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DEE的ムーチー祭
デージヒーサン!今年もムーチーの季節がやってきました。
ここ沖縄では旧暦12月8日になると、月桃の葉で包んで蒸した細長いもち、ムーチー(鬼餅)を大量に作る風習があります。神棚に供えたり、また子どもの健康を祈願して年の数だけ連ねて吊るしたりも。
家族親戚一同集まってムーチーを作り、みんなで出来立てをほおばる光景は冬の風物詩ともいえます。
ちなみに『ムーチービーサ(鬼餅寒さ)』ということばがあるように、この時期は一年のうちで気温がぐっと冷え込む時期。本土の方には「たかだか15度前後で寒いとか言うな!」と叱られてしまいそうですが、いやほんと寒いもんは寒いんです。ぶるぶる。
ムーチープロのお仕事拝見
というわけで毎年大量にムーチーを作っているという、いわばムーチーづくりのプロフェッショナル・友人の砂川さんご一家のムーチーづくりに参加させてもらいました。
この日用意されたもち粉は4kg。いや、4kgて。
これを耳たぶぐらいの硬さに練り上げ(もちろん水加減は目分量)、砂糖を加えただけのプレーン味、紅いもパウダーを加えた紅いも味、黒糖を加えた黒糖味の三種類を作ります。他にバリエーションとしてかぼちゃ味やココア味なんかもあるそう。んー、おいしそ。
子どもたちにもお手伝いしてもらいつつ、ワイワイ作るのが楽しいですね。
やがて目にも留まらぬ速さのムーチー製造機と化す砂川かあさん。かっこいいです。
ほかほか蒸したて、月桃の香りもさわやかでとっても美味しい!!
次々出来上がっていくムーチーの山。
ムーチー業界に殴りこみ
こんなふうに大量に作られるムーチーなので、しばらく「(母)今日のおやつはムーチーよ!」「(子)えぇ〜またぁ〜?」という日々が続くわけで、どうしても飽きてきてしまいます。
そこで、我ら DEEokinawa はそんなスイーツ一辺倒なムーチー業界に一石を投じるべく、新しい味のバリエーションを提案します。
じゃじゃん。
用意したのは、はちゃぐみ・カップ沖縄そば・バナナ・ウコン・コンビーフハッシュ・カレー粉、あとここには写っていませんが、山芋・長命草。包む葉っぱも月桃ではなく、芭蕉(バナナ)の葉、田芋の葉、オオタニワタリを用意しました。
コンセプトはズバリ、おかずにもなるムーチー。
さぁ、れっつくっきんぐ。
- すった山芋を混ぜ込んで...
- 田芋の葉で包む。名づけて芋×芋ムーチー。
- ウッチンカレー粉。ウッチンのにおいが強烈。
- 食用となるオオタニワタリの新芽もサンド。あさりみたいでカワイイですね。
- バナナは黒糖とともに生地にたっぷり練り込み、表面にもあしらってみました。あらオサレ。
- 沖縄そばは砕いた麺と具、粉スープを混ぜ込みました。
その他、長命草を刻んで生地に練り込んだり、はちゃぐみを砕いて混ぜ込んだり。
具の水分によって生地がデロデロになったりパサパサになったり、水加減を調整するのが非常に難しかったです。砂川かあさんがムーチー30個作るあいだに私たちは1個という驚異のスローペース。
砂川家の正統派ムーチーたちの隙間にそっと紛れ込むDEEムーチー。
へんな汁とか出てきたらごめんなさい。
さあ試食タイム
25〜30分ほどで蒸しあがり。さっそくいただきましょう!
ギャッ!
衝撃のビジュアル。水分多すぎたか。
- ウッチンカレー。色あい的にはいちばんダメなパターン。これが道端に落ちてたら確実に避けます。
- 黒糖バナナはいいかんじ!
なんというか、全体的に茶色いムーチーができあがりました。
見た目はほぼ全部同じなので画像は割愛。
結果としては、黒糖バナナと山芋と沖縄そばがけっこういい線いっていたのではないかと思います。
黒糖バナナはもっとよく熟れたバナナを使えば甘みがハッキリして、普通にお店で売られていてもおかしく無いような美味しさになるはず。
山芋に関しては、生地に混ぜ込んだかつおぶしとつけて食べたポン酢が美味しかった、という気がしないでもないですが和風でほっとする味。ただ、包んだ田芋の葉は蒸気でしぼんでシワシワになるのでおすすめしません。
沖縄そばは包んだ月桃の風味がややミスマッチなものの、甘さで疲れた舌にやさしいおだしの味が広がりもうひとくちあとひとくち、と後引く美味しさ。まあわざわざムーチーにしなくても、という話なのですが。
- 「雑草食べてるみたいやで!」長命草は思わず笑ってしまうほどワイルドな味。
- 「苦ッ!」ウッチンカレーはウッチンを入れすぎたようです。
その他は全体的になんというか、ひとくちかじった後は手が出ないお味でした。ごめんなさい。
それぞれ作るのを1個か2個ずつにしておいて良かった。本当に良かった。
アイデアとしては有りかも
というわけで、おかずムーチー。
うまいこと改良を重ねていけば、甘いムーチーの箸休めに、また甘いものが苦手な方でも一緒にムーチーの行事を楽しめるのではないでしょうか。来年あたり、かね◯でやユニ◯ンの店頭に並んでいるかもしれませんネ。
ただ、作るときは嬉々としておかずムーチーづくりを手伝ってくれていた子どもたちが、蒸しあがった後は一切見向きしなかったのが少し気がかりといえば気がかりです。