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エイサーもいいけど獅子舞もね
沖縄の伝統芸能といえばエイサーが有名ですが、ここ最近私が注目しているのが獅子舞。
勇壮で華やかなエイサーに比べると地味な印象ですが、これがなかなか奥が深く興味深いのです。
頭側と胴体側、二人の人間が息をぴったり合わせて操る獅子はまるで本物の生き物のよう。
獅子の風貌も本土のそれとはひとあじ違い、野性味に溢れています。(秋田のなまはげに近いかも?)
悪霊を祓い、五穀豊穣と地域繁栄を祈願する獅子舞。
これまでエイサーの前座などでちょろっと演舞される程度にしか観る機会が無かったのですが、先月うるま市で『第25回 全島獅子舞フェスティバル』が開催されたのではりきって観に行ってきました。
獅子舞人気はインターナショナル
フェスティバルの開演は夕暮れ時の18時、会場はうるま市石川運動場。
米軍基地が近い場所ということもあって、ウチナーンチューにまじって米軍関係者と思われる観客も多数。
関係無いけどいつも圧倒される沖縄屋台おなじみのオニ盛りフーズ。
さあたっぷりお楽しみください
秋の夜空に三線と銅鑼(ドラ)と太鼓の音が響き、いよいよ開演。
さあたっぷりお楽しみください。
まずはじめに出てきたのは、うるま市勝連子ども獅子舞。
カラフルな毛を振り乱しながら、舞台の上を縦横無尽に走りまわる獅子。
子どもたちが操っていることを感じさせない迫力満点の演舞!
お次は読谷村波平獅子舞がワクヤー(獅子を誘導する役)に率いられての登場。
手綱を引いて徐々に舞台におびき出す動作がめちゃめちゃリアル。
波平の獅子は赤い面に白い毛とシンプルな色使いでトラディショナルな印象です。顔つきもどことなく中国っぽい?
そしてこの日いちばん会場を沸かせた那覇市上間獅子舞が登場。
獅子登場の前には棒術の披露。「カン!」「カン!」と棒と棒が力強くぶつかる乾いた音が夜空に響き渡りました。うー、かっこいい。
そしてワクヤーが棒を使って2匹の獅子を舞台へと誘います。
しっぽをパタパタさせながら、舞台上を暴れまわる獅子たち。
この子たちはチリ毛がチャームポイント。
舞台上をごろり一回転。ぴったりそろって天に向けられた足がかわいい。
一触即発、2匹の睨み合い。じっと睨み合いながらゆっくりと立ち上がってお互いを威嚇する様が、本物の獅子同士の喧嘩のように感じざわざわっと鳥肌が・・・。
空気が止まった瞬間。会場にいる観客もごくりと息を飲みました。
でも今こうやって写真で見るとなんかちょっと間抜けでかわいい気が(笑)
獅子の中の人は組体操のサボテンか肩車状態でしょうか。
睨み合いの後はなんと観客席へ乱入!
大勢の観客の間を縫って走りまわり暴れまわります。
獅子にバッグを強奪される女の人もいたりして会場大爆笑。ウーマクーな獅子です。
獅子!獅子!獅子!
観客がどんどん増えてきたところで、うるま市長の挨拶。
今回はうるま市の勝連城跡を含む「琉球王国のグスク及び関連遺産群」が世界遺産登録十周年という節目を迎えたことを記念して、その地域の獅子舞にも出演してもらったんだそうです。
次に登場したのは中城村和宇慶獅子舞。
獅子舞の前に棒術やカマの披露。(このカマ本物デスヨ。)
ゴージャス感漂う金歯のセレヴ獅子。
でも毬遊びが大好きな無邪気な子。
そして読谷村渡慶次獅子舞。
わ!毛がふわっふわ!ふわっふわ!!
思わず抱きつきたい衝動に駆られます・・。
立ち上がってもかわいい。
(これ、後ろの人が前の人を抱き抱えてる状態ですよね。キッツー!)
その後は特別プログラム、1719年・中秋宴の「毬舞」再現会による演舞が行われました。
冊封使歓待芸能として披露されたという記録が残っている、二人の舞い手と二頭の獅子による舞。
沖縄の獅子舞の元祖といわれているそうです。
鮮やか。優美。
この後もう一組、うるま市天願獅子舞があったのですが残念ながら次の予定がありここで退散。
うーん、最後まで観たかった!!
帰り道の高速から見えたのは、夜空に浮かぶ中秋の名月。
たんまりと獅子舞を堪能した夜でした。
たくさんの地域の獅子舞を一同に観られるフェスティバルもいいけれど、こんどは集落の中で行われる奉納の獅子舞も見てみたい。
というわけで、来年は首里汀良町の十五夜獅子舞を観に行くぞー!