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愛と夢とエロが詰まった首里劇場
さてひょんなことから映画ロケ、それもR18指定、それも薔薇モノに参加させてもらうことになった私たち。
(前回の記事はこちらから)
開南・壺屋・桜坂と那覇市の味わい深いそこかしこで撮影を行い、この日最終的にたどり着いたロケ地はここ。
THE 首里劇場
以前から、「ここはいつか必ずDEEで取り上げたい!いや、取り上げなければ!!」と思いながらもその敷居の高さになかなか足を踏み入れられずにいたのですが、今回ようやく念願が叶うこととあいなりました。
この映画ロケ日は定休日である木曜日。おかげで気兼ねなく劇場内を思う存分見て回ることができたのであります。
ご紹介いただいた平良竜次さんに大感謝!!!ううっ(感涙)
首里劇場とは?
まずは首里劇場についての概要をば。
1950年に演劇と映画を兼用した劇場としてオープンし、沖縄芸能文化の中心的な役割を果してきた歴史的建造物。
現在、成人映画専門館としてフィルムを回し続ける沖縄最古のこの映画館は、今もなお当時の雰囲気を残している建物だ。
(キネマ探偵団 on WEB より)
そう、現在も運営している映画館としては県内最古の劇場。
あちこち剥がれた壁紙や色あせたペンキなどから、60年を超える首里劇場の長い長い歴史が見てとれます。
- なんとも味のある面構え
- 意外やホームページ完備
- 木の根っこが絡みつく外壁
- 裏から見てもまた味わい深い
ではいざ潜入。(やむにやまれぬ大人の事情により一部モザイク処理しております。)
ちなみにこの日いちばんのりのお客さんはサバトラのにゃんこでした。
お客さん、残念。今日は定休日だよ。
今明かされる劇場内部
ドキドキしながら劇場内部へ潜入。
- 入場料金800円。一日中いても800円。
- 劇場定員は211名。けっこう多い。
一歩足を踏み入れると、意外と奥行きがあり広く感じる劇場内。
古い建物独特の、埃っぽく湿気を帯びた重い空気が漂っていました。
コンクリートをひいたままの床に、古い跳ね上げ式の座席と比較的新しいベンチ席がずらりと並んでいます。
なお写り込んでいるのは映画の上映を待つお客さんではなくロケ隊なのでご安心を。
老朽化のため現在は使われていない二階席。
館長さん:「床が抜けて怪我したら自己責任だからね〜。アハハハ。」
私:「...ゴクリ」
平良竜次さんの案内で見せていただいたのが、舞台袖の壁の裏側に再利用された昔の企業看板、いわゆるスポンサー広告。
首里劇場華やかなりし頃は、舞台袖にこういった広告を出せばそれなりの宣伝効果があったのでしょう。
- 劇場近くにある瑞泉酒造の看板はよく見ると住所が那覇市統合前の「首里市」になっています。
- 右の看板、オーシロ靴店をオーッロ靴店と読み違えたのは内緒。
- 映写室は二階。
- コーラの空き瓶回収BOX。
舞台裏からどんどん奥のほうへ。
その昔、舞台や芝居の公演のため地方から来た一座がそのまま首里劇場で寝泊まりすることも多かったそう。
舞台の裏手奥には現在は物置きとなっているかつての炊事場があり、レンガ造りのかまども残されていました。
- ヒージャー汁とかも作ってたのでしょうか。
- 劇場内に喫煙所があるなんてここぐらいでは。
そして劇場内のトイレがまたまた強烈。
もう何十年も前から時が止まったかのようなつくり。他で済ませてくるのが懸命です。
- いちおう女性用トイレも設けてあるのですが、館長さんが「女性用」と描いた翌日に...
- ドアに穴が開けられていたそうな。恐るべきエロポテンシャル!
ぎゃっ!カーテンの隙間から座敷わらし! ...と思ったらはしゃいだ miooon でした。
負けじとはしゃぐ私。
ちなみに幕上の白い鳳凰は手作業で漆喰を使って描かれたものだそう。
こういうちょっとしたところがスゴイ。
我々が存外はしゃいでいる間、入口付近では粛々と映画撮影が行われていました。
(やむにやまれぬ大人の事情により一部モザ... 以下略)
ダンディーな金城館長
首里劇場を守る三代目館長は金城政則さん。
このダンディズム。沖縄の渡哲也、いやいや三船敏郎か。
首里劇場の初代館長は、現館長である政則さんの叔父さん。その後政則さんの父、政則さんへと引き継がれたそう。
増築、修繕などはすべて自分たちでコツコツやってきたそう。
建物はかなり老朽化しているものの、しっかりと補強の鉄柱が建てられていました。
お客さんは一日どれぐらいですか?と聞いてみると「一日5〜6人入れば多いほうだね。」とのこと。
だいたいが常連さんで、たまに女性やカップルなんかも来るそう。
ここ数年どんどん県内の映画館が姿を消していっていますが、首里劇場は
「俺の命ある限り上映を続ける!」
という金城館長の力強い言葉を聴くことができました。がんばってください!!
愛と夢とエロの劇場
金城館長に首里劇場落成当時の貴重な写真を見せていただきました。
首里城を模したような屋根の形は現在と同じですね。
おとなの映画館、首里劇場。
閑静な住宅地のど真ん中にあるので青少年の健全な育成に悪影響を及ぼすなど様々な意見がありますが、沖縄の文化的にたいへん価値のある存在であることも確か。
今回劇場の内部を見せていただいて、私個人的には、どうかここには無機質で画一的な "未来の街づくり計画" の牙がかかることなく、できるだけ長く存続してほしいと願います。
金城館長、たのみますよー!
首里劇場ウェブサイトはこちらから。