最高級のうめーしを作ってみる
沖縄で箸といえば、竹製の箸を赤色と黄色に塗り分けた「うめーし」が有名ですよね(正確にはお箸全般を「うめーし」と言って、あの赤と黄色の箸は「赤黄箸」みたいな呼び方をするようです)。そば屋や大衆食堂では結構この箸が使われているのを見ますし、ご家庭で使われている人も多いのではないでしょうか。
最近だとずっと製造を行ってきた九州の会社が廃業したために、販売ができなくなるのではというニュースが県民に大きな衝撃を与えたりもしました(今、県内で製造できるように調整が進んでいるらしいです)。
沖縄県におけるこのうめーしの圧倒的支持ですが、色々理由はあれども「安価で長持ちする」点も大きな理由のひとつなのではないかと思います。
そんなうめーしですが、めちゃめちゃよい材料で最高級のものをつくってみたらどうなるのでしょうか。きっとそこにはまだ見ぬ新しい世界が広がっているに違いないのです。
コラボ企画
- 緑フェス
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緑フェスはいよいよ今週末2019年12月14日(土)と15日(日)に奥武山公園で開催。
その中で行われる木育フェスタでは、沖縄県で活躍される木工作家さんや工房さんの指導のもと、木の枝でボールペンを作ったり、イスやメダル、箸、ストラップ、ウッドスピーカーまで作る体験ができます。
緑(りょく)フェス
「琉球箸」をつくりに大宜味に
最高級のうめーしを作るにあたって、色々リサーチをしてみたのですが沖縄県内で箸作りができる場所がありました。まず箸作りできちんとした箸を作って、それを赤黄に塗ることで目的が達成できるのではないでしょうか。
というわけで、やってきたのは大宜味村喜如嘉にある「工房うるはし」さん。ここではシークヮサーの木材を使ったマイ箸作り体験をすることができます。
工房の主、鈴木さんは栃木県生まれ。長くコンピュータのシステム会社に勤めていて、趣味でお箸作りをしていたのだそう。2007年に脱サラした後、本格的に「誰にでも使いやすいお箸」の試作研究を開始して「琉球箸」が完成。
そのお箸は洞爺湖サミット前のG8環境科学技術大臣会合での沖縄県の公式プレゼントにもなったのだそう。
さっそく琉球箸作りを体験してみます。
まずはいくつか用意された箸の原型から、自分の手に合うサイズのものを探します。実はここが、マイ箸作りの最も重要なポイントで人差し指の長さの2倍くらいの長さが最も手になじむサイズなのだそうです。
箸の原型を選んだら、くい先(箸の先っぽ)を目の粗いサンドペーパーで削っていきます。琉球箸は持ち手部分は丸く、くい先部分は四角くなっているのが特徴でくい先を削る時も四角い形を維持するように細く削っていきます。
箸を持ったときに2本の箸のくい先がピッタリくっつくのが理想型。簡単なようで結構奥の深い作業です。
ちなみに鈴木さんはシークヮサー以外でも色々な材料で琉球箸の試作を行っていて、最終的に行き着いたのがシークヮサーだったそうです。琉球松のような木目が多い木材だと長く使っていくうちにどうしてもゆがみが生じてしまうのだとか。その点、シークヮサーは軽くて、柔軟性にも富んでおり長く使える箸を作ることができるのだそうです。
荒削りが終わったら、目の細かいサンドペーパーで全体的を滑らかにして完成。電気ごてで名前も入れられます。
最後にアマニ油を塗ったら…
マイ琉球箸の完成です!!30分程度でできてしまいました。工程としては、ほぼサンドペーパーをかけるだけなのですが出来上がった箸はなんとも愛おしい。あとはこれを赤黄に塗れば、最高級のうめーしになるんじゃないでしょうか。
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このマイ箸づくりは緑フェスでも当日予約で体験できます。小さなお子さんでもできそうな作業なので、興味のある方は是非!
緑(りょく)フェス
最高級のうめーし、もうあった
マイ箸が完成したので、鈴木さんにこの箸をうめーしのように赤黄に塗りたいという相談をしてみます。
すると「実は…」ともってきてくれたのが上の箸。なんと…!琉球箸のうめーし、もう存在していたのです…!この琉球箸のうめーし、塗られているのは漆で黄色い部分はウコンを使っているのだそう。
作ったマイ箸に漆を塗るのは時間的にも技術的にも色々ありそうなので、このうめーしを購入することにしました。
お値段は箸によってまちまちでしたが、このうめーしは3000円。まさに最高級うめーし…!
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ちゃんと購入した箸が経費で落ちることを願っています。
緑(りょく)フェス
うめーしの使い心地を確かめる
大宜味村から事務所に帰ってきました。さっそく最高級のうめーしの使い心地を確かめてみたいと思います。
ここまで来て、ちょっとお恥ずかしい話なのですが僕は箸の持ち方がおかしいまま40歳になってしまいました。箸を持つとバッテンになっちゃうんですよね。
しかし、琉球箸は持ち手が丸く、太くなっているのできちんと安定して手に持つことができます。手に吸い付く感じが半端ない。
金ちゃんヌードルを食べてみました。安い食事もなんだか豪勢に思えます。これはよいものだ。
最高級うめーしもめちゃめちゃ使い心地がよいのですが、僕のマイ箸も見てください。自分で作った愛着含めてこちらも素晴らしい(自画自賛)。これからも末永く使っていきたいです。
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自分で作った箸。プライスレス。
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最高級うめーしで生活をちょっとリッチに
というわけで本日は最高級うめーしを作ってみるというお話でした(実際には購入したけど)。箸って単純に木の棒が2本あればなんとかなると思っていたのですが、実際は持ちやすさだったり、材質だったり、色々あって奥が深いのだなぁと思いました。なんとなく生活が豊かになった気がします。
ちょうど息子がおぼつかない手つきで箸を使っている時期で、ちゃんと箸を使えるようになるように教えるためにもマイ箸作りを体験させるのもよいなぁと思っています。
工房うるはしでは大宜味、浦添でマイ箸作り体験ができるだけでなく、今回の緑フェスのようなイベントでも箸作りをやっているそうです。皆さんもマイ箸、いかがでしょうか。
いずれ僕の箸も、赤黄に塗ってうめーしにしたいと密かに計画を練っています。
工房うるはし
※箸作りは要予約
浦添:浦添市伊祖3-35-3-1
大宜味:大宜味村喜如嘉657
098-875-6220
https://uruhashi.ti-da.net/
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今度からうめーし、持ち歩いて行こうと思います。
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