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本島最南端で二つの海を股にかけたい
沖縄に存在する大海を分かつライン
沖縄は二つの海、すなわち太平洋と東シナ海が見られる場所だということはDEE読者のみなさんならご存じのことかと思います。
本島でいうなら、西海岸側は東シナ海、東海岸側は太平洋ということになりますね。
では、東シナ海と太平洋を分けるラインの起点がどこにあるかみなさんご存じですか?
東から順に、国頭村の安田ヶ島、糸満市の荒崎、宮古島の東平安名崎、波照間島最南端、そして与那国島は日本最西端の西崎。
これらを結ぶラインと本島で出来る境界線が、東シナ海と太平洋を分けるラインです(ただし、業界によって扱いが異なる場合アリ)。
イメージ的にはだいたいこんな感じ
(鹿児島から台湾までの境界線を知りたい方はこちらにどうぞ)
ここまでは以前私のサイトでやった既出ネタなんですが、ある時ふと思ったことがあるんです。
この起点になる場所に行って、大股を開けば東シナ海と太平洋の両方を股にかけることができるんじゃないのか!?
というわけで、今回のチャレンジが幕を開けました。
じゃあどこに立てばいいんだ
私は那覇に住んでいます。となると、上記5か所のうち、最も手近に行けそうなのはやはり糸満の荒崎。
ここで、読者のみなさんの中には「どうして喜屋武岬じゃなくて荒崎なのか」という疑問がある方はいますか?
喜屋武岬にある平和の塔
理由は簡単で、本島最南端は喜屋武岬ではなく荒崎だからです。
では、恐らくラインの起点になっているであろう荒崎の最南端はどこでしょうか。
緯度経度を調べていると、国土地理院のこんなサイトに行きつきました。
沖縄県 市区町村の役所・役場及び東西南北端点の経度緯度(世界測地系)
都道府県及び各市町村の東西南北の緯度経度が示されたサイトです。当然、糸満市の最南端は荒崎。その最南端というのは・・・
なるほど、ここですね。
さらに、ここから西のポイントである東平安名崎に向かってラインを引き、最南端でコンパスを持った時、何度の方向を見れば境界線を目線に据えることができるのかを計算して、、、
私はガラケーなので、これに友達のスマホGPSを加えて準備完了!
よっし、これで完璧!!
それでは、荒崎に向かいましょう。
本島最南端、ラインの起点を目指して
荒崎の行き方、ガイドブックに載ってないですよね。
ネットで調べてみると、平和創造の森公園を目指して県道223号線を行けばたどり着けそうです。
公園を通過して・・・
この周辺は細かな道がちょこちょこあるので、ご丁寧に荒崎に向かう看板が随所にあります。
これがなかったら、まずたどり着けないことでしょう。
草むらの未舗装路になるので大きな車はオススメできません
そして・・・
これから整備されるのかな?という開けた場所にやってきました。ここに車を止めて、看板の示す道に入ってほんの1分。
やってきました荒崎です!
正式には荒崎海岸と言い、ここは喜屋武岬のような断崖絶壁の絶景というわけではないんですが、それでも開けて非常に気持ちのいい場所。
目指す荒崎にはやってきましたが、最南端まではちょっと距離があります。眺めもいいし、エネルギーをチャージして向かうことに。
月桃の葉で包んだ雑穀米のお弁当
お腹もいっぱいになったので、いよいよ最南端を目指します。
最南端を目指す・・・が・・・
最南端は、海岸の入口から更に南西に向かった先です。11月後半とは思えないほど強い太陽光線と強風の両方と闘いながら、ポイントを目指します。
牧「スマホのGPSどう?まだまだ先?」
友達「そうだね。こんな感じだよ」
歩いてはGPS、歩いてはGPSと少しずつ件の場所を目指していったのですが・・・
友達「あれ?現在位置が更新されなくなった!」
牧「うそでしょーーー!!」
最初から友達のスマホGPSに頼っていた私の負けでした。気づけば彼女のスマホGPSはフリーズして正しい位置を示さなくなっていたのです。
考えろ、考えるんだ。。
そうだ、私のデジカメにだってGPS情報の記録が出来たはずだ!
そう考えデジカメの操作を始めたところ・・・
牧「うわぁぁぁ、バッテリー切れた!!!!」
最悪なことに、撮影用デジカメのバッテリーがご臨終しました。しかも、こんな日に限って替えは持ってきていません。
加えて友達のスマホの電池残量も残り一けた、虫の息。
終わった・・・もうこれジ・エンドだな・・・
撮影もできない、位置情報も確認できない・・・絶望的なこの状況で一瞬諦めかけたその時、ピコーンと閃きが。
今、手元にはコンパスがあります。コンパスの東西のラインから南方に行く場所がもうなければ、それはすなわち最南端じゃないのか、ということです。
つまりこんな感じで、青いラインから矢印の方向に海しかなければそこが目指す場所
準備の割に最終的にはアナログな手法になってしまいましたが、いざという時に頼りになるのはやはりデジタルではなくアナログですね。アナログ大好き!
この最終手段・コンパスを頼りに、さらに最南端を目指します。
そして、待望の瞬間が・・・!
ついに、ついに・・・それらしい場所に到着しました。
じゃんっ!!
本島最南端と思しき場所にやってきました。この先直下は荒波打ち寄せる海です、一歩も進むことは叶いません。
写真では分からないかもしれませんが、ザバザバ波しぶきを浴びております。。
海風も強く、終始前後にガクガクと倒れそうになりながら・・・
ついに、東シナ海と太平洋を股にかけたぞーーー!!
・・・今、私は、二つの大海を股にかけているのだ・・・。
とは言ってもよく分かんないですよね。
図解するとこんな感じです。
立っている場所からコンパスで235度の方向を向き、右が東シナ海、左が太平洋。
当然この場所でラインが目に見えるわけじゃないんですが、なんだか言葉にならない快感に包まれました。
だからといって、決して何かがあるわけではないんですけどね。
やってみて、その感想
ここはひめゆり部隊の方たちが散った場所でもあり、拝みの場所でもあるようです
たまには龍を捕まえた時のような勢い記事を書きたいと思っての挑戦でしたが、いかがでしたでしょうか。
結局はアナログにコンパスさえあればなんとかなりますので、「自分も股にかけたい!」という方は荒崎海岸を目指してみてください。多分ですけど、他の4箇所では実際にはポイントに立てないんじゃないかと思いますので攻めるなら荒崎ですよ!
ただし、
ここは足場が相当悪いのと、ポイントまではそれなりに距離があるので、場慣れしている方でないとオススメできません。
それでも行きたいという方は、根性出して頑張ってみてください!