コミコン沖縄で「沖縄の日常」を感じる

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アメリカの雰囲気漂う北谷にあるキャンプ・フォスター。この基地の中で「コミコン」なるイベントがあるというので行ってみました。

アメリカンな街、北谷


那覇から1時間強で到着

10月15日、晴天。
30度を超える猛暑で、バスを降りたとたんに焦げそうな陽射し。まだまだ夏が続いている沖縄です。10月というのを忘れてしまいそう。

目の前に拡がるのが目的地の「キャンプ・フォスター」。広大です。そして基地なのでどこからでも入れるわけではありません。
58号線沿いに歩いていると、地図上では「キャンプフォスター フリーマーケット入り口」となっている入り口があり、そこから入れるはず。

ということで、会場の入り口を探して58号沿いを歩きます。アメリカンビレッジが間近なのもあって、そこかしこに異国情緒溢れるお店が並んでいます。


すごくアメリカン

バス停から20分ほど歩き、58号線を渡ると、やっとゲートが見えました。カメラのキタムラ北谷店の向かいあたりです。
シャレじゃなく、ものっすごく距離があります。駐車場があるので、車で来るのがおすすめです。

バスで来たいという猛者は、「北谷」バス停ではなく1つ手前の「北前」の方が近いです。あとから気づきました……。

 

基地の中へ


やっと入り口

58号沿いに、目立つ看板が出ています。
——が、「ほんとにココ入っていいの?」という不安が湧きます。受付らしきものは何もないですし、なにしろ基地の中に入るワケなので。

看板に「コミコン」と書いてありまして、これが今日のイベントです。「コミコン」は毎年夏にカリフォルニア州・サンディエゴで開催されるマンガのコンベンションで、今年は東京でも開催されています。
それがここ沖縄でも毎年開催されている、という次第。

緊張しながら、金属のゲートをくぐると駐車場に出ます。特にチェックなどはなく、てくてくと歩いて中へ。
沖縄の駐車場って、たいていとても広いんですよね。ライカムは1,000台は入れそうな広さですし(と思って調べたところ、4,000台収容可能とのこと)。

キャンプ・フォスターの駐車場も果てが見えないレベル。通り抜けるのに10分くらいかかります。陽射しの下を歩いて進むとテントが見えてきました。
ここでセキュリティチェックを受けます。
ウェストバッグなんかを着けている場合は外してボディチェック。金属探知機でスキャンされます。それから身分証明書(免許証など)を提示し、無事に終わると、リストバンドを着けてくれます。これが入場証になります。


ライブハウスとかフェスでよく見るタイプです

で、入場したらそこが会場、ということでもなく、さらに基地の中を歩いて進みます。
ゲートから会場までの間は写真が撮れない(基地内ですから)のですが、グラウンドがあったり野球場があったりととにかく広い!そして日陰がない!

陽射しに焼かれながら、セキュリティチェックから歩くこと15分。ついに会場を発見。すでにひと仕事終えた気分です。

 

熱気渦巻く会場の中へ


会場となったコミュニティセンター

この会場、かつて大相撲が開催された場所とのこと。
かつて「キャンプ瑞慶覧」と呼ばれていたこのキャンプ・フォスターで、1959年に大相撲の沖縄巡業があったそうです(こちらの記事に詳しくまとめられています(https://www.zukeran.org/shin/d/2017/04/17/sumo-1959-2/))。
当時の琉球新報の記事にもなっていて、記事を見ると確かに同じ建物です。

そんな歴史あるこの場所で行われているイベントの正式名称は「COMIC CON OKINAWA」。
東京で夏と冬に行われる「コミックマーケット(コミケ)」に近い雰囲気ですが、そこは沖縄、ひと味違います。
まず会場が基地の中ですので、来場者の半数以上はアメリカ人です。そして英語が飛び交う中、並んでいるのはアニメやゲームのキャラクター。
海外のものもありますが、メインは日本のアニメやゲームです。
国内外の有名クリエイターさんがブースを出して展示してくれており、本人も来ているとあって人だかりができていました。
ゲストの方のサイン会なんかも行われていて、長蛇の列になっています。

ということで会場の中へ。コミュニティセンターの入り口でネックストラップを貰えるので、これを首にかけて中に入ります。


ぜんぶ英語です

入ったとたんにものすごい人。そして熱気。何しろ体育館なので空調はなく、巨大な扇風機がそこかしこに置いてありました。
天井に得点のボードがあったり、バスケのゴールがあったりして、体育館として使われているであろうことを感じさせます。


13時頃の様子。これでもまだ人は少ないです

歩いている人の半分くらいは何らかのコスプレしている印象です。
アメリカンビレッジでもコスプレイベントがあって相当盛り上がるそうで、カジュアルに楽しんでいるなぁ、って思いました。

出展されているものを見ていると、見たことがある展示が。


「宇宙戦艦ヤマト2022」のメカニカルデザイン、玉盛順一朗さんのブース

設定や原画など貴重な資料も置かれていて、自由に閲覧ができます。
ご本人もいらしていて、大御所と気軽に会話できるのもこのイベントのいいところ。
他にも国内外のマンガアーティストが出展されていて、気軽にトークを楽しんでいます。

気づくとどんどん人が増えていきます。15時頃には、歩くのが大変なくらいの人混み(休日の国際通りくらい?)でした。
めちゃくちゃな混み具合と言うことも無くて、みなさん周りを気にしながら歩いている感じ。人の多さで疲れる感じではないです。

場内には他にもさまざまな展示ブースがありまして、

イラストコーナーも盛況です。


フィギュアが展示されていたり


画材を使ってイラストを描けるブース

がっちりした体格の軍人さんたちが真剣に絵を描いていました。
しかもこれがまた、アニメのキャラで、すごく上手なのです。
聞いてみると日本のアニメ大好きとのこと。外見とのギャップにびっくりします。
このブースには入れ替わり立ち替わり人がやってきていて、常に盛況でした。

また別会場もあり、ゲストの握手会や講演が行われました。
今回の目玉は声優の野沢雅子さん。「ドラゴンボール」の孫悟空の声の人です。
会場となったホールはものすごい人だかり。
質問コーナーでの「Are you dou Kamehame-Ha?(かめはめ波できますか?)」
答えて、悟空の声で「かめはめ波」を叫んでくれたときの、老若男女の盛り上がりは半端なかったです。
軍人さんも子どもたちも地元の大人も一緒になって「うぉぉぉぉ!」ってなってます。

販売ブースでは軽食やドリンクはもちろん、ゲームソフト、マンガ、イラストボードにプラモデル、となんでもあり。
ゲームの大会も行われており(エントリーが11時までだったので参加はできず)、こちらも歓声が上がっていました。


ポケモンなどのカードゲーム大会


テレビゲームのトーナメント


ゲームを作って出展している「IGDA琉球」さんブース


第三海兵遠征軍音楽隊による演奏

 

暑さが限界に達したので室外へ脱出

外の方が涼しいという、沖縄的には不思議体験でした。

会場の隣には、フード系のお店が並んでいます。

ここで食事をしてもいいですし、オススメは少し離れたところにある基地の食堂。
案内が出ていて、イベント参加者も利用することができます。
サブウェイなどのファストフード系が揃っているんですが、サイズが国内のと違います。
とにかく巨大。
国内でこのアメリカンサイズが食べられるのは、沖縄ならではじゃないでしょうか。

アトラクションもいっぱい。

運営は MCCS Okinawa(https://www.mccsokinawa.com/)という準民間の団体が行っているそう。
運営の多くはボランティアで、地元に支えられているイベントなんだなぁと感じました。

もちろん基地内のイベントなので守らないといけないことはいくつかあります。
とはいえ基本的にはハロウィンパーティのような賑やかな雰囲気。アメリカンな食事や会話も気軽に楽しめます。
夏祭りに行くような気軽さで楽しんでいる地元の親子連れや、真剣な表情でイラストを描いている基地の方などを見て、これも沖縄の風景なのだなぁと感じました。

2015年まではComic-Conを英語で読んで「コミックコン」だったんですが、2016年から「コミコン」に統一したとのこと。
誰でも聞き取りやすく口にしやすい名称にもまた、このイベントに込められた想いを感じたのでした。

 

お土産も買えます

ちなみに買い物は円とドル、それにカードが使えます。
レジで支払うときに「どっちにします?」って尋ねられるので、好きな方で払えます。
そしてレシートはドルで書かれていて、ちょっと不思議な感じです。

円で払ってもレシートはドル記載でした

レアな沖縄みやげにもよさそう。1,500円です。

沖縄の地元感とアメリカの空気が味わえるコミコン沖縄。
想像以上に沖縄らしいイベントなのでした。

 

コミコン沖縄:http://www.comicconokinawa.com/
MCCS Okinawa:https://www.mccsokinawa.com/

ゲストライター

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mike
静岡生まれ、生業はゲーム開発とシナリオ執筆。お散歩好きで、すーじ小を制覇すべく歩き回ってます。
サイト:TaleFacrory(http://www.tale-factory.com
 

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