- DEEokinawaトップ
- 特集
- むせろ!沖縄の粉、5種吸い比べ
むせろ!沖縄の粉、5種吸い比べ
沖縄でうまいものといえばサーターアンダギー、てんぷら、塩、黒糖など。いろいろ思い浮かべると思うが、これらすべてに共通する点があるのにお気づきだろうか。
そう、粉である。
これらすべて粉なのだ。もはや沖縄は粉がうまいと言ってしまっても過言ではないだろう(過言)。
今回はそんな沖縄の有名な粉を直接楽しんでみたい。
粉。
粉を調達する
沖縄の粉を他県で集めるのはなかなか難しいものだが、最近では通販で沖縄から直接買うことができたりするのでいい時代である。
さらに東京には「わしたショップ」というほぼ沖縄な場所も存在し、ここでも手に入る。
これがわしたショップ銀座店。一等地にあります。
店頭では三線が自動演奏され。
店内では沖縄の野菜が一束100円とかで売られていたりする。
アロエもあるぞ。
銀座の一等地でありながら一歩足を踏み入れるとそこはもう沖縄である。店内で揚げたてのサーターアンダギーが売られていて(100円)、食べながらうろつけるあたりも公設市場みたいだ。オリオンビールやげんまいだって飲めるぞ。
月に2回くらい来るよね。
そんなこころのふるさと「わしたショップ」で今回は沖縄を代表する5種の粉を調達してきた。
さっそく摂取してみたいと思う。
粉を吸う
今回は粉の味をダイレクトに感じるため、調理することなく吸って楽しむことにした。子どもの頃、粉ジュースにストローを刺して吸っていなかったか。そうか。ではハッピーターンの粉を集めて吸っていなかったか。そうか。では騙されたと思ってやってみてもらいたい。
吸うのは口から、ストローを使って少量を楽しむ。
注)勢いよく吸うとむせるので気を付けましょう。
合法です。
疑問を感じる前に始めたい。
シママース
ミネラル豊富。
まずは沖縄の代表的塩、シママース。ざらりとした粒の大きな結晶なのに、集まるとしっとり柔らかさがあるのが不思議だ。焼き魚をこれ振って食べるとすごいうまい。
いただきます。
吸うよ。
うわー。
すごいインパクトだった。
吸うと舌の奥に直で粉が当たるためか、構えるよりも先に濃い味が脳に届く感じがするのだ。この企画、素直になめ比べじゃだめだったのか。
どこまでも濃く、そして滋養の詰まった塩である。命の源をなめているかのような、そんなありがたい味。塩なんてどれも同じだろう、と思っている人にこそ、ぜひ吸ってもらいたい。
サーターアンダギーミックス
粉、としかいいようのない外観。
見た目、小麦粉とかわりのない粉である。さらさらとしていて粒が小さく、吹けば飛びそうな粉だ(実際何度も鼻息で飛んだ)。
いただきます。
ガタッ!
セルフで撮っていたため、立ち上がったら顔が切れた。
うまい。
思わず立ち上がるくらいにうまい粉である。吸った瞬間、口に広がる味はサーターアンダギーそのものなんだけど、むしろ粉本来の甘さを楽しむのならばこの方法である。
ただ、むせるのが苦手な方には卵を入れて油で揚げるとまたうまいという別の楽しみ方もある。
沖縄そばのだし
初の茶色。カラー粉。
吸い方のコツがつかめてきました。
いい味ー。
これもうまい。吸った瞬間に口の中にまず広がるのは濃いかつおだしの風味である。これはちびちびやりながら日本酒とか飲んだら最高なんじゃないか。沖縄そばをつまみに酒が飲みたいと常々思っていた人には試してもらう価値があると思う。
黒糖しょうがぱうだー
茶色い粉が続きます。
ふむふむ。
予想を裏切らない味である。黒糖の甘さの影にピリリとした生姜のインパクトが絶妙、うまい。
ただ、予想を超えるほどの驚きはなかった。粉を吸って名前を付けよう、というアンケートならば「えーっと、黒糖・生姜・パウダー、かな」と誰もが答えるのではないか。つまり名前そのままなのである。
てんぷら粉
最後は初心に帰って白い粉で締めたい。
いよっ!
…。
沖縄風てんぷらは衣に塩味がついていてフリッターみたいでうまいのだが、その元となるてんぷら粉は吸っても味も匂いもなかった。これは意外だ。
それから、粒子が細かいのでサーターアンダギーミックス同様、吸うとむせる。5種類の中で一番むせる。目の前に謎の粉があるとしよう。それを吸った時、味がなくてしかもむせたら、その粉はきっとてんぷら粉だぜ。
以上、調査結果でした。
吸い過ぎに注意
5種類の沖縄の粉を吸ってみてわかったことは、粉は意外と単品でうまい、ということである。もちろん正しい使い方をするのが一番うまいということは分かっていますが、手っ取り早く味わいたいときには少しだけ舐めてみてもいいと思います。
吸う必要はないです、むせるから。
ほんとむせるから。
ゲストライター
- 安藤 昌教
-
デイリーポータルZ編集部勤務。沖縄には5年ほど住んでいたので地名を言ってもらえればだいたいわかると思います。
2013年の記事は『ガンプラでシーサーを作る』