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志多伯の獅子加那志33年忌豊年祭
豊年祭とは穀物が豊かに実った五穀豊穣を喜ぶお祭り。
有名なのは多良間島の八月踊りや八重山のアカマタ・クロマタ、竹富島の種子取などでしょうか。全部見たことないけどね!
さてさて、今回ご紹介するのは八重瀬町字志多伯(したはく)の豊年祭。
これで「したはく」と読みます。
今年は志多伯で盛大な豊年祭があると聞いたので見に行って来ました。
その名も『獅子加那志33年忌豊年祭』なんだか凄そうです。
獅子加那志33年忌豊年祭って?
志多伯の豊年祭は旧暦8月15日前後に2日間昼間から夜まで開かれます。
今年は9月12日(月)、13日(火)でした。
両日とも道ズネーと舞台がありますが、舞台の時間が18時〜24時になっているのをご覧いただけますか。
平日なのに。
私が行ったのは2日目。
道ズネーが行なわれる16時に志多伯に到着すると、なにやら集落の上の方で音が聞こえます。
なんだろう?と行ってみると。
舞踊る獅子舞。
踊りが終わると献盃を受けます。
神人の女性がご挨拶。
志多伯の獅子舞は、約300年の歴史があるそうです。
しかし元の獅子は沖縄戦で消失してしまいました。
終戦から1年後の1946年、生き延びた字民によって復興されたのが現在の獅子。
この年を1年忌とし、人の年忌法要の周期と同じ1年忌、2年忌、3年忌、7年忌、13年忌、25年忌、33年忌にだけ、神獅子(獅子加那志)の舞いが披露されているそうです。
戦後66年目の今年は2回目の33年忌。
つまり、25年忌からの8年振り獅子加那志による舞いが披露されているのです。
幻の旗頭復元
今年の33年忌で200年振りに復元したものがありました。
それがこれ。
旗頭。
一見普通の旗頭に見えますが、よーく上の方を見てください。
よーく。
みるく様 in the SKY!!
志多伯の旗頭には一番上にみるく様がおられます。
しかもこのみるく様はからくり仕掛けで出来ており、旗が上下に揺さぶられるたびに鐘をならしてくださいます。
字志多伯の方に伺うと、「200年前はからくり仕掛けのみるく様が旗頭の上にいて、鐘を鳴らしていた」という言い伝えはあったものの、200年前のことなのでもちろん見た人もおらず、文献にもなっていなかったので、伝聞を読み解き33年忌にあわせて復元したそう。
すごい。
道ズネー
旗頭
獅子加那志
長者の大主とそのご一行様
豊年祭Tシャツ。
舞台が行なわれる会場到着
旗頭は舞台横に設置されました
地域の団結力に驚愕と感動
さてさて、最初の方でもご紹介しましたが、志多伯豊年祭の舞台は18時〜24時までという長丁場なんですが、予定表を見てみるとなんと演目数は30。
そりゃ、6時間かかる。
日が暮れて人が集まり出しました。
舞台の入れ替わりには幕が登場。
すごいのが舞台に出ているのはすべて志多伯集落の方だということ。
小さい子からおじいちゃんおばあちゃんまですべての年代が関わっています。
地域の発表会のレベルを軽く超え、見応えがあります。
今年の豊年祭は月曜日、火曜日と行なわれ、お昼からは道ジュネーもあるので、小中学校は両日午後からを休学としたり、学校を含めた協力体制になっているそうです。
また途中大雨が降って一時中断もありましたが、そのときもスタッフの方が濡れて座れなくなったシートを雑巾で拭いてまわったりと、豊年祭への思いを見て感動しました。
今年は8年振りの豊年祭だった獅子加那志豊年祭、来年はまた1年忌(ウッタティ)に戻り、今年以上の盛り上がりをみせるそうです。
すべてを合わせると約10時間の長丁場ですが、どこを取っても魅力的なお祭りなので、機会があればぜひ見に行ってくださいね。