2020.10.15

ハブクラゲにはバルサミコ酢でもいいのではないか

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そろそろ肌寒くて泳げなくなってはきているが、もし海で泳いでいてハブクラゲに刺されてしまったらバルサミコ酢を患部にかけてもいいんじゃないか。その理由を説明します。

ハブクラゲが怖い

ハブクラゲは沖縄や奄美に生息するクラゲで、1年のうち人体への影響を及ぼすようになる5月から10月にかけては特に注意が必要な海洋生物です。
強力な刺胞毒を持ち、毒性はハブの数倍以上あるともいわれています。

通常、沖縄のビーチにはハブクラゲの侵入を防止するネットが設置されていることが多いですが、今年の夏はそのようなビーチがコロナの影響で閉鎖されていて、海に泳ぎに行けなかった人も多いのではないでしょうか。


ネットのないビーチでは泳ぐことはせずに砂遊び

ハブクラゲは小魚を追いかけて浅瀬でも泳いでいて、しかも傘がほぼ透明なので、刺されるまで気づかないことが多いそう(わたしは刺されたことがありません)。

刺された場合は患部に食酢をかけよう

よく言われることですが、ハブクラゲに刺されたら食酢を患部にたっぷりとかけましょう。
これはハブクラゲの触手に大量にある刺胞(毒針入りカプセル)の毒針の発射を抑制するためです。

しかし、食酢ならなんでもバシャーッとかけたらいいわけではなく、刺胞発射の抑制効果は、濃度5%程度の酢酸が有効

沖縄の居酒屋定番まるこめ酢
酸度は15%(商品によって違うようです)
ざまみ酢
酸度は12.5%以上

なので、上記のような沖縄でよく使われる酢はそのままではなくて水で希釈してから使う必要があります。

また沖縄県衛生環境研究所さんに伺ったところ、酢酸は高濃度だと逆に刺胞を発射させるそうです。ただ具体的に何%くらいから発射させるのかははっきりしていない、とのことなので、めんどくさがらずにちゃんと希釈させた方が良さそうです。

 

ポン酢やもろみ酢ならどうなのか

しかし「酢」って種類はたくさんあるわけです。
ポン酢やもろみ酢もハブクラゲの毒針の発射を抑制するのに有効なのでしょうか。
同じく沖縄県衛生環境研究所さんに伺ったところ

「ポン酢には酢酸成分を含んでいるものと含んでいないものがあるようです」

ポン酢:△(商品による)

「もろみ酢は主成分は酢酸ではないとのことです。」

もろみ酢:×(もろみ酢の主成分は酢酸ではなくクエン酸)

 

ここまでのまとめ

  • ・酢酸はハブクラゲの触手にある毒入りカプセルの発射を抑制させる効果がある
  • ・有効な濃度は5%程度
  • ・酢酸が高濃度すぎると逆に刺激して発射される(具体的な%はわからない)
  • ・ポン酢は商品による
  • ・もろみ酢はクエン酸だからかけても効果はない

つまりハブクラゲに刺された際の応急処置としては濃度が5%程度の酢酸が有効。

 

ハブクラゲにはバルサミコ酢

ということで、ようやくタイトルのことが言えるのですが、まとめをすべて備えたもの。
それを考えるとハブクラゲにかける酢はバルサミコ酢でもいいんじゃないでしょうか。

バルサミコ酢!

バルサミコ酢はぶどうを原料として造られた酢。酸度は6.0%とあります。
ハブクラゲに刺された時にさっとバルサミコ酢が出てきたらかっこいいはず。ただ値段は他の酢に比べて高いのですが!
(バルサミコ酢も抑制に有効だと思うのですが、違うよ!という場合はご連絡ください。)

注意:酢酸はハブクラゲには有効ですが、カツオノエボシなど他の危険生物には逆効果の場合もあります。
刺されたのがハブクラゲかどうか分からない場合は、患部を海水で洗い流し、絶対にこすらないようにして、ようすを見てください。不安な場合は医療機関を受診や相談をしましょう。

バルサミコ酢は半分ふざけているんですが、ふざけることで記憶が定着することもあると思うのです。
ということで本日は以上で酢。

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