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尚巴志ハーフマラソン完全レポート
スポーツの秋。
沖縄県南城市で開催の「尚巴志ハーフマラソン」に参加してきました。
南城市は旧「佐敷町・知念村・玉城村・大里村」が平成18年に合併して誕生した新しい市です(ちなみに筆者の出身地)。
記念の第10回大会となる今年は、1万人以上の参加申し込みがあり、名実ともに地元最大のイベントとなりました。
ちなみに「尚巴志(しょうはし)」とは、かつて沖縄本島が三つの勢力に分かれていた時代に、佐敷グスクを拠点として他の勢力を支配下におさめ琉球王朝を開いた王様です。
開会式と前夜祭
会場となる佐敷のシュガーホールで、大会前日にゼッケンの引き渡しと選手受付があります。
翌日レースだというのに、なんだか雨模様。
スタートアーチ。雨で路面が濡れています。
すでに夜店が出ていて、お祭り感が漂っています。
ゼッケンを受け取っただけで帰ってしまうランナーも多いのですが、実は前日の17:00から開会式を行っています。
今回は「完全レポート」と称して、"走った人も知らない尚巴志ハーフマラソン" を紹介したいと思います。
開会式のオープニングセレモニーが始まりました。
南城市長によるあいさつ。
招待選手による選手宣誓。男性の方は、台湾からいらしてます。
副市長の開会宣言のあと、地元の小中学校吹奏楽部による演奏、市長のあいさつと続きます。
応援用のパーランク—を提供してくれたざまみダンボールさんへの感謝状授与もありました。
そしてついに閉会・・・・と思いきや、祭りはこれからなのです。
おや。ステージの上で、民謡ショーが始まりました。
踊りや演奏を披露してくれるのは、地元婦人会や民謡研究所のみなさま。
そしてこの宴は、なんと3時間続くのです・・・。
開会式と、前夜祭(民謡ショー)。
ステージ前の特設テントとその周辺に多くの人が集まっていました。
皆さん、夜店で買った焼き鳥やビールを片手に、民謡ショーを楽しんでいました。
最終的に夜9時に花火が上がって、前夜祭はお開きとなりました。
レース直前と最後尾のようす
大会当日は送迎バスで会場入り。
バスを降りた途端、マラソン大会名物トイレへ行列に出くわします。
お急ぎの方には絶望的な行列・・・。
地元の子どもたちによる演奏。盛り上がってきます。
スタートまでもう間もなく。ドキドキしてきます。
県内のレースで良く見かけるキン肉マンさん。GO FIGHT!!!!!
こどもたちに人気のゴーヤーくん。ちなみに仮装ランナーほど実力者なのです。
9:00。スタート時間になりましたが、なにかのトラブルで10分延期。
沖縄県内のレースはいくつか参加したことがあるのですが、今回は "一度やってみたかったこと" を実行しました。
それは、「最後尾からのスタート」。
一番最後らへんの雰囲気ってどんなだろう?という単純な好奇心でやってみました。
タイムは制限時間の3時間ぎりぎりで入れれば良いかなくらいで楽しんで走るつもりです。
ランナーたちのスタートを後方で見送ります。
みなさんがスタートしきった後に走り始めました。
スタート! デジタル時計は「9時21分26秒」となっています。
よしもと芸人の諸見里大介さん(沖縄出身)がスタート地点でハイタッチしてくれました。
スタート直後。後ろを振り返ると、誰もいません。
が、しばらくして2〜3人のランナーがスタート地点から現れました。
自分が最後尾ランナーではなかったようです。あれれ。
とりあえず「ほぼ最後尾」からのスタートです。
ランナー殺しの坂を登る
最後尾集団のみなさま。
まったりとしたペースで走っています。
今年の参加Tシャツは特にかっこいいですよね。僕も着て走りました。
ローソン前。地元の方たちが沿道で応援してくれてます。
スタッフは働かなくて良いのか?
演奏で盛り上げてくれる方たちが多くいて、嬉しい限りです。
ショットバーSS前。渋い演奏!
神々の応援。
徐々にペースを上げていきます。
って、ずっと最後尾にいたら制限時間オーバーで強制失格ですから。
最初の難関、新里坂(しんざとびら)。
「新里坂を制する者は覇者となる」というキャッチコピーがあるくらい、このコースの最大の名所であり難所。
カーブのある急坂が多くのランナーの体力と精神力を削りとっていきます。
毎年、この坂で脚を痛めたり、後半のスタミナを失ってペースダウンを余儀なくされる方が多くいます。
坂道の入口。序盤ということもあってまだまだ元気なランナーたち。
5㎞地点。実際の坂の長さは、1kmちょっとくらいかなと思いますが、
急斜面のため数倍の長さに感じます。やっぱりキツイ。
あまりの辛さに歩く人も増えてきました。
写真では伝わらない心理的な傾きがあります(笑)
過酷な坂ももうすぐ終わり。ここで右に折れて、上に見えている橋を渡ります。
歩いてる人の方が多いです。
試練の坂を登り切り、橋の上から坂を見下ろすと、苦しそうな顔をした無数のランナーたちが。
9割方のランナーが歩いてるような気がします。
お疲れ様でした。
って、コースはまだ4分の1程度。こっからです。
自転車道から、沖縄刑務所前、ニライカナイ橋へ
道幅が急に狭くなります。普段は自転車コースのようです。
肩を落として走るピカチュー。この日の最高気温は28度の予報・・・。
左手は崖。スタート地点であるシュガーホールが小さく見えます。
与那国馬も応援してくれています。
キャップの後ろからポニーテールを出してる女性ランナーの後ろ姿ってなんか良いですよね。
僕だけですか?すみません。
8㎞地点。道が細くてギュウギュウ詰めなランナーたち。
細い自転車道を抜けて、航空自衛隊駐屯基地前を走ります。
沖縄刑務所前。壁の向こう側に縁が無いことを願います。
看板見えてませんが、中間地点。
そして、トンネルを抜けると・・・・
ニライカナイ橋。天気が良かったら、真っ青な海が目に入るんですけどね・・・。
かなり高いところを走ってます。
橋を下り切った後は、旧知念村のメインストリートを走ります。
15㎞地点。この辺からがスタミナが切れ、足が痛くなってくるところです。
沿道の応援は切れ目なく続いています。ありがとー!
16km地点。写真を撮る気力もなくなってきました。
歩いているランナーも多いです。
18km地点。もう一息。ここからが辛い。
沖縄のお笑い芸人「てつよし」のよっちゃんが応援してくれています。
20km地点。看板の裏でランナーが一人倒れてました。
気温と湿度が高かったためか、今年は3人くらいの方が倒れているのを見ました。
過酷なレースだ・・・。
「子ネコの里親募集中(生後2か月)」と書いた紙を掲げる少年。
残り500m地点でそれをランナーにアピールするのか。
その後子ネコがどうなったか知りたいです。
そしてついにゴールが見えてきました。
タイムは2時間56分。
3時間ぎりぎりを狙ってたので、少し早かったかも。
(走り終わってから制限時間は3時間ではなく3時間15分だったと知りました)
完走証「覇者の証」と10回大会の記念メダル。戦利品です!
というわけで、とくにドラマもオチもなく淡々とゴールしてしまったのですが、「完全レポート」は、あと3分の1残っています。
ほとんどのランナーは、走り終わったら真っ先に家に帰ってお風呂に入るかビールを飲みたいものだと思います。僕もそうです。
そこをぐっとこらえて会場に残り、多くのランナーも実は知らないレース終了後のイベントの様子をお伝えしたいと思います。
土砂降りの表彰式とお得なサブイベント
レース終了後、表彰式がはじまりました。
3kmの部・10kmの部・ハーフマラソンの部でそれぞれ男女1位から3位まで。さらに年代別に表彰と商品授与があります。
70代の部でも1位の方は2時間10分を切ってきます。鉄人だ。
と、ここで大雨! 機材トラブルで何度か表彰式が中断、ということがありました。
レース中に降らなくて良かったです。
ちなみに、市長の横に建っているのは南城市のイメージキャラクター「なんじぃ」。
ひげがハートです。(南城市の形がハートに似ているため)
そしてついに、総合一位のランナーに、覇者の王冠が捧げられます。
ジョギングウェアに王冠というミスマッチが印象深いです。
そしてなんじぃも退場し、表彰式が終了。これで全日程が終了・・・
と思いきや、ここから「サブイベント」が始まるのです。
司会は地元の芸人「てつよし」のてっちゃん。
ちなみに、筆者とは同郷だったりします。
まずは、吉本芸人の空馬良樹さん、諸見里大介さん、宮川たま子さんのトークライブ!
諸見里さんの滑舌ネタで会場は爆笑の渦に!
次に、読谷村出身のトリオ「初恋クロマニヨン」
そして、福岡出身の方と沖縄出身の方による浦添ウインドゥ。
どちらもテンポよく勢いのあるネタで会場を沸かせていました。
こんなライブが無料で見れるなんて、なんてお得な!(そしてもったいない)
お笑いライブの後は地元南城市出身の歌手、中西礼奈さん。
またもや筆者とは同郷だったりします。
レイナ姫として野菜のうたを歌ってくれました。
トリをつとめるのは地元のバンド「SSカンパニー」のライブ。
熱い演奏で締めくくってくれました。
というわけで、前日の開会式から始まった「尚巴志ハーフマラソン」というビッグイベントの全日程が終了しました。
レースに参加したランナーでも、その全てを目にしたという方は少ないのではないでしょうか。
いや、むしろランナーの99%はここまで見ないで帰っちゃうと思います。
マラソン大会に、民謡ショーやお笑いライブを絡ませる。
それが良いのです。お祭りなのです。(でもどこかもったいない気もします。)
体力に余裕のある方は、次回からはぜひ走った後のイベントも楽しんでくださいね!