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沖縄大百科事典に溺れたい -1 「石鼓」を探しに糸満へ
DEEokinawaでもたびたび引用していますが、沖縄タイムス社から発刊されている「沖縄大百科事典」という辞典があります。
沖縄タイムスの35周年を記念して1983年に刊行されており、沖縄の歴史、人物、自然、民俗など様々な分野の約1万7000項目を収録。すでに絶版で古書しかありませんが、一時はめちゃめちゃプレミアがついていたこともあるそうです。
収録された項目を執筆している人も(僕の知ってる分野では)かなり名前の知られた第一人者が文章を書いており、沖縄タイムス社の発刊に対する意気込みみたいなものを感じます。
さて、そんな沖縄大百科事典ですが斜め読みしていると結構聞いたことの無いような単語が解説されていたりします。というわけで、この連載では掲載されているよく分からない用語を実際に見たり、再現したりしてみようという内容です。
「石鼓(イシチヂン)」
というわけで、栄えある第一回は「石鼓(イシチヂン)」。以下のように説明されています。
石鼓 イシチヂン
石の鼓。特定の面を叩くと鼓のように鳴る石をいう。糸満市の摩文仁をはじめ、沖縄本島で5カ所、石鼓の所在が確認されている。伊計島にもある。いずれも集落外にある。昔はこれを叩いて村人に危急を知らせたという伝承もあるが、石鼓の音はにぶく、響きも弱い
沖縄本島に5カ所しかない、太鼓のようになる石…!どうでしょうか。浪漫を感じませんか?
とりあえず、今回は石鼓を探してみることにします。まず場所が判明しているのは、糸満市摩文仁、そして伊計島です。ネットやら文献やらを探したら見つかるだろう…と思ったのですが全然情報がありません。
色々調べて見つかったのは糸満市座波にあるという石鼓。
「ハーメーチヂン」と呼ばれる場所です。直訳すれば「おばあさんの太鼓」の意味ですね。まわりはサトウキビ畑ですが、ハーメーチヂンの場所はこんもりとした森になっています。
案内板がありました。
書いてあることをまとめると、昔このあたりに座波の古い集落があり、ハーメーチヂンは当時の村の集まりの合図に使われていたという言い伝えがあるようです。石の一部を叩くと音叉の仕組みで音が響くようになっているのだとか。
あんまり強く叩くのはNGだそうです。
さっそく叩きに行ってみましょう。
階段を上りきると琉球石灰岩の大きな岩がありました。ここのどこかが鼓のような音を出す、ということでいいのでしょうか?
岩下を塞いだ形のかなり古いお墓もありました。
さて、皆さんにいよいよ石鼓の音色をお届けする時がやってきました…!
と、言いたいところなのですが叩けども叩けども音は鈍い石の音ばかり…。そうまさかのその場所に行ったにも関わらず、石鼓の場所が分からなかったのです(ひょっとしたら知らずに叩いていたけど気づいていない可能性もあり)。
というわけで沖縄大百科事典の気になる項目を検証する本企画、なんともモヤモヤした結果で第1回目が修了です。なんかすみません…。
気になる単語を引き続き追っていきます
初回からワーストのニオイしかしない結果に終わった連載ですが、引き続き私たちは沖縄大百科事典の気になるトピックを探して深掘りしていこうと思っています。
他にも石鼓の場所をご存じの方、ハーメーチヂンの正しい場所をご存じの方がいらっしゃったらぜひ、情報をお寄せくださいませ。
追記:
この記事を書いた後に気づいたのですが、実はちょっと前に本部町の伊豆味で、多分「石鼓」であろう石をDEEで紹介していました(すっかり忘れてた)。
というわけで、そちらの動画を貼っておきたいと思います。確かに太鼓っぽい…!