2011.09.14

汀良町十五夜獅子舞

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首里汀良町の獅子舞は、沖縄各地に500頭以上存在する獅子舞の中で最も古く、獅子舞の発祥とも言われています。先日行われた十五夜獅子舞を観に行ってきました。

新暦でいうと9月12日、旧暦8月15日の十五夜を迎え、県内各地では豊年祭をはじめとする各種祭りが執り行われました。
各地域ごとに行われる祭りはそれぞれに特色があり郷土色豊か。時間があればそのすべてを観てまわりたいぐらい!

というわけで、今回は首里汀良町の十五夜獅子舞のレポートです。
 

勝手に聞得大君ロード

十五夜獅子舞の会場となるのは、モノレール沿い県道2号線から少し路地を入ったところにある汀良町自治ふれあい館。いわゆる公民館的なものです。

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夜空に浮かぶちょうちんは、青年会の希望により今年から掲げられたもの。
なんでもその昔、汀良町には聞得大君の御殿があったそうで、首里城へと参上するときに通った道(汀良町から当蔵あたりまで)を地元の人たちは聞得大君ロードと(勝手に)呼んでおり、今回はその通り沿いにちょうちんを掲げたということでした。

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19時前にはチラホラだった観客も
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開演直前には人の山に!

こむど森(クンディムイ)
汀良町ふれあい館(公民館)一帯の地名。
別名「ウガンヌモー(御願毛)」とも呼ばれ、旧暦8月の十五夜に豊作と厄除を願ってシーシケェラセー(獅子舞)が行われる。
汀良町の獅子舞は、尚巴志王代(1422〜1439年)、地方から汀志良次(ティシラジ)村(元・首里汀良町)に住民を移住させた時に始まったと伝えられ る。他の獅子舞がひょうきんな動きをするのに対し、仁王立ちになってで観衆をにらみつけるなど、凄みのある立ち回りが特徴。型は空手が基本になってい る。汀良町の獅子舞は地域の青年達によって今日に受け継がれている。
(汀良町自治ふれあい館敷地内の案内板 より)

汀良町の獅子舞は沖縄各地に500頭以上存在する獅子舞の中でも最も古く獅子舞の発祥とも言われており、那覇市の無形民俗文化財に指定されているそうです。

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開演は19:30。もうすぐです。
 

いよいよ開演

「カン!カンカン!」
鉦を打つ音が夜空に響き渡り、いよいよ十五夜獅子舞が開演。

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獅子、登場!

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旧村名「汀志良次(ティシラジ)」と書かれた鉦で獅子を操ります。

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鉦の音にあわせて舞台狭しと動きまわる獅子。三線などの演奏は無くシンプルに鉦の音と指笛、そして獅子が暴れる音だけが広場に響きます。
私の前に座っていたお子さまが思わずフリーズするほどの迫力。
ちなみに獅子の毛の部分は糸芭蕉を染めたものだそうで、なんともいえず渋くて深い色あいです。
 

静と動、思わず魅入られる獅子舞の動き

プログラムは大人の演舞と子どもの演舞が交互に行われます。
獅子の大きさの違いこそあれ、大人とほぼ同じ演舞を子どもたちがしっかりとこなしていたことに驚き。

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しかも今回、子ども用の獅子頭が本番直前になって壊れてしまい、急遽大人の練習用の頭でやることになったのだそう。
練習用とはいえ大人用は大きくて重いので持って演舞するのは至難の業だったはず。

汀良町獅子舞の次代の伝統の担い手が早くも育っているのですね。

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口を細かく前後に動かす "歯ぎしり" の動きも汀良町の獅子舞の特徴
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犬が頭をかくようなコミカルな動きも
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「足たたき」は座った体制で激しく地団駄をふみ頭を動かすのが特徴的な演舞
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ドタドタと舞台を激しく蹴る音が響きます

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盛り上がる場面では舞台脇から指笛が吹き鳴らされるのですが、これがまたかっこいい!
そして、「静」と「動」の動き。

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「動」
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「静」

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汀良町獅子舞の特徴である「睨み」
月夜の下、ゆらりと観衆を見下ろす表情がリアルでおもわずゾクッと鳥肌が。

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ラストの演目「鞠食い」。
獅子が鞠でじゃれる様子の演舞です。くわえた鞠を大きく放り投げる場面が見せ場。
激しい動きに獅子の息遣いまで伝わってきそうでした。
 

そして獅子は来年まで眠る

すべての演目が終わったのは21:40頃。
最後の演舞『鞠食い』で獅子(頭側)を操っていた汀良町自治会青年部の上田 大介さんから閉会の挨拶。

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演舞後すぐということで、汗ダラダラの足フラフラで立っているのがやっとの状態。
獅子を操ることの激しさを物語っています。

「汀良町の誇りである獅子舞。僕達がしっかり伝統を守って受け継いでいかなければなりません。来年も再来年も汀良町の獅子舞はずっとずっと続いて行きます。是非また観に来てください。」

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獅子頭を持っているポーズで写真を一枚!とお願いしたら、なんか猫みたいになってしまいました...。
それにしてもこの腕の太さ!そして、ものすごくいい顔されてますね。

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そして十五夜の月の光のもと、今年の役目を無事終えた獅子が一年間の静かな眠りにつくのでした。
また来年、ここ会いましょう。

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