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御後絵神経衰弱はゲームとして成立するのか
皆さんは「御後絵(おごえ)」というのをご存じでしょうか。
御後絵(おごえ、沖縄方言だとうぐい)は独自の様式で描かれた琉球国王の肖像画で、死後に書かれて首里城の敷地内にある円覚寺に納められるものだったということです。
沖縄戦による円覚寺の消失でオリジナルはなくなってしまいましたが、戦前に沖縄文化研究者で鎌倉芳太郎が御後絵の写しを写真に収めておりそれが10点だけ現存しています(実際はもっとあったらしい)。
さて、この上が御後絵の一覧ですがこうして並べてみると国王が中央に大きく描かれて、左右には家臣というほぼ同じ構図で御後絵が描かれている事が分かります…もっともらしいことを言ってみたのですが、裏を返せばそれくらいしか私には分かりません。本来御後絵は彩色されたものだったのですが、モノクロ写真で見ると割とどれも同じような絵に見えるわけです。
ここからが本題なのですが、最近一見して見分けがつかないものを神経衰弱にするみたいな商品が世に出ています。こんなやつとかこんなやつです。札は10枚×2しか作れませんが御後絵を神経衰弱にしたら結構楽しいゲームができあがるのではないでしょうか。
カードを作る
というわけでまずはカードの作成から。
御後絵は正方形に近いサイズなんですが、市販のカード用紙に印刷するために歴代の琉球王をトリミングしつつ、配します。
ついでに琉球王の名前カードも作りました。御後絵が存在するのは第二尚氏の時代なのですが、基本的に尚●王という名前なのでこれも難解といえば難解。
名刺用紙に印刷をします。
よく分からないブロマイドみたいになりました。
こちらは第二尚氏時代の初代国王、尚円王(しょうえんおう)と三代目国王の尚真王(しょうしんおう)。王様のみをトリミングすることでぐっと難しい感じになりました。果たしてゲームは成立するのでしょうか。やってみましょう。
御後絵神経衰弱はどうか
というわけで事務所にやってきたmycoを相手に御後絵神経衰弱スタートです。
基本的なルールは神経衰弱と全く同じで、歴代王の御後絵が10枚×2裏返されて置かれています。
同じペアを引いたらそのカードを取ることができる、というやつです。
まずは不肖、私ことやんばるたろうが完全なるラッキーで尚円王をゲット。
20枚なので割と早く終わるのでは、という懸念があったのですがなかなか揃いません。こちらは尚寧王と尚豊王。ぱっと見同じに見えますが微妙なところが違ってます。
たった20枚のカードなのですが白熱した試合になりました。
だだし35歳を過ぎてめっきり物覚えが悪くなったので、そのあたりもゲームバランスに影響しているかもしれません。僕は何度も同じカードをめくってました。
結果は7対3でmycoの圧勝でしたが、プレイ時間はだいたい15分程度。2人で遊ぶには長くなく、短くもない割といい時間だったと思います。これはゲームとして成立するのではないでしょうか。
こんな使い方も
今回は御後絵だけでゲームが成立したのでやりませんでしたが、例えばこんなこともできると思います。
例えば御後絵と王の名前を神経衰弱する。御後絵よりもさらに難易度が上がること請け合いです。
王の名前を読み上げて、御後絵を取るカルタみたいな使い方はどうでしょうか。10枚なんですぐ終わっちゃいますけど。
他にも手持ちの王カードを歴代順に並べる七並べ的なゲームだったり、ジョーカー的なやつをつくってババ抜きみたいなこともできると思うのです。なんとなく商品化が見えてきた気がします。
お土産物屋さんのご連絡をお待ちしております
というわけで御後絵神経衰弱はゲームとして成立するのか、ですが10枚しか現存していない御後絵でもきちんとゲームになりそうだということが分かりました(DEEokinawa調べ)。そして、これお土産物として売り出したら売れるんじゃないでしょうか?首里城公園で販売したりしたらどうでしょう。
DEEokinawaでは商品化したいというお土産物さんのご連絡をお待ちしております。…まぁこのセリフ8年間結構書いたのですが一度も連絡が来たことはないんですが。
ちなみに御後絵は首里城公園内で展示されてますので、興味のあるかたは足を運んでみて下さい。