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ウチカビ界の通貨革命「新うちかび 古琉球」
最近ビットコインを始めとする仮想通貨が何かと話題です。これまでの通過の概念を継承しつつ、全く新しいアプローチで通貨を作り上げた仮想通貨はまだ先は分かりませんが色々な可能性を示すものであり、その誕生は経済においてエポックメイキングな出来事だっと言えるのではないでしょうか。
…と、真面目っぽい導入を書きましたが
本日はあの世の通貨、ウチカビの話です。ウチカビとはお盆や清明などで燃やす「紙銭」と呼ばれるもので燃やすことによってご先祖様に送金するというシステムです。
ウチカビ関連の話は
【大人の社会見学】うちかびが出来るまで
ウチカビで金風呂を再現したい
世界のうちかびレート
にもまとめられているのでご参照ください。
昔から変わることなく使われているウチカビですが、ちょっと前に一万円札型のウチカビが発売されて話題になりました。どうせ送金するならば万券の方がご先祖様も喜ぶのではないか…そんな想いなのかは知りませんがこれも通貨革命なんじゃないでしょうか(たぶん)。
そして最近新たにウチカビが発売されました。その名も「新うちかび 古琉球」。今回はこちらをご紹介しようと思います。
ウチカビの単価を上げる試み
さて、こちらが古琉球です。販売しているのは株式会社 泰陽貿易。この会社はあの一万円札型のウチカビを作った所です。いったいこのウチカビ、どこが新しいのでしょうか。
こちらをご覧下さい。なんとウチカビに刻されている貨幣の種類が違うのです。
解説によれば従来のウチカビに刻されたお金は「鳩目銭」。ひと束100枚に合計5000個の鳩目銭が打刻されているそうです。鳩目銭1つの価値は約0.2円だそうで、ひと束は1,000円相当。しかし、この新ウチカビに印字されたお金は「寛永通宝」。現在のお金に換算するとひとつ約10円だそうで、ひと束だと10円×3500個=35,000円相当で従来のウチカビの35束分に相当するのだそうです。
ちょっとだけ貨幣価値があがりました。
先に発売された一万円型のウチカビの方がはるかに一枚あたりの単価的には高い気がするのですが、従来のウチカビの形がよいと言うお客様に向けたの商品でしょうか。
商品だけを見ると冗談か本気か分からないのですが、パッケージの裏にはウチカビについての豆知識が書かれていて勉強になります。
「沖縄では伝統的にウチカビを1万貫、100万貫燃やさないと願いが通らない」ということでそこから考えると従来のウチカビを1万貫だと200束、100万貫だと20万束燃やさないといけない、みたいな現在の通貨価値に置き換えたウチガビの話が書かれており割と真面目にウチカビのことを考えているだなと分かります(まぁこの新ウチカビでも100万貫送金するには28束くらい燃やさないといけないのですが。)。
ちょっと豪華な金箔バージョンも販売されています。こちらは50枚入り。
というわけで本日は新しいウチカビの話でした。毎年ウチカビを沢山燃やすのが大変、という方は来年の清明やお盆にいかがでしょうか。それでも面倒臭いという方に向けて来年くらいは電子送金とかが始まったらアツい展開になりそうだ、と勝手に思っていますがまぁみんな従来のやつを燃やしますよね。きっと。