2011.09.08

【泡盛蔵探訪】田嘉里酒造

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現在県内には48酒造所・200銘柄ほどの泡盛があると言われています。それぞれの泡盛が誕生する酒造所と作り手を訪ね歩く旅、泡盛蔵探訪。第一回目は大宜味村にある田嘉里(たかざと)酒造さんです。

君知るや、銘酒泡盛。
今でこそ老若男女、県内県外、はたまた海外でも愛されるようになった沖縄の酒、泡盛。
現在県内には48酒造所200銘柄ほどの泡盛があると言われています。

うちなーんちゅーは概してお気に入りの銘柄を飲み続ける傾向があるように思いますが、せっかくこんなに種類があるのだからいろんな泡盛を知って楽しもう!ということで、泡盛蔵を訪ね歩いてみることにしました。

名付けて泡盛蔵探訪。

今回の取材は、泡盛・古酒の通販ショッピングサイト『泡盛横丁』でおなじみ、喜屋武商店さんに同行させていただきました。
喜屋武社長、ありがとうございます!!
 

いざ大宜味村へ

今回訪れた酒造所は、大宜味村にある田嘉里酒造(たかざとしゅぞう)さん。
田嘉里酒造さんは沖縄本島では最北端の酒造所なんだそうです。

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昭和23年に創業、昭和55年に法人化されたそうです。
ヤンバルの森のふもと、静かな田嘉里集落のなかに佇んでいました。
作っている銘柄は、『まるた』『山原くいな』
なんと驚くことに、生産量の8割が地元(本島北部)で消費されているのだそう。地元に愛されているお酒なのですね。

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酒造所裏手には田嘉里川が。
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川のほとりでは桑の実が鈴なりでした。ひとつつまんでみたら甘くて美味しかったです。

酒造所の裏手には田嘉里川という川が流れており、田嘉里酒造さんでは、泡盛の仕込みと割り水にこの田嘉里川源流の伏流水を使用しているのだそうです。那覇あたりの地下水は汚染されていて泡盛の仕込みには不向きらしく(水道水を利用しているそうです)、きれいな水があるヤンバルの酒造所だからこそできることですね。
 

黒い壁の正体は

いざ酒造所内部へ。

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なにやらカッコイイ機械。
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原料のタイ米に黒麹菌を混ぜかくはんする機械。42度で黒麹菌をまくそうです。
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米を蒸す三角棚。
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奥には仕込み用のタンクがずらり。

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ところで、ふと見渡せば酒造所内部の壁や天井が真っ黒。
光の反射が泡盛の熟成によくない、とかそういう理由で黒く塗っているのかとおもいきや、これなんと全部黒麹菌!作業行程で飛散した黒麹菌が、壁や天井にびっしりと繁殖して黒く見えるのだそう。
「これをとってしまうとまた泡盛の味が変わってしまうんです。」とは、工場長の知念 直さん談。ほほー。
 

足元に原酒の海

仕込んで3日めのタンクを見せてもらいました。

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(ぽこぽこぽこぽこぽこぽこ)

さかんに泡だち黒麹菌が活発に発酵している様子がわかります。
甘酒のような、ほのかな香りが。美味しいお酒になるんだよー。

次に、「これを見てください」と指さされたのは足元にある四角いふた。

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ぱかっ。

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ぷわ〜んと広がる甘い香り。そう、この中には度数50度の原酒が貯蔵されているのです。
素敵ですね。溺れたいですね。

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渋いモスグリーン色のホーロータンク。
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リサイクル用の空き瓶。

貯蔵用タンクは、今は手入れが簡単なステンレスタンクが主流ですが、昔は琺瑯タンクも多く使われていたそうです。田嘉里酒造さんでは、まだまだ現役でたくさんの琺瑯タンクが並んでいました。
ちなみにステンレスタンクの場合、夏と冬では、温度によるタンクの膨張で容量が150〜200リットルほども違ってくるそうです。酒税を決めるため新しいタンクを導入すると税務署がタンクの容量を計りに来るそうなのですが、実は冬に計ってもらったほうが若干お得になるということですね。

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びんづめの機械。残念ながらこの日は稼働していませんでした。
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最後に手作業でラベルを貼りつけます。

ヤンバルの水と空気で美味しく育て

田嘉里の集落は大宜味村の北端に位置するので、すぐ向こうには国頭村の山々が。
タンクに写る景色や蔵を通り抜ける空気もまた、泡盛の栄養になっているのかもしれません。

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田嘉里酒造さんの一般酒は、最低でも10ヶ月〜1年ほど寝かせてから出荷しているそう。
市販されているものでいちばん年数の長い古酒は5年。非売品では11年モノがあるそうです。

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『山原くいな』という銘柄があるだけに、「このあたりにもヤンバルクイナが出没するんですか?」と質問してみると、残念ながら今はこのあたりにはいないそう。工場長が子どもの頃にはいたんだけどねー、とおっしゃっていました。

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ヤンバルの水と空気に育まれた田嘉里酒造の泡盛。
のどかな風景を思い浮かべつつ、味わってみてはいかがでしょうか。

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