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世界のうちかびレート
あの世のお金「うちかび」。
沖縄では旧盆や清明で「うちかび」を燃やしてご先祖様に送金します。詳しくは過去記事を参照してみてください。
過去記事にある【勝手にカミガカリ】4日目(沖縄小物編)で、うちかびスタンプなるものを作っていましたが、うちかびが工場で生産される前は、各家庭にうちかびに押されている型があってスタンプの用に押して作っていたそうです。
- 20枚セット100円で売られていることが多い
- 1枚は5枚綴りでできている
うちかびの通貨単位はグヮン(元)。1人あたり3枚1組(3万グヮン)で使うのが一般的です。
うちかびのレートですが、ご先祖様が1年間不自由なく生活できる額だといわれているので、1枚あたり50万円(1枚が5枚綴りなので5×10万円)くらいなのではないかと勝手に想像しています。これを1人3枚(150万円)送金するので、4人家族だと600万円ほど送ることになります(想像)。
最近はジェット機に乗ってあの世から帰ってくるそうなので、ちょっと少ない気もしますが。
このうちかび。中国から伝来した習慣なので、中華圏では清明祭や中元節のときに使われていて、沖縄のうちかびとはちょっと違うものが売られています。
世界うちかび銀行
数あるうちかびの中から、数種類を両替してきたのでご紹介します。
冥国国際銀行(台湾)
まずはじめに台湾の冥国国際銀行。毛沢東が描かれている100元紙幣は、中華人民銀行の本物の100元紙幣をほぼパクったデザイン。
不正使用防止のために描かれているのは左側の仏様。紙質は本物の紙幣より薄め。
裏は人民大会堂。本物との差別で右側に曼荼羅っぽいのが描かれています。
台湾で購入したので、2015年6月のレート:1台湾ドル=4.01円で換算。
100台湾ドルは日本円にすると約401円。これが500枚入っていたので、500×401=200,500円。約20万円です。これを全部送金しても、1年間の生活費にはならなそうです。
冥都銀行(台湾)
続いて台湾の冥都銀行。こちらは本物の中華民国中央銀行の1000台湾ドルをパクったデザイン。子どもたちが地球儀を見ているのは「教育」というテーマのデザインらしいです。冥用資財、仏様、蓮のラインが描かれているところなどが本物と違うところです。紙質は薄めですが本物に似ているような。
裏面は台湾最高峰の山「玉山(3952m)」をバックに佇む、台湾を代表する鳥の帝雉(ミカドキジ)。
本物との差別で、仏様と蓮のラインが描かれています。
同じく台湾レートで換算すると、1000台湾ドルは日本円で約4014円。
これが中途半端に363枚入っていたので、363×4,014=1,457,082円。約146万円。こちらも1年間の生活費としてはちょっと少ないですね。
冥都銀行(台湾)
こちらも台湾の冥都銀行が発行する500ドル紙幣。500ドル札なのにONE HUNDRED DOLLARSと書かれています。
なんだか見覚えのあるこの紙幣は、旧100米ドル紙幣のデザインです。肖像はベンジャミン・フランクリン。
額を100から500に変えただけですね。紙質はツルツルしていて厚みもあります。
独立記念館が描かれている裏面はほぼそのまま。これはパクリすぎ。
米ドルですが、台湾で購入したのでやはり台湾のレートで換算。500台湾ドルは日本円にすると約2,007円。
これが中途半端に415枚入っていたので、415×2,007=832,905円。約83万円。
ちなみに米ドル換算すると、100ドルが約12,366円なので12,366×415=5,131,890円。約513万円となります。
台湾ドルだと少ないですが、米ドルだと1年間生活できそうです。
冥通銀行(香港)
香港の冥都銀行が発行する50,000,000ドル紙幣。ごせんまんドル紙幣です。
紙は質の悪いキッチンペーパーといったところ。数えているとインクが手に付きます。ザラザラしているので数えにくい。
しかしこれが一番燃えやすそう。肖像は閻魔様だと思われます。
裏はプリントのズレが気になりますが、廟みたいなものが描かれています。
現地レートで換算すると、50,000,000紙幣一枚は799,499,392円(1香港ドルは15.99円で計算)。これ一枚で約8億円。とんでもない高額紙幣です。
これが40枚入っていたので、40×799,499,392=31,979,975,680円。日本円に換算すると約320億円。香港のご先祖様はめっちゃお金持ちかもしれません。ただインフレが起きているのではないかと心配になります。
琉球冥界銀行(日本)
最後に琉球冥界銀行の1万円紙幣。ウチカビで金風呂を再現したいで使用されていました。
日本の1万円札にそっくりですが、中央の透かし部分には首里城。諭吉さんの胸元に(新)ウチカビのスタンプ。なぜ(新)かというと、このデザインの前のうちかびを使った詐欺事件が発生したため。
詳しくはこちらのニュースを。「ご先祖も泣いている」 ウチカビ使い詐欺、タクシー被害(琉球新報 2014年5月24日)
裏面もそっくりですが、透かし部分にシーサー。
1万円札が100枚入っていたので100万円。これも1年間の生活費としてはちょっと少ないですね。
あとこのうちかび、ちょっと香りがついてます。
送金してみる
うちかびを燃やし、あの世まで送金するのに何分かかるか測ってみたいと思います。
うちかび
安定の燃えっぷり。5枚綴りなので空気の層があってよく燃えるのかもしれません。
- 送金中
- 送金完了
無事に送金できました。送金にかかった時間は約2分。5枚綴りなので処理に時間がかかったようです。
冥国国際銀行(100ドル紙幣)
こちらもいい燃えっぷり。紙が薄いので早そうです。
- 送金中
- 送金完了
送金にかかった時間は約31秒。早い。外為でも問題なく送金できたようです。
冥都銀行(千ドル紙幣)
燃え始めは勢いが無く不安になりましたが徐々に燃え広がってます。インクの関係か、炎が緑っぽくも。
- 送金中
- 送金完了
送金にかかった時間は約37秒。先ほどの100台湾ドルより時間がかかったのは、額が大きいからでしょうか。
冥都銀行(五百ドル紙幣)
ボワっと燃えた500ドル札。他の紙幣と比べても勢いがスゴい。
- 送金中
- 送金完了
あっという間に送金できました。沖縄という土地柄からなのか、米ドルは早いです。
冥通銀行(5千万ドル紙幣)
勢い良く燃え始めました。
- 送金中
- 送金失敗
53秒で送金失敗。
おそらく高額紙幣すぎるのではないでしょうか。どうやら両替が必要なようです。一番燃えやすそうだったのにだめでした。湿気を吸いそうな紙質だったので、乾燥させればうまくいくかもしれません。
琉球冥界銀行(1万円紙幣)
燃え方が弱い気がします。
- 送金中
- 送金失敗
33秒で送金失敗。燃え方が緩やかで勢いがありません。
連続して送金したので、1日の送金限度を超えてしまったのかもしれません。
あの世にも両替所はあるのだろうか
ということで世界のうちかびの紹介でした。
送金してみて感じたのは、沖縄のうちかびの素晴らしさ。額がちょうどよく(想像ですが)燃えやすく、入手しやすい。
これ以外にもいろいろな種類があるので、中国文化のある国へ行った際は買ってみてはいかがでしょうか。