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プレコの皮でワサビはおろせるのか
めちゃめちゃ固い魚プレコ
以前、沖縄市立郷土博物館さんでプレコを食べるという記事を書きました。
プレコは南米原産のナマズの仲間。沖縄の川で野生化しています。
詳しいところは前の記事を見て頂きたいのですがこのプレコ、ウロコ部分はめちゃめちゃ固くて包丁では歯が立ちません。結局お腹の方から包丁を入れて解体していったのですが、お腹の皮もなんだかザラザラしていてヤスリのような触感。
解体しながら「このプレコの皮を何かに使えないか」という話になりました。
こちらはウロコ部分。包丁が通らないほど固い。
お腹の皮部分。ザラザラしてる。
で、本日の本題なのですがザラザラした皮といえば、鮫皮を使ったワサビおろしってあるじゃないですか?ひょっとしたらプレコの皮でもワサビがおろせるのではないでしょうか。試してみました。
プレコの皮を加工しよう
というわけでまずは沖縄市立郷土博物館からプレコの腹の皮とウロコを持ち帰ってきました。
塩漬けにしてます。
このままだと腐ってしまうのでまずは皮の処理から。
- ミョウバンを溶かした液に
- 2日くらい漬け込む
ミョウバンなめしという方法を使います。なんでもミョウバンに漬けることで皮のタンパク質が変性して腐らなくなるのだそうです。
腹の皮は割と薄いので板に打ち付けて乾いても縮まないようにしておきます。
ウロコは伸ばしようがないので、そのままで乾燥。
2日くらい乾燥した状態が上の写真です。妙に白くなりましたが、多分ミョウバンが多すぎたのではないかと思います。しかし無臭。うまいことなめせたようで、これで腐る心配はなくなりました(たぶん)。
プレコの皮でワサビをおろす
プレコの皮でワサビはおろせるのか。それでは早速まいりましょう。
ワサビだけだとアレなんで、固そうな野菜なども用意しました。左からワサビ、大根、ニンジン、パパイヤ、チェダーチーズです。
高…!
ちなみに生ワサビは1本1980円もしました。しばらく塩をなめて暮らそうと思います。
対するプレコの皮です。ちょっと見えにくいのですが、皮の表面がザラザラしているのがわかりますでしょうか。乾燥したプレコの皮はさながら紙やすりのようです。
ではワサビ行ってみましょう。予想としてはワサビは余裕ですりおろせる予定だったのですが…
あれ…?
……。
嫌な予感。
全然おろせないわ。これ。
1980円のワサビが無駄になった瞬間の顔である
なんということでしょう。余裕だろうと思っていたワサビですが、皮に押しつけてこするとすぐにツルツルと手応えが無くなってしまいました。プレコの皮ってザラザラしているのですが、結構キメが細かいのですぐに細かい皮の凹凸にワサビのカスが入ってしまって、すりおろすことができなくなってしまうようです。
まだプレコのウロコがあるぞ
プレコの腹の皮はふがいない結果に終わってしまいましたがまだ終われません。
続いてはプレコのウロコ部分で試してみましょう。
ワサビをウロコにこすりつけてみます。すると…
ガンガンすりおろせる!
めちゃめちゃ簡単にすりおろせました。
力を大して込めなくても簡単にすりおろすことができます。すりおろしたワサビがウロコの間に入ってしまうのが玉にキズですが。
この調子で他の食材も試してみましょう。
大根
余裕。
ちょっと鬼おろしみたいになりました。
にんじん
余裕。
大根よりも固いですが、しゃりしゃりいけます。
パパイヤ
余裕。
普段はしりしりーにして食べるパパイヤ。結構固いので用意してみましたが、これもサクサクおろせます。
チーズ
余裕。
よくパスタなんかに金属製のおろし金で削ったチーズをかけてますけどプレコのウロコでも余裕。もうイタメシ屋さんはこれでチーズをおろせばいいと思います。
プレコのウロコは万能おろし金だ
というわけで、プレコの皮はワサビすらおろせませんでしたが、プレコのウロコを使えばかなり固いものまですりおろすことができることがわかりました。プレコは沖縄の川に沢山いるので、身は料理に、そして皮は「万能おろし金」として加工して売りだせば沖縄の外来種の駆除にもなるし一石二鳥な気がします(捌くのめっちゃ大変だったけど)。
なんかチーズ臭いぞ
まぁ、ウロコの間にすりおろしたものが詰まるので色々課題はありそうですが。
とりあえず使ったプレコの皮とウロコは再度乾燥させて、そのうちショップで販売でもしてみようと思います。誰も買わないと思うけど。