木工職人とやってみた!沖縄県はブーメランになるのか
2019年12月14日(土)と15日(日)に全国育樹祭の一環である『緑(りょく)フェス』が那覇市の奥武山公園で行われます。
森で働く機械の展示実演があったり、沖縄の木に触れ合える木育フェアがあったり、森のアウトドアフェスタがあったり、沖縄パンスイーツフェスタがあったりと幅広い年齢層の人が楽しめそうなイベントです。
さて、今日は緑フェスの告知をかねた記事なのですが、わたしたちは緑フェスの内容を見て「しめしめ」と思うことがあったのです。
それは、以前失敗した「沖縄県をブーメランにできるんじゃないか」というネタを木工のプロに協力してもらうことで叶えられるのではないか、ということ。
- 沖縄本島がブーメランに見えたあの日
- 夢破れたあの日
前回の反省点
- ・側面にエッジをつけた方が良さそうなので木で作りたいけど、糸のこぎりなど木材加工に必要な工具がない
- ・そもそも糸のこぎりがあっても、沖縄県の形にカットできる技術がない
工具も無ェ、技術も無ェ、そんなんで沖縄県がブーメランになるわけ無ェ
そう諦めていたのですが、工具もある!技術もある!そんな木工のプロの方が緑フェスの木育フェアにはいるのです!
コラボ企画
- 緑フェス
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緑フェスは2019年12月14日(土)と15日(日)に奥武山公園で開催。
その中で行われる木育フェスタでは、沖縄県で活躍される木工作家さんや工房さんの指導のもと、木の枝でボールペンを作ったり、イスやメダル、箸、ストラップ、ウッドスピーカーまで作る体験ができます。
緑(りょく)フェス
木の工房楽樹(らっきー)さんへ
私たちが今回訪れたのは、八重瀬町世名城にある木の工房楽樹(らっきー)さん。
4人の木工作家が在籍・運営する工房&ギャラリーです。
ギャラリーと工房の間にあるツリーハウスがかっこいいです。
沖縄本島をブーメランにしたいという私たちの夢に付き合ってくださるのは楽樹の古我知毅さん。
普段はリフォームや家具作りなどをされているそうです。
ちなみに木育フェアでは楽樹さんは沖縄の木の端材でクリスマスツリーを作る体験会を開催されます。
「木の感触や香りを楽しみながら沖縄の木の端材をうまく組み合わせ、オリジナル木製クリスマスツリー作りにチャレンジ!」
日時:2019年12月15日(日)10:00〜17:00
費用:800円(税込)
※予約は当日に受付できるそうなので、気になる方は是非参加されてみてください。
まずはブーメランの形ですが前回、沖縄本島そのままをブーメランにしたところぜんぜん回転しなかったので(※1)、ブーメランによせるべく恩納村と石川あたりを起点にぐっと曲げて「く」の字にデフォルメしました(※2)。
しかしこれを切り出すには相当な技術が必要で時間もかかるとのことだったので、海岸線をなだらかにしたものでいくことに(※3)。
せっかくなので沖縄の木でブーメランを作ってみようといくつか種類が違う木材を用意していただきました。
左から琉球松、センダン、ウラジロエノキ、クスノキだそうです。琉球松は木目がとても美しいです。手にしてみると手触りも香りも重さも違います。
市販のブーメランの特徴は軽さ。そして合板でできているので頑丈そうとのことです。
通常で言えば硬い木は琉球松とセンダンだそうですが、ブーメラン用に薄い木を用意してもらったので、そこまで強度の違いはないそうです。なので成長が速く軽い木であるウラジロエノキとクスノキをブーメランとして加工してみることに。
コラボ企画
- 緑フェス
- 一概に木材といっても種類によって硬さや重さが違うのですね。
楽樹さんの「沖縄の木の端材でクリスマスツリー作り」に参加すれば、この違いを体験できますよ。
緑(りょく)フェス
作業開始
それではブーメランの切り出しです。
まずはスプレーのりで紙を木に接着。
紙の線に沿って糸のこぎりで木を切っていきます。
糸のこぎりを使うのは、同じく楽樹の田村康治さん。小物などを手掛けることが多いので、この手の作業はお手の物だそうです。
ささっとブーメラン沖縄本島を切っていく田村さん。
寸分の狂いもない!と目を見開いてみていたのですが、後から聞くと「見られている緊張感と、ここはどのあたりかな?という雑念のせいで少しはみ出てしまった」とのことでした。
どこがはみ出ているのかすら、素人にはわからない美しさですけど。
市販のブーメランと比べてみる。ここで言ってしまうと期待を高めるだけかもしれませんが、これは...と...飛びそうじゃない?
ブーメランはただ形がくの字なだけではないのです。よく見ると側面にエッジがあります。
このエッジが空気を切って回転につながるのだと思います(ブーメランが飛んでいる原理がよくわからないけど)。
すごいやすりマシーンが出てきました。
エッジが付いたぞ!
と、喜んでいたのですが、職人のお二人は苦い顔をされています。聞くと「細い部分が弱そう」とのこと。
たしかに写真の真ん中の部分、くの字にデフォルメしてしまったので詳細な場所がわかりませんが、おそらく沖縄本島の一番細いうるま市石川と恩納村仲泊あたりが、放り投げたら折れそうなのです。
弱そうな部分を補修。
せっかくなので、切らせてもらいました。
まだぎりぎり沖縄本島な感じを保ってるでしょうか。
ちょっとデフォルメしすぎている感もあるので、そのままの島の形でもブーメランを作ってみましょう。
こちらは先日クロワッサンとしても登場した本部半島の沖合にある水納島。
なるべく折れないように木目を見ながら切る方向を決めてもらっています。
せっかくなので水納島も切らせてもらいました。
水納島が切れたところで新たなやすりマシーンが登場。
水納島にもエッジをつけてもらいました。
ということで、3つの沖縄型ブーメランが完成しました!
楽樹の古我知さん、田村さん、ご協力ありがとうございました。
最初は「沖縄本島は飛ばないでしょう」とおっしゃっていましたが、途中から「あ、これ飛ぶかもしれない。いや飛ぶね!飛んだら教えてね!」と。でも水納島は「こっちは無理でしょう」とのことでした。
コラボ企画
- 緑フェス
- 糸のこぎりを使ったのは中学生以来でしたが、めちゃくちゃ楽しかったです。自宅に買おうかと思ったほど。
そして果たして沖縄本島は飛ぶのか、水納島は飛ばないのか!?
緑(りょく)フェス
ブーメランを飛ばそう
ブーメランを飛ばすには広い場所が必要。ということで、糸満の平和創造之森公園にやってきました。
まずは市販のブーメランをちゃんと飛ばす練習です。
ブーメランは水平に投げがちですが、本当はくの字の曲がっている方向を自分の方に向けて下部分を親指と人差し指で挟み縦に投げるイメージで飛ばします。
30分ほど練習したら、わりとぐるっと空中でUターンして戻ってくるようになりました。
この感覚を忘れないうちに本番にいきましょう!
さぁ、空へ。そして戻ってこい!
コラボ企画
- 緑フェス
- 最初はうまく飛ばなかったブーメラン。何度か投げるうちにコツをつかめました。
しかし同時に痛み出す肩。。これあと何回投げられるだろうかという不安もありつつ、本番です。
緑(りょく)フェス
果たして、沖縄県はブーメランになるのか
水納島ブーメラン
まずは水納島から。なぜ水納島からなのかというと、飛ばなさそうだからです。
何が起こったかというと、ただ弧を描いでブーメランが飛んで落ちただけです。
水納島はブーメランにはならない。バランスが悪いし、そもそも飛ぶ形状ではありませんでした。
沖縄本島ブーメラン1号
続いて折れるのが心配な沖縄本島ブーメランその1。
みんなの飛びそう!という期待を背負って、沖縄本島はブーメランになるのでしょうか。
一瞬フレームアウトしてしまいましたが、クルクルとは回っています。そして少し返ってきたようにも見えます。でも途中で回転数が落ちてしまってます。
これをブーメランとして飛んだとは言い難く、でも惜しい感じです。
沖縄本島ブーメラン2号
最後は修正した沖縄本島ブーメラン2号。
1号は細かったので風を受ける部分が少なすぎたのかもしれません。折れないように細い部分をなくした2号ならうまく飛んでくれるはず。
これが最後。いけー!
飛ばんのかい!
この後何度かやってみましたが、途中までは回るものの、中心軸がずれていたりバランスが悪いのか、Uターンすることなく失速してしまいました。いやでもだいぶ惜しい気はします。
まとめ
ということで沖縄県はブーメランになるのかの第二弾をお送りさせていただきました。
木工職人さんにご協力いただいたおかげでだいぶ様にはなってきました。しかし、私たちに足りないもの。それは工具と技術だけではなく、知識もだったのかもしれません。
次は木工のプロの他に航空工学の専門家にも協力してもらえたら、夢の沖縄県をブーメランにするプロジェクトが成功するかもしれません。我こそはという専門家の方はご連絡ください!
作ったブーメランは緑フェスのどこかに飾ってもらえるということなので、マスコットキャラクターの「がじゅ丸」くんに渡しておきました。
いや、手そこかよ!
コラボ企画
- 緑フェス
- 沖縄県をブーメランにしたいシリーズは続く...続くのか?
緑(りょく)フェス