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「沖縄の理科ものがたり」もあった
以前、「沖縄の算数ものがたり」が割とマニアックという記事で沖縄県小学校算数教員区委員会編の「沖縄の算数ものがたり」がマニアックな内容であるというネタをご紹介したのですが、読者諸賢は覚えていらっしゃるでしょうか。
- 具志堅用高のKO率の計算だったり
- 泡盛の度数だったり
多くの子どもたちに身近なところから算数に興味を持ってもらいたい…きっとそんな想いでが込められて作られた本だと思われますが、沖縄ワールドの鍾乳石の数を計算しだしたり、守礼門は線対称だ的な話だったりと沖縄の色々なものを割と強引に算数の話に持っていくという素敵な内容でした。
そして、今回ご紹介したいのは
妻がマンガ倉庫で500円で買ってきてくれた
「沖縄の理科ものがたり」です。発行は昭和57年で沖縄理科教育協会の編。表紙といい、発行年といい、完璧「沖縄の算数ものがたり」のシリーズだと思われます。
では気になる内容についてちらっとご紹介していきましょう。
章立てはオーソドックスだが
まずは目次を見てみると本書は5章からなっていて「沖縄県のこん虫と鳥のはなし」「沖縄県の陸上動物のはなし」「沖縄県の水中生物のはなし」「沖縄県の植物のはなし」「沖縄県の天文気象と土地のはなし」という内容です。
「沖縄の算数ものがたり」では割とマニアックかつアクロバティックな内容もあったのですが、テーマが理科だと沖縄固有の動物だったり、植物だったりは沢山あるのできっとネタには困らなかったのではないかと推測されます。割と落ち着いた内容です。
しかし「沖縄の算数ものがたり」同様、ダイナミックな挿絵は健在です。奥付付近の編著者の所に挿絵を描いた人も載っていて、皆さん学校の先生みたいなのでこの本を制作するにあたり、絵のうまい(?)先生が有志で挿絵を描いたのだと思われます。
沖縄っぽいトピック
割と落ち着いた内容である、とお伝えいたしましたが本書は沖縄の理科についてまとめた本なので当然100%沖縄の話。
ガジュマルの樹液でつくる「ウチナーガム」の話だったり
モズクの養殖のはなしだったり
台風がにくい!という話だったりと沖縄の動植物や気象のはなしがうまいこと凝縮されてまとめられています。たぶん小学生向けに作られた本なんですが、大人でも読んでいて楽しいです。
発刊は昭和57年ということで、30年以上前の話なので2016年現在とのギャップも楽しめます。上の写真は沖縄本島南部で天然ガスの採掘が始まって、これからすごいことになるよ!って話なのですが30年以上経った今では「南部ガス田」なるものを寡聞にして聞いたことがありません。
どうなっちゃったのでしょうか。
「ハブ太郎のぼうけん」が涙なしには読めない
最後に本書の最大の見所(と僕が勝手に思っている)をご紹介したいと思います。
それはハブについて書かれた「ハブ太郎のぼうけん」というお話なんですが、冒頭の文章は「ぼくはハブのハブ太郎です」…ということでまさかのハブ目線のお話。
ハブ太郎が誕生して、成長、結婚とライフステージを経ていく姿をハブの生態などを交えて紹介しつつ、話が進んでいきます。
しかし、最後はハブ太郎の家族の顛末について書かれているのですが、弟のハブ次郎とハブ三郎は人間に見つかって死去。ハブ四郎とハブ五郎はハブ捕りに捕まって、ハブセンター(現在の琉球村)でマングースとの決闘を待つ日々。主人公のハブ太郎もハブ研究所に捕らえられるというなんか重い結末です。
ハブの生態を説明するのにここまで壮大な話にする必要があったのかは疑問ですが、色々と考えさせられるお話に仕上がっています。
というわけで、本日は「沖縄の理科ものがたり」についてご紹介いたしましたが「沖縄の算数ものがたり」「沖縄の理科ものがたり」と存在が明らかになっておりひょっとしたら国語とか社会もあるんじゃないかとちょっと期待しております。「沖縄の理科ものがたり」については多分県内図書館にあると思いますので気になる方は探してみてくださいね。