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しゃもじが割れる夜の大綱引
五穀豊穣を願い、秋頃に県内各地で盛んに行われていた綱引き。
綱引きといえばだいたい明るい昼間に行われるものですが、なんと浦添では夜に行われる大綱引きがあるらしい。それも松明(たいまつ)を灯して!?
これは観に行かなければ!というわけでレポートをお届け。
闇に浮かび上がる松明の炎
この城間松明大綱引(ぐすくまてーびーおおつなひき)、起源ははっきりしていないそうですが戦争のため1995年まで中止されていたんだそうです。今回で第19回、11月6日に開催されました。
ほんとうは一週前に開催予定だったそうですが、台風による強風のため順延となったそうです。これは城間松明大綱引が始まって以来初めてのこと。
日もとっぷりと暮れた19時頃、会場であるサンパーク通りに到着すると、すでに近所の人たちでわんさか。浦添はてだこ(太陽の子)の街といいますが、まーほんとに子どもが多いこと。お祭り、しかも夜、とあってテンションがおかしなことになっいる子もいたりして。これはきっと昔も今も変わらない光景。
昔は周りに照明も無くもっと幻想的だったのでしょう。
前村渠 VS 後村渠
綱引きの多くは西(イリ)東(アガリ)に分かれて引くことが多いですが、ここ城間では前村渠(メンダカリ)と後村渠(シンダカリ)の村の前後に分かれて競います。
旗頭のガーエー。前村渠の旗頭は太陽のモチーフ、後村渠の旗頭には闘牛が描かれています。
- 旗頭はかなりの重さ
- イケメン発見
- 空手の演武が!
- 棒術もかっこいい
お次は綱引きの前哨戦となる、婦人部によるミシゲーガーエー。
これが、城間大綱引の名物と言っていいほどめちゃめちゃ面白いのです!
「前村渠」「後村渠」と書かれたミシゲー(巨大しゃもじのようなもの)を携えた女性たちがすごい勢いで叫びながら突進し合い、ミシゲーがバッキバキに折れるまでぶつけ合うのです。
「ヤァァァァァー!!」
ばちこーん!
「ターーーッ!」
すごい迫力・・・!
本気です。この人達本気です。
ミシゲーガーエーが終わったアスファルトの上には、無残にもまっぷたつに割れたしゃもじがいくつも転がっていました。
うん、これだけでも観に行く価値がある!
そしていよいよ綱引き開始
那覇や喜屋武の大綱引ではカヌチ棒を入れるまでに激しい(ときには流血沙汰)攻防戦がありますが、ここでは前村渠と後村渠が協力し合い、すんなり雄綱と雌綱がカヌチ棒でつながれていました。
引け引けー!
銅鑼の音が鳴り響くなか、はじめは前村渠が優勢でしたが後半後村渠が勢いを取り戻し、後村渠の勝利!
- がっちりはまってカヌチ棒が抜けない
- 闘いのあと
地元の小学生によるかわいらしい支度(シタク)。
- 女たちによる歓喜のカチャーシー
- 男たちはひとやすみ
最後にゲスト演舞として、西原町青年会によるエイサーが披露されたのでした。
季節外れのエイサーまで見られてラッキー!
とにかく元気な城間の女性たち
五穀豊穣と幸せを引き寄せると言われている城間の大綱引。
地域の子どもからお年寄りまで仲良く参加している姿が印象的でした。
特にこの地域はミシゲーガーエーに象徴されるように女性が元気!
自ら演舞をしながらお接待でもチャキチャキ動いていて、見ていて気持ちが良かったです。
こんなウチナーアンマーになりたいものです。
これからもずっと続いていく伝統行事になりますように。