2011.10.25

海の味は違うのか?

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移住した時からの疑問。海によって海水の味は違うのだろうか?すっきりしたいので実験してみた。

初めて沖縄の海で泳いだときの感想は、透明度がスゴい、魚がたくさんいる、海水がしょっぱくない
沖縄の海は関東の海と比べて、しょっぱくないと感じた(東シナ海は)。
しかし沖縄本島の東側、フィリピン海側で泳いだ時は、関東の海で泳いだ時と同じ味がした。が、西側の東シナ海で泳いだ時は、ちょっとまろやかな味がした気がする。

関東の海と沖縄の海、緯度が違うし気候も違うので海水の味に違いがあっても不思議ではない。ならば、沖縄でも東シナ海と、フィリピン海では海水の味が違うのではないか?と思ったので実験してみた(ずーっと気になっていたのです)。

海水を採取する

沖縄本島を隔てて東はフィリピン海、西は東シナ海である。どちらも太平洋に属している。
今回、海水を採取したのは2ヶ所。
東のフィリピン海から採取したのは、南城市にあるあざまサンサンビーチ

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駐車場が500円するのがちょっと。

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さすがに泳いでる人はいなかった。
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ズボンを濡らしながら採取(してもらった)。

この日は泳いでいる人はいなかった。沖縄の海水浴場は10月末まで営業している所が多い。

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写真ではわからないが少し水が濁っている。

東シナ海からも

西は本部町、国営沖縄記念公園にあるエメラルドビーチ
人工のビーチだが日本の水浴場88選に選定されている。県内からはブセナビーチも選定されている。

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ビーチは中国語だと翡翠海灘。

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透明度スゴい。
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監視員に怪しまれながら採取。

あざまさんさんビーチと透明度が明らかに違う。とてもきれいだ。
波がたっていないので、砂が舞わないからだと思うが。

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採取終了、悪いことしていないのに足早に逃げる。

ブイの外で採取しようとしたら、マイクで監視員に怒られた。ごめんなさい。
服着たまま一眼レフぶら下げてペットボトルに海水を汲んでいる姿は怪しすぎただろう。一人だったら職務質問されそうだ。

塩を作る

今回は簡単に塩を作れる方法の海水を強火で熱するだけ。
※DEEには塩関連の記事があります。初期の記事なので読んでいない方はどうぞ!
塩田での塩づくりに情熱を注ぐ人
塩川の水で塩はできるのか

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冷蔵庫に入れておくと飲んでしまいそう。

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500mlを2杯。1リットルから塩を抽出する。
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砂とかゴミを濾して取り除く。

海水の成分の約3.4%は塩分。1リットルの海水に34グラムの塩が含まれている計算。このうち食塩と呼ばれる塩化ナトリウムは約78%(25グラム)。これを濾したり煮詰めたりするのでちょっと減ってしまうが、20グラムくらいは取れるはず。

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濾した1リットルの水を鍋へ。

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普通の水より泡立ちがスゴい。
seasalt17.jpgのサムネール画像
底に溜まった薄茶色のモノ。これは塩ではない。

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濾して取り除く。

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これは硫酸カルシウム。

海水を煮詰めていくと、はじめに硫酸カルシウムが結晶化して出てくる。これは塩ではない。
硫酸カルシウムは石膏の主成分。セメントや建築材に使われていたりする。

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これを煮詰めれば塩に...!
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すでにフライパンが塩だらけに。
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塩が飛び散ってえらいこっちゃ!
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水分が残っているうちに火を止める。

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塩と水分を分ける。

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結構な量の塩ができた。

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濾過してできたものがにがり。舐めてみたけどかなり不味い。

塩化ナトリウム(塩)ができた時点で残っている塩化マグネシウム・硫酸マグネシウム・塩化カリウムを含んだ液体がにがり。ミネラル豊富!

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余計な水分を飛ばすためフライパンで炒る。
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塩完成!

フライパンで塩を炒ると、ヤスリがけをしているのと同じみたいで、フライパンのコーティングが剥がれてしまう。またひとつDEEの実験で調理器具をダメにしてしまった。ショック。

同じくエメラルドビーチも

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2回目なので慣れてきた。
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さっきと色が違う...!

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白い。塩っぽいけど違う。

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さらに煮詰めて。
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さっきと同じ量ができた。
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これを濾して。
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塩とにがりが完成。

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炒って塩の完成。またフライパンが....

比べてみる

出来上がったばかりの塩は、少しだけあざまサンサンビーチのほうが茶色い。
塩の作り方は一緒だけど、この色の違いはなんだろう。

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パッと見た感じ少ししか違いがない。

舐めた感じ、明らかにあざまサンサンビーチのほうがしょっぱい!口に入れた瞬間にえぐみとしょっぱさ。
エメラルドビーチはしょっぱさはマイルド。少し甘みもあるがえぐみは無い。

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あざまサンサンビーチ。少し茶色く粒が粗い。
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エメラルドビーチ。白くてサラサラ。

他の方にも比べてもらった

これ以上味見すると、塩分過多で健康に影響が出そうなので他の方にも味見をしてもらおうと思う。
向かったのは、ももたま菜さん(いつもお世話になっています)。
プロの料理人に味の違いを聞いてみれば間違いないだろう!ということで塩を持ち込んでお願いしてみた。

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作ってから1日経った塩。

1日置くと塩の色に明らかな違いがでた。あざまサンサンビーチの塩はさらに茶色くなった。
エメラルドビーチの塩は変わらず白い。

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きゅうりに付けて食べてみたら?と出てきた。
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さらに大根も頂いて試食。

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プロの料理人の評価は?

ももたま菜さんの評価。
あざまサンサンビーチの塩:口に入れた瞬間に塩辛さと少しのえぐみ。

エメラルドビーチの塩:しょっぱいけど、あざまサンサンビーチほどの塩辛さはない。食べやすい。

プロの料理人も同じような評価みたいだ。

せっかくなので他のお客さんにもお願いして味くらべをしていただいた(ご協力感謝します)。

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「うわっ!塩だ!しょっぱい!」。
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「あー、結構違いますねぇ」。

お客さんの評価。
あざまサンサンビーチの塩:海に入って飲んでしまった時の味。お酒の肴になりそう。「昔は塩を舐めながらお酒を飲むことがあったよ!」と教えてくれました。ええ?!本当ですか?

エメラルドビーチの塩:しょっぱいけど食べやすい。少し甘い。

他のビーチでも比べてみたい

作り方はほぼ一緒だが、火力や煮詰める時間などで味が変わってしまったのもあるだろうが、ここまで違いが出るとは。
お客さんの一言に店内の全員が納得した。あざまサンサンビーチの塩は、海に入って飲んでしまった時の味。一方エメラルドビーチの塩は、マイルド、甘みがある、食べやすいと高評価。
ということは、沖縄で初めて泳いで海水を飲んでしまった時の感想は間違っていなかったことになる(ハズ)。
西海岸のほうが海水がマイルドで少し甘い!ということになる。
川が近くに流れているとか、季節が違うとか、潮の流れが違うとかで味に違いはあるだろう。

場所によってこれだけ味が変わるから、多くの塩が沖縄では売っているのでしょうね。

あなたの思い出のビーチを味にします!って塩を作るサービスはどうだろう?と妄想しながら実験を終わります(許可がいるんですよね)。

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