名護市庁舎は外も中も格好いい(後編)
名護を楽しむ情報サイト「ナゴラブ」とのコラボ企画です
日々観光サイトに載らないような情報を配信している、我々DEEokinawaですが編集部員がだいたい中南部に住んでいるのでやはり記事も中南部の話が多くなってしまっています。
そこで今回、名護市を拠点として様々な観光情報を配信しているサイト「ナゴラブ」さんに協力を頂いて、ニッチな名護の情報を記事にしていこうという試みを始めます(ついでにコラボ記事なのでお金も頂いているという…!)。
という訳で最初にめちゃめちゃ直接的なお願いではありますが、企画の存続のためにも皆さん是非とも
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・ナゴラブInstagramのフォロー
を何とぞお願いいたします…!
さて、前回に引き続いて名護市庁舎のお話です。
前編に引き続きお送りします
1981年に完成した名護市庁舎。その魅力を伝えるべく、我々DEEokinawaはナゴラブとのコラボで庁舎内に潜入し内部をご紹介してきました(前編はこちら)。
さて、今回は残された2階のご紹介です。
コラボ企画
- 名護を楽しむ情報サイト ナゴラブ
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「ナゴラブ」は名護市の観光及び地域情報サイト。サイトを通じて名護のファン=ナゴラバーを増やすことが目的です。
https://nago-love.okinawa/
市長室にあるものはそれぞれドラマがある
というわけでやってきました。2階部分。
2階には総務課や企画政策課、農林水産課などが入っているのですが、市長室も2階にあるのです。普段なかなか市長室に入る機会って無いと思うんです。名護市庁舎の市長室はどうなっているんでしょうか?特別に入れてもらいました。
さあ皆さん。刮目あれ!これが名護市庁舎の市長室です…!
そして市長室を案内してくださるのは渡具知名護市長!まさか市長自ら案内をしていただけるとは思いませんでした。身に余る光栄…!
―― 本日はよろしくお願いします!
渡具知市長:
よろしくお願いします。まずは名護市の概要からご説明しますね。名護市は面積が210平方キロメートルございまして、沖縄本島では一番大きな面積を有しています。人口は約6万4000名です。昔は名護町というものがありまして、それに屋我地村、羽地村、久志村、屋部村の1町4村が合併し名護市となっています。名護市が誕生したのは1970年で51年前の話ですね。
渡具知市長:
市長室にあるものですが、まずはこちらの棚から。手前にあるの名護市の特産品ですね。名護市には津嘉山酒造所、龍泉酒造、ヘリオス酒造の3つの酒造所がありそちらの泡盛がありますね。そして市内に工場があるオリオンビール。オリオンビールは私が就任してから75BEER(ナゴビール)という商品も作って頂きまして、名護を全国にアピールするよい機会になっています。
あとは、シークヮーサー関連商品や羽地の玄米をドリンクにしたもの、屋我地で昔ながらの製法で作られている塩などもあります。
棚の上の方にあるのは、移民関係のものですね。南米のアルゼンチン、ペルー、ボリビア、ブラジルには名護から移民された方が多く住んでいて、今では4世の時代になっていますがまだ沖縄の文化が残っているということで今でも名護との交流があります。それぞれの地域から贈られた盾や飾り物などが置かれています。
他には国内で北海道滝川市、大阪府枚方市、岩手県八幡平市、群馬県館林市と友好都市提携を結んでいまして、その友好都市から贈られたものも飾られています。あとはサミット関連のものもありますね。
渡具知市長:
名護市といえば日本ハムファイターズのキャンプ地としても有名です。もう40年くらいですかね。この写真は私が2019年に始球式に行った際の写真ですね。
渡具知市長:
こちらは名護親方と呼ばれた程順則が中国から琉球に持ち帰ったという「六諭のこころ」が飾られています。職員(当時)に書道の達人がおりまして、市制50周年の記念で頂いたものです。
渡具知市長:
このポスターは我々が今進めています、スポーツコミッション、スポーツの合宿などを誘致して名護をスポーツの町にしていこうという試みです。球場は改修をして2020年に立派になりました。今はその横のラグビー場(1面)を改修して、サッカー・ラグビー場(2面)を作る計画が進んでいます。
―― それぞれ置かれているものには意味があるんですね!
渡具知市長:
ですが、経緯の分からないものもありますね。例えばこちらのゴッホのひまわり。当然、本物ではありませんが市長就任時からあってどういった経緯で飾られているのか把握していません。
―― 気になったのですが、市長室には入ってきたドア以外に、ベランダの出口ともうひとつドアがあるのですがそれぞれどうなっているんですか?
渡具知市長:
もうひとつのドアは副市長室に繋がっています。ベランダはなぜこのような作りになっているのかは分かりませんがちょっとしたスペースがあります。ここで私が演説する感じですかね(笑)
―― 名護市庁舎の建築は色々な所で話題になっていますよね
渡具知市長:
そうですね。少し前にはテレビ番組の「美の巨人たち」という番組でも取り上げて頂きました。この建物は全国的に建築家の中ではかなり有名な建物で、今でも建築を学んでいる学生さんや建築に携わっている方がよくいらっしゃいます。
―― 40年前の建物が今もなお、こうやって注目され続けているのはすごいですね!名護市は市制51年ということですが今後の展望を教えて下さい
渡具知市長:
市制50年を迎えて、次の50年を考えるとこれからは人口を増やしていくというのがとても難しい時代です。名護市を含めた沖縄の北部12市町村が広域圏を組織していて、広域圏で見ると面積は沖縄県の半分くらいはあるのですが人口は大正時代からほとんど伸びていないと言われています。
そこで平成18年から北部振興事業という特別な予算をもらって、それぞれの地域でそれぞれが独自にニーズにあった振興事業を行っているところです。名護市ではまだまだ中南部に比べて教育、医療ともに遅れているという現状があります。
医療については北部地区医師会病院と沖縄県立北部病院を合併して「沖縄北部医療センター」という新しい病院を作る計画が進んでいます。教育については北部初となる中高一貫校の令和4年の開設に向けて動いています。これまでは北部の中学三年生が中南部に進路を求めたり、スポーツ推薦で出て行ってしまう状況がありました。そういったものを北部で対応できるような受け皿を作ろう、という事ですね。
そういったことを繰り返し重ねて定住要件の整備をしていくことが、重要になってくると思います。
―― なるほど!本日はありがとうございました!
最後にもう一枚市長室の写真を。恐らくめちゃめちゃご多忙の中、渡具知市長に市長室を案内頂きました。本当にありがとうございます!
コラボ企画
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まさか名護市長に市長室を案内して頂けるとは思いませんでした…!とても気さくな方でした。
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風の道が気になる
さて、気になっていた市長室を見せて頂いたわけですがもうひとつ、ものすごく気になる場所があります。それは「風の道」の部分。
自然の風を取り入れて冷房代わりに使うという仕組みは理解できるのですが、中はどうなっているのでしょうか?
庁舎内を案内して頂いた職員の方に聞いてみると、「中に入れますよ」とのこと。それならば是非この目で見てみたい…ということで特別に風の道の内部を見せて頂けることになりました。
やってきたのは2階の総務部のベランダ付近。こんな感じで床に蓋がついていて、蓋を持ち上げると風の道の通路があらわれます。
ぽっかりと開いた暗闇の道。下に降りるためのハシゴが付いています。では、いよいよ風の道に入ってみましょう。
こちらが本邦初公開(?)、風の道内部。大人の身長だとちょっとかがまないと通れないくらいの高さになっています。配管や配線がすごいですが、これはクーラーなどの配管でもともとは何もなかったそう。
庁舎内にある空気穴から庁舎内部を見下ろす構図です。この風景はかなりレアなのではないでしょうか。
もうひとつ発見がありました。風の道は庁舎を貫通して通っているものとばかり思っていたのですが、途中で行き止まりになっていました。庁舎の国道側と反対側の風の道はつながっておらず、庁舎の中央付近で途切れています。
素人考えだと、風の向きによっては全然風が通らない箇所がでてきそうですが、設計上の制約なのかそれとも計算されたものなのか気になるところです。
こちらは外部と面した部分。取っ手付きの扉になっていて、風の道が使われていた時は職員がこの扉を開け閉めしていたらしいです。
すごくシンプルな作りですが、なかなか普段は入れなそうな場所なので貴重な体験ができました…!
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なかなか通常の取材依頼でここまで取材ができることが無いのです。このあたりが地元メディアとのコラボの強みだなと思いました。
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名護市庁舎は外も中も格好いい
というわけで、前後編に分けてのご紹介でしたが名護市庁舎はいかがだったでしょうか。
ユニークな外観だけでなく、色々な工夫もされていて40年経った今もなおその魅力は色褪せていません。シンプルに中も外も格好いいですよね。
庁舎のアサギテラス部分は、開庁時であれば誰でも自由に出入りすることができるそうなので、今回名護市庁舎を知った方も、沖縄に観光に訪れた方も、(今は時期が悪いですが、コロナが落ちついたら)ぜひ名護市庁舎い足を運んでみてください。
きっと素晴らしい発見があるはずです。
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普段入れない名護市庁舎のあんな所やこんな所まで入れて、めちゃめちゃ貴重な体験でした。反響(チャンネル登録)などがあれば次回もまたニッチな名護の情報をお届けできそうです!
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