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【妖怪ハント】仲西ヘーイ
少し前にネットで話題になった投稿があります。
日本の妖怪調べてたら、那覇に出る「仲西へーイ」って妖怪がいてワロタwww挨拶www軽ッwwwwwwヘーイwwwwww
仲西へーい
沖縄県那覇市に伝わる妖怪。潮渡橋で「仲西ヘーイ」と呼ぶと「ヘーイ」と声が返って来て「仲西ヘーイ」が現れるといわれている。
「ヘーイ」って!
そんなに簡単に妖怪が現れて良いのでしょうか。めちゃくちゃ軽いし、なんだか陽気そうです。
よし、仲西ヘーイを探しに行こう。そうしよう!
仲西ヘーイとはなんなのか?
仲西ヘーイを探す前にまずはどんな妖怪なのか予習をしておきましょう。
調べたところ仲西ヘーイについて書かれている文献が2冊見つかりました。
金城朝永『琉球妖怪変化種目』より
ナカニシ (仲西) 人の姓。晩方、那覇と泊の間にある塩田潟原の「潮渡橋スーワタイバン」の附近で「仲西ヘーイ」と呼ぶと出て来ると云う。
比嘉春潮『沖縄本島の神隠し』より
那覇と泊との間の潟原という塩田の間に「潮渡」という橋がある。
夜分その橋の近くで「仲西へい」(仲西やーい)と呼べば、すぐに「もの」にさらわれる。
・・・出てくることしかわからない。
しかし比嘉春潮さんによると、叫べばすぐに「もの」にさらわれるとあります。
ものにさらわれるとはどういう状態なのでしょうか?
『比嘉春潮全集 第三巻 文化・民俗篇』より
・沖縄で神隠しのことをムヌマイーまたはムンニムタリーン(ものにさわられる)という
・ムヌマイーはたいてい夕方〜夜中の出来事である
・村はずれの寂しい場所で起こることが多い
・ムヌマイーは道に迷ったような状態になる
・こんな時にはうずくまってタバコを吸うか、草や木の葉を掴んでいればだんだん元の道がわかるようになる
・ものにさらわれたときは普通の人が歩けないような水面や断崖絶壁も歩けるようになる
・危険なところを通っているときに屁を放つと「もの」が驚いて手を放し非常に危険。それで死ぬときもある。
・ものにさらわれた人はたいていは洞窟の中に奥を向いて座っている
・さらわれた人を発見したら左足で3度臀部を強く蹴る。これでものは去る。
・しかし大抵は腑抜けになって1〜2ヶ月はものを言わない
神隠しって!
しかも神隠しの後は洞窟の奥に座っていて、見つけてもらってもお尻を3回蹴られて、それでも数ヶ月腑抜けになる。
いろいろ悲しい状態になるようですが、おならさえしなければ死ぬことはないようです。
そして木の葉を掴んでいたら元に戻れることもある、とも。
うーん、これはヘーイと陽気に呼んでしまっていいのでしょうか。
潮渡橋にやってきた
しかし怖さよりも興味が勝るのです。
ということで、那覇の潮渡橋へ。
時刻はヌムマイー(神隠し)が起こりやすいという夕方。
潮渡橋は58号線沿いのとまりんの近くにあります。
こんなところに妖怪が・・?
仲西ヘーイが出て来たら捕まえられるように網を持ってきました。
簡単にさらわれたくないので、橋と自分たちを紐で繋いでおきます。
さらわれた場合のために木の葉も持って。
「ちょっと待って!」と、友人が携帯を取り出しFacebookになにやら書き込みました。
「(いちおう言っておこう)みなさん今までお世話になりました。ありがとうございました。」
怖いこと書いてる!
でも、冗談じゃないのです。
こちらとしては神隠しにあうかもしれないし、見つかっても廃人になってしまうかもしれないのです。
これからやることを考えるとこれぐらいの気持ちなのです。
もうひとりの友人はさらわれた場所がわかるようにGPSをセットしていました。
でも、冗談じゃないのです!
こちらとしては(2度目)。
仲西ヘーイと叫んでみる
対策はすべてできました。
それでは叫んでみましょう。
(・・な。な、か、にし・・・へー・・い)
ダメだ。小さい声しか出ない。
だって!だって!!
この辺りを通ったことがある方はわかると思いますが、58号線沿いで交通量が多い上、人通りも結構あるのです。
仲西ヘーイよりも通行人が気になる
30代の男女3名が橋の上で「仲西ヘーイ」と叫ぶって結構な勇気が必要です。
いっそ叫んだらすぐにさらわれたいほどに。
我々を見て川に何かあると思ったのか観光客の人が写真に撮り始める
いや、でもここまで来て恥ずかしくて出来ませんでした、という結果は不甲斐なさ過ぎます。
意を決して、叫びます。
「仲西ヘーイ!」
さぁ、さぁ、どうなる!?
・・・シーン。
いや、もしかしたら橋の下にいるのかもしれません。
場所を移動してもう一度呼んでみます。
「仲西やーい」
・・・無言。
いやいや、橋の反対側にいるのかもしれません。
58号を横切り、再度挑戦してみます。
「仲西ヘーイ!」
・・・・。
・・・。
・・。
「仲西やーい!」
・・・。
仲西ヘーイ現れず!
最後に少し怖いことがあった
仲西ヘーイは現れず、わたしたちは神隠しにあうことも廃人になることもありませんでした。
しかし、もう帰ろうかと歩き出したところ、友人のiPhoneに異変が起こりました。
橋の写真を撮ろうとした瞬間に電源が落ちるiPhone。
「充電もたくさんあったはずなんだけど」
その後、何度再起動をしようとしてもウンともスンともいわず焦ったのですが、潮渡橋から離れたらすぐiPhoneは復活しました。
もしかして、仲西ヘーイの仕業だったのでしょうか?
仲西ヘーイはいるかもしれない
ということで、私たちの前に姿を見せることはありませんでしたが、仲西ヘーイがいないと決まったわけではありません。
現在の潮渡橋
昔の地図
昔の地図と照らし合わせてみると、現在の潮渡橋の場所は川の上ではないのです。地図ではどこが本来の潮渡橋だったかはわかりませんでしたが、おそらく河川の改修工事などで橋の場所が移動されたのでしょう。
つまり、このあたり一体を「仲西ヘーイ」と呼んで歩けば、どこかで仲西ヘーイが現れる可能性があるのです。
現れた場合のことを考えるとオススメはしませんが、仲西ヘーイを探されたい方はご参考に。
(念のため、木の葉かタバコを持って行ってくださいね)
でも何かがあってもDEEokinawaは責任を取れませんのであしからず。