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「動物地名から昔の中城をのぞいてみよう!」という企画展をみてきた
先日、今年の5/30(ごさまるの日)にオープンした中城の「護佐丸歴史資料図書館」に行ってきたんですが、思った以上に面白かったので紹介させていただきます。
グスクの城壁をモチーフにした外観がかっこいい
護佐丸図書館は図書室だけでなく、歴史展示室があります。
中城村一帯の航空写真
中城城の1/100模型
種子島に伝わった鉄砲より先に使われていたという火砲「火矢(ひゃー)」のレプリカ
この歴史展示室もおもしろかったんですが、3階の企画展示室では気になる企画が行われていました。
それがこちら。
「動物地名から昔の中城をのぞいてみよう!!」
学芸さんに許可をもらったのでさっそく紹介させていただきたいと思います。
地名から知る昔の中城
※通常は撮影禁止のですが、今回は特別に許可を得て撮影しております。
はじめに
地図には載っていない、けれども昔から地域に伝わる地名が数多く残っています。例えば、集落内を流れる川、緑深い山々、家の近くの広場など地図とは違う名前で呼ばれている場所があるものです。(中略)今回の企画展では、主に戦前生まれの方々への聞き取り調査の成果をもとに、村内の動物地名やその場所を紹介しています。動物地名をとおして、昔と現在で動物たちとの関わり方がどのようなものだったのか、その様子から昔の中城の人々の生活がどのようなものだったのかなどを感じていただければ幸いです。
ウマウクイモー
農道の途中に大きな岩があり、その周辺を「ウマウクイモー」と呼んでいます。そこは馬や豚などの家畜が死んだ時に葬った場所と言われてます。
ウマアミシグムイ
サーターヤーで使った馬を水浴びさせるために使われた溜め池です。現在では石積みで囲い整備されていますが、もともとは土で囲まれており、あまり深くはなかったようです。
ウシヤチャーバル
かつては祭祀に使われる馬を屠殺する場所だったため、このような名称がつけられたのではないかと考えられています。
ウマアミシグムイ
戦前は畑仕事に使った馬を水浴びさせるために使われていた溜め池です。昔は今よりも大きく、深いところで2メートルほどの深さがあったそうです。夏には子どもたちが水遊びに利用していました。
ウマハラシドゥクル
戦前はここで馬を走らせて遊ばせていました。
ンマイー
約100mほどの馬場があったといわれています。戦前はここで馬を走らせて遊ばせていました。
カーブヤーガマ
ガマの中にたくさんのカーブヤー(こうもり)がいたことから、こう呼ばれています。
馬にまつわる地名が多い
と、展示の一部ではありますが、動物地名の多くが馬を水遊びさせていたか、馬場、もしくは馬や豚を屠殺する場所だったよう。
これは、戦前中城村のほとんどの家では農耕用の馬が飼育されていたからのようで、今よりずっと馬が身近な存在だったんですね。
しかしその馬たちは戦争が始まると軍馬として戦場へ駆り出されたんだそうですが。
また展示の解説によると、各集落では1年に1度馬や牛を屠殺してその血をギキチャー(ゲッツキの木)の枝葉につけて魔除けとして屋敷の角に挿したり、集落の四隅に生肉を吊るしたりする行事があったそう。普段肉を食べることがめったになかったため、この日は住民の楽しみの日だったとか。
ということでざっとですが、企画展「動物地名から昔の中城をのぞいてみよう!!」を紹介させていただきました。
私が訪れたのは11時ぐらいだったのですが、館内にはそこその人がいたのにカウンターが私が押した時点で「4」なのが気になりました。この日だけのカウントだと信じたい!
そして、この企画展、はじまったのが8月の後半だったにも関わらず、「自由研究にぴったり!」というキャッチコピーがついていたのが個人的にはとても良いなと思いました。
学芸員さんに聞いたところ「ぎりぎりの子を救う企画展です。来年も期待してください!」とのことでした。
あと、こんなに紹介しておいてなんですが、「動物地名から昔の中城をのぞいてみよう!!」は9/25(日)をもって終了しております。
すいません。
次回の企画展は10/22(土)から始まる「〜戦後写真展in中城〜笑顔が戻った日」です。
苦しい戦争を乗り越えて、人々に笑顔が戻った日に焦点を当てる企画展だそうです。気になった方はぜひ行ってみてください。