2018.06.19

110年ぶりに再現された沖縄そばの原点である唐人そばとは

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県内9店舗の沖縄そば屋さんで、沖縄そばのルーツである唐人そばが110年ぶりに再現されて食べられるようになったらしい。いったいどんなそばなのだろうか。

複数の沖縄そば店主の方が集まって作った「沖縄そば発展継承の会」が110年ぶりに「唐人そば」を再現し、9店舗のお店で食べられるようになったと聞いたので食べに行ってきました。

訪れたのは9店舗のうちのひとつ、与那原にある「自家製麺与那原そば 民芸食堂」。

のぼりをご覧ください。
ちょっとわかりにくいかもしれませんが、沖縄そばのルーツ唐人そばと書いてあります。
唐人そばとはいったい?

110年ぶりに再現

こちらがお店にあった唐人そばのチラシ。
110年ぶりに再現。当店が再現するオリジナル唐人そばと銘打ってあります。
お値段は650円、限定10食です。

1902年(明治35年)沖縄県初の「支那そば屋」とされる観海楼が開業。
経営者は宮崎県出身の福永義一という人物であった。店を任されたのは大阪の支那料理屋から招かれた辮髪の清国人で「唐人そば」という通称で人気を博す。黒いスープ(醤油味)であったと伝えられている。

1902年(明治35年)4月の新聞の広告に「那覇市警察署下りに『支那そばや』開業」という記事が確認されている。
大和の商人が「清国ヨリ料理人ヲ招キ」とある。
これが資料として確認される沖縄で最も古い「支那そば屋」であるの記述がある。

調べてみると沖縄そばの起源は諸説あるようですが、もともとは高級料理で庶民が食べられるものではなかったよう。
民間に広まったのは現在の辻にできた支那そば屋が人気となり、一気にそば屋が増えたことによるようです。ちなみに沖縄そばと呼ばれるようになったのは戦後からで、それまでは「支那そば」「唐人そば」と呼ばれていたそう。

つまり、沖縄そばのルーツになった唐人そばが食べられるということでしょうか。
期待!

 

これが唐人そばだ

さっそく注文して見ると、でてきたのはこちら。黒い。

麺もお肉も沖縄そばのそれなのに、食べてみるとラーメンのようです。
しかし面白いのが、ラーメンの味だなーと食べていたのに、いつのまにか「沖縄そば」に変わるところ。
真っ黒いスープに躊躇してしまいますが、出汁が効いてい味るので飲み干せるぐらいの美味しいスープでした。

沖縄そば発展継承の会によるとこのスープは、豚ダシ(豚骨、グーヤー肉汁)を使用。煮立たせないようにじっくりと煮出したスープに濃口醬油で味を調整したそうで、かつお節製造開始時期の資料に基づき、唐人そばではかつお節は使用していないんだとか。

またお店のおばさんに聞いてみたところ、何年も資料を集めてようやく再現できた味なんだとか。
110年前にこれが食べられたら、そりゃ人気が出るわというぐらい美味しいそばでした。

ちなみに唐人そばは醤油味の黒いスープを基に、各店舗オリジナルの出汁で仕上げているそうなので、唐人そばを販売している9店舗それぞれで味が違うようです。食べ比べてみるのも面白いかもしれませんね。

唐人そばが食べられるお店

  • みよ家(嘉手納町嘉手納463-13)
  • すば処 月桃(那覇市寄宮3-10-1 JAおきなわ真和志支店1F)
  • 民芸食堂(与那原町字与那原433)
  • すばかふぇゆったりあけもどろ(那覇市天久2-28-28)
  • 下地そば(那覇市真地41)
  • 大笑うふわらい(那覇市壺屋1-1-1 開南太平通り)
  • うちなぁ家(那覇市泊3-12-14)
  • うちなぁ家八重瀬店(八重瀬町東風平822-2)
  • おかあさん(糸満市座波1806-2)
  • まーさむん家 麵そーれ(糸満市潮平590-4)

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