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暑い夏の熱い食べ物
8月も最終日。立秋を過ぎて朝晩はいくぶん過ごしやすくなった沖縄ですが、日中はまだまだ真夏の陽射しが降り注いでいます。
もくもく。入道雲も元気。
- 日かげは気温32度、湿度60%。
- 日なたは脅威の40度超え...!
そんな残暑厳しい沖縄の夏において、ここ数年来違和感を感じていることがあるのです。
日かげをつたいつつ街を歩けば、あちこちで見かけるおでん屋さん。
涼を求めてコンビニへ立ち寄れば、レジ横でほっかほかの湯気をたてるおでんや中華まん。
冷房ギンギンのスーパーの一画で異彩を放つ焼き芋。
なぜこの暑い暑い沖縄の夏でホットフーズが売られているのか。
というわけで、どんなものがあるのか集めてみました。
おでん=てびち?
県内の飲み屋街には必ずあると言っても過言ではないおでん屋さん。
栄町の『東大』や桜坂の『悦っちゃん』が有名ですね。
看板におでんの文字。季節限定では無い感がひしひし。
とあるご年配の方に「何故沖縄では真夏でもおでんがあるのか?」とお聞きしたところ、沖縄においては おでん=てびち なのだそう。
豚肉好きなウチナーンチューは夏でもてびちが食べたい。てびちの煮込みを作るときに、他にも野菜をいろいろ入れたものがそもそものおでんなのではないか、とのこと。なるほど、確かに栄養満点なてびちは夏でも食べたい。
おでんにレタスなどの菜っ葉類を入れるのも沖縄独特だと思いますが、これもてびちを食べてこってりしたところに食べると口の中がさっぱりするのでちょうどいいのだそう。
コンビニだってホットフーズ全開
本土でもおなじみのコンビニ、ファミリーマート。
夏空に映える、真っ赤なつゆだくおでんの旗。
- おでんコーナーにあしらわれた紅葉が秋感を演出。
- もちろん中華まんも各種揃っています。
おでんの具にはもちろんてびちもラインアップ。おでんだしで食べる沖縄そばがあるのも特徴的ですね。
しばらく観察していましたが、どちらも買われる気配はありませんでした。
このときは真昼間だったので、もしかしたら夜はけっこう売れるのかもしれません。
冬のファストフードの王様
そして焼き芋。これも、沖縄県内の各スーパーではなぜか年がら年中売られているのです。
焼き芋って寒空の下凍えながらハフハフするものじゃ!?
そして焼き芋はスーパーだけにはとどまりません。
とある真夏日の昼下がりのこと。
「♪いーしやーきいもー」 (・・・ん?)
「♪おいしーいーおいもだよー」 (・・・暑さのせいでついに幻聴か?)
で、で、で、でたーーーーー!石焼き芋屋台の幽霊!
・・・いやいやちゃんと足(タイヤ)ついています。
とりあえず買ってみることに。
「え、なに?写真撮りたいの?あ、そう。」
さだまさしのような風貌のおじさん。
せっかくなので少しお話を伺ってみました。
ーこんな真夏でも焼き芋は売れますか?
「まあまあ売れるよ。沖縄の人は芋が好きだからね。ほら、戦時中は米なんて食べられなかったから芋を食べていたでしょ。」
ーあ、なるほどー。「芋の時代」ですよね。他にもこういう焼き芋屋台ってあるんですか?
「那覇だけでも15業者ぐらいあるかなぁ。」
ーいつもどこらへんをまわっているんですか?
「ぼくは那覇、浦添、宜野湾あたり。車は5台持っているよ。市立病院の松島中ところでも販売してる。他の業者とエリアがかぶらないようにしているさぁ。」
- 丸い引き出しのなかに芋が数本ずつ入っています。
- 釜の中には石がぎっしり詰まっていました。
2本665gで640円でした。
アッチッチとなりながら皮をむいてぱくり。
「美味しい!」
私の記憶のなかの焼き芋といえば、なにか飲み物と一緒でないとのどに詰まって食べられないイメージだったのですが、この焼き芋はホクホクとしていながらも蜜たっぷりでねっちりとしていて、パクパク食べられます。まるで甘〜いかぼちゃを食べているみたい。うん、これなら真夏でもアリだな。
暑い夏に熱い食べ物、意外やいけるものです。
また、夏の沖縄は一歩お店に入るとクーラーがんがんだったりするので、そういった意味でもあったかおでんや焼き芋が嬉しかったりするのかもしれませんね!
関係無いけど、芋より気になったのがおじさんの耳。お財布かよ!
これをお釣りで渡されたらどうしよう!と気が気ではありませんでした。