんぺん - 誠もち店
売価:120円
- 直径:8.7cm
- 中身:あずきあん、黒糖、白ゴマ
- 高さ:2.7cm
- 重量:73g
少し変わり種の黒糖こんぺん。割ってびっくりの中身は黒糖あん。県産黒糖使用とのこと。
生地の表面はさくっとしながらも中はしっとりしているので生地の完成度が高い。後口にふわりと黒糖の風味が香ってくる。
黒糖あんのなかのゴマの粒は大きめ。黒糖好きにはたまらない一品。生地・中身とも全体的に甘さは強めだがサイズが小ぶりなのでちょうどいいバランス。
紅芋こんぺん - 誠もち店
売価:120円
- 直径:9.2cm
- 中身:紅芋あん
- 高さ:2.8cm
- 重量:74g
前出の黒糖こんぺんの姉妹品、こちらも変わり種の紅芋こんぺん。県産紅芋使用とのこと。
生地の食感は同じものの、黒糖が入っていないのか甘さは控えめに感じる。あんは鮮やかな紅芋あん。あんの分量はこれまでの中でいちばん少なく見える。紅芋の上品な甘さがサクサクしっとりの生地とぴったりマッチしていて美味しい。ピーナツあんはちょっとまったりしすぎという方におすすめできる一品。
クンペン個性いろいろ
というわけでクンペン6種の食べ比べでした。
これまで気づかなかったのですが、中身のあんの材料や配合、分量、そして意外や生地にもかなりの特徴があることがわかりました。
今回はスーパーで売られていたものを集めてみましたが、街のお菓子屋さんでもそれぞれのオリジナルクンペンが売られていると思うので、食べ比べてお気に入りを見つけてみてくださいね。
シーミーでお供えのクンペンを選ぶ際には「ご先祖様の好みのクンペンはどれかな?」と想像を巡らせてみるのも楽しいですね。
そうそう、クンペンを食べる際には水分をお忘れなく。
とりあえずめちゃくちゃ喉がかわきます。あとカロリーも高そうなのでご注意あれ。