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ふちゃぎを進化させてみる
「ふちゃぎ」に関する諸問題
「ふちゃぎ」を知らない方のために、まずはご紹介。ふちゃぎとは沖縄の十五夜行事でお供えされるお餅のことである。
白餅(ただし、「餅」といってももち米を炊いたものではなく、上新粉を蒸したもの)に煮た小豆をまぶした、ナマコみたいな形をしている。
旧暦8月15日を過ぎるとこのふちゃぎを沢山おすそ分けされたりする訳なのだけど、このふちゃぎ、全く味がしないのである。
小豆はただ煮ただけ(若干塩味がついてる?)、白餅は砂糖も塩も入っておらず、まさにプレーンな状態である。
長年私は、このふちゃぎをどうやってみんなが食べているのか疑問だったのだが、昨日スーパーに行ったら砂糖入りが販売されていた。
やっぱりみんな食べ方に困っているのである。
確かに餅自体を甘くするのはひとつの方法だろうと思う。しかし、それだけで思考停止してはいけない。
ここでは別のアプローチからふちゃぎを美味しく食べる方法を考える。
甘くしてみる
とはいえ、ふちゃぎを美味しく食べるためには味をつけるのが重要だろう。
しかし、餅に味をつける方法はすでに商品がでている。
ここでは逆転の発送で、ふちゃぎの豆を別のものに置き換える、という方法を試してみよう。
というわけで、まずはふちゃぎから豆を一つ一つ取り除く。
豆をとったふちゃぎ。何だか見てはいけないモノを見てしまった気分。
1.小豆を甘納豆にしてみる
一番手は甘納豆。小豆も豆、甘納豆も豆である。早速、餅に甘納豆をまぶしてみる。
…残念なビジュアルになってしまった。
しかも、甘納豆の周りの砂糖が餅についてしまって、肝心の甘納豆本体が餅につかない。写真は無理やり甘納豆を乗せた図である。
早速食べてみたが、…なんだろう。甘納豆が先に来て、餅があとに来る。別々に食べているようなものである。
口に入れて噛んでいるとようやく、「…これはアリ?」という味になる。
【甘納豆ふちゃぎ】
ふちゃぎらしさ:★★
味:★★
2.小豆をレーズンにしてみる
二番手はレーズン。レーズンパンがあるくらいだから、炭水化物とは相性がいいのではないだろうか。
若干ふちゃぎっぽくなった気がする。
しかし、レーズンも餅にはからまない。全然くっつく気配を見せないのでやはり無理やりのせておいた。
レーズンふちゃぎも食べてみたが、甘納豆に輪をかけてレーズンと餅の独立度合いが激しい。
レーズンを食べて、味のしない餅を食べている感じである。レーズンはおとなしくパンにいれておけ、ということか。
【レーズンふちゃぎ】
ふちゃぎらしさ:★★★
味:☆
3.小豆をチョコチップに
最後に本命のチョコである。思えば私の特集はチョコを扱ったものが多い(コレとかコレ)。
最近思うだけど、大体甘いモノはチョコレートをかければなんとかなるものである。
これはふちゃぎっぽい!さすがのチョコチップ、餅の絡みもバツグンである。
味はやはりチョコと餅がはじめのうちは独立しているのだが、
口の中で溶けたチョコと白餅が合わさり、そこそこ美味しい気がする。
「こんなお菓子あったかもしれない」と思ったが、多分気のせいだし騙されている。
【チョコレートふちゃぎ】
ふちゃぎらしさ:★★★★★
味:★★★★
しょっぱくしてみる
甘くするときの王道がチョコレートならば、しょっぱくする王道はやはりカレーだろう。
「世の中のあらゆるものはカレーにするとそこそこ美味しくなる」が私が今までの人生で得た教訓である。
というわけでカレーを準備。オキハムの「沖縄のお肉屋さんのカレー 黒豚カレー」をチョイスした。
カレーをかけたふちゃぎ(加熱前)。
カレーをかけたふちゃぎ(加熱後)。見た目はそこそこいいのではないだろうか(ふちゃぎがほとんど写ってないけどね!)。
食べてみるとふちゃぎの周りの豆は豆カレーっぽく食べることができる。が、餅がいかんせんカレーに合わない。
美味しくカレーをいただいているのだが、餅に当たるたびに頭の中が「???」となってしまう。この違和感はなんだろう。食感だろうか。
総括
というわけで色々試してみたが、私のイチオシは「チョコレートふちゃぎ」である。
これならば小さなお子様から、おじいおばあまで幅広くふちゃぎを美味しく食べることができそうだ。
その昔、どこかの集落で6月ウマチーの時に飲む「ミキ」(コメを砕いて砂糖を入れた飲み物)が今の子どもたちに不評で、代わりに色の似たカルピスを使っているという話を聞いた。
昔ながらの行事に使われるお菓子や飲み物も今の時代にあわせて、形を変えていくのかもしれない。
…まぁ、はじめから甘いふちゃぎを買ったほうがいいと思います。