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伊計島に巨大おばぁが現れた
沖縄で風光明媚なドライブコースとして有名な、うるま市にある海中道路。
橋の両側に青く美しい海が広がり、車で駆け抜けると爽快感が味わえると人気のスポットです。
その海中道路を渡った先には、平安座島(へんざじま)、浜比嘉島(はまひがじま)、宮城島(みやぎじま)、伊計島(いけいじま)という4つの島々が存在しています。その中でもいちばん先にあるのが伊計島。
橋でつながってはいるものの沖縄本島からはかなり離れており、海に囲まれたサトウキビ畑が広がるのどかな風景に、離島に来た気分が高まります。
さてそんな伊計島に、身長ゆうに5mはあろうかという巨大なおばぁが出現したとの噂が。
さっそく伊計島に調査しに行ってきました。
いきなりおばぁとご対面
各ポイントに点在する「イチハナリアートプロジェクト」という看板をたよりに、海中道路方面からずんずん車を走らせ伊計島へ。旧伊計小中学校跡地へとたどり着きました。
駐車場で迎えてくれたのはこの方。
「・・・・・・。」
そして、ただならぬ気配にふと頭上を見上げると。
!!!
巨大なバルーンおばぁが建物の外壁にどっかりと腰を下ろして海を見つめています。
いきなり目的のおばぁに出会ってしまいましたが、実はこれらは8月3日(土)から旧伊計小中学校跡地や伊計集落内の空き地、民家を会場として開催されている「イチハナリアートプロジェクト」というアート展の作品だったのです。
伊計島に実在する人物をモデルに制作されたという江藤望さんの作品、東江ツルさん(85歳)。頭に巻いた旧与那城町農協のタオル、顔のシワ、丸めた背中など、ものすごくリアルにできており顔を近づけると息遣いまで聞こえてきそうなほどです。
会場の中も見てみよう
いきなり度肝を抜く作品に出迎えられたわけですが、気を取り直してメイン会場である旧伊計小中学校の中に入ってみましょう。
伊計小中学校は児童数の減少により昨年2012年3月31日に閉校されたばかり。
悪いことしてなくてもなんだかドキッとしてしまう「相談室(中学)」。
- 黒板や時計などもそのままの状態
- ここは元理科室でしょうか
校舎内のいたるところに作品が展示されていて、探検しながらアート作品に触れることができます。
- ペイントされた豚のオブジェが各所に
- 壁一面を使った大きな絵画作品も
ミニチュアの東江ツルさん発見。この前で記念撮影する人も多く、いちばん人気でした。
ルイ・ヴィ豚。
階段に残された算数の授業のメモ。学校の名残を感じます。
壁には身長を計った跡。
あいさつ、返事、後始末。うん、だいじですね。
黒板消しクリーナー。懐かしい!
イチハナリ展望台として、校舎の屋上に出ることも。小学校の頃は禁止されていた魅惑の屋上です。目の前に青い海を眺める景色は抜群。こんな景色を見ながら子ども時代を過ごせるなんてうらやましいなあ。
にげちゃう。
3Fには物販コーナーがあり、黒糖やTシャツなどうるま市特産品のほか、かき氷、サンドイッチなどの軽食も販売されていました。
メイン会場では、現代アート作品と小学校時代のノスタルジーの両方を同時に味わうことができます。
屋外展示へ
イチハナリアートプロジェクトでは、集落内に点在する屋外展示作品も楽しめます。
“屋外アート順路”の矢印をたよりに集落の中へ。
この青い看板が目印。今は使われていない民家や空き地にアートの世界が広がっています。現代アートが島の日常に溶けこんでいる光景はきっとこの場所ならでは。不思議で面白い感覚が味わえます。
私がいちばん好きだった作品は上の写真にチラっと写っている、太陽をうまく利用した与太郎さんの作品。どんな作品かは実際見てのお楽しみ。
赤瓦屋根やフクギに囲まれた住宅もたくさん残っており、昔ながらの沖縄の景色が楽しめます。路地から見える海の色もたまらない!
というわけで、冒頭で紹介した巨大なおばぁの正体は「イチハナリアートプロジェクト」の作品でした。
イチハナリアートプロジェクトの会期は9月1日(日)まで。この夏、ちょっと足を伸ばしてこの巨大なおばぁ達に会いに伊計島に行ってみてくださいね!