- DEEokinawaトップ
- 特集
- 【沖縄 地名しりとり】牧志
【沖縄 地名しりとり】牧志
前回、八重山の嘉弥真島(かやまじま)からNaokiがお送りした沖縄地名しりとり。
今回は「ま」からはじまる地名ということで、那覇の中心地でもある牧志(まきし)を取り上げてみました。
牧志駅
牧志は国際通りを挟んで
・1丁目:ジュンク堂、ホテルJALシティ那覇
・2丁目:三越、ゼファー那覇タワー
・3丁目:桜坂、てんぶす那覇
などなど、見所がこれでもか!というぐらいある、多くの人が訪れる繁華街。
でも1記事ではそんなに網羅できないので、今回は牧志2丁目の昔からある集落を起点に探索してみました。
このあたり(Googleマップ)
牧志を歴史的に考察してみる
大昔、牧志は那覇と首里を介する地にも関わらず住む人がいませんでした。
そこで当時人口が多かった小禄村の中でも家族の多い家から希望を募り、早い者勝ちで(!?)土地に目印を立てていったとか。その際移住したのは6戸。
今考えると移住した6戸は結果的に大都会に土地を持つので羨ましい限りですが、牧志が賑わいを見せるのは戦後からです。
戦前、後に国際通りと呼ばれる県庁から安里へ向かう道はバス以外はほどんど通らない道だったそうです。
道の両脇には畑が広がり、家は県庁のまわりに少しだけある程度。
人通りの少ないこの通りには、町として最も近い牧志からも店を構えようという人はいませんでした。
その頃の牧志と言えば小高い丘にある小さな集落で、瓦と農業で生計を立てていたそうです。
しかし戦後、那覇の中心地が米軍の管理下に置かれた一方で、牧志には住宅を建てることが許可されたため、急速に人口が増えて町が広がり、闇市ができ、バス通りは国際通りとして賑わい、牧志は繁華街として変化していったのでした。
参考:那覇市史資料編第二巻 中の7
集落内の拝所を見てみましょう
繁華街といえど戦前からある集落。拝所ももちろんあります。
東御岳(あがりうたき)
東御岳は戦前から相撲の土俵があった場所。
沖縄の相撲は角力と呼ばれ「四つに組んだ体勢+片方の手は帯から離してはいけない」というルールがあるので、相撲というより柔道に近い感じ。
数年前に見た「牧志ウガン奉納大角力大会」のようす。
迫力があります。
歴代の優勝者は東御岳の前に名前が刻まれます。
西之御岳、土帝君
東に対する西の御岳。土帝君は瓦を焼く土の神として祀っているそうです。
井戸
西之御岳の近くにある井戸。奥に祠があります。
それぞれきれいに整備されていて、町が賑わっても信仰が残っているようすが伺えます。
牧志には全部で7箇所の拝所があるそうです。
新旧が混在
戦後からはじまった牧志の賑わいもすでに半世紀以上。
そろそろ役割を終える店舗も多く、入れ替わるように新たなお店ができています。
新しいマンションと蔦の絡まった赤瓦なんて風景も多い町です
沖縄なのでライオンズマンションも「チリ」とか書いちゃう。
お昼なのにスナック開店中
中には談笑するおじさんたちの姿も見られます。
前までは3つの扉の前にそれぞれ、少しお年がいったお姉様がいたのにこの日はいませんでした。
ものすごく安い有料駐車場。
1時間50円って。
牧志2丁目のB級スポット
牧志2丁目にある老舗の古本屋『ロマン書房』をご紹介させていただきましょう。
このお店はポップ広告の尖り具合がハンパないのです。
「カマキリ婦人」
「今日の料理はエマムニエル 魚に小麦粉をまぶしてあげた・・・」
「アンダ(油)カバー(ニオイ)オブ・ザ・ナイト」
2つ見ただけなのに、すでにいろいろヒドイ。
「下品なオジサンキライ」
こっちのセリフじゃ!
- 「セーラームーンが探していた銀水晶か?」
- バラエティーにとびすぎた商品ラインナップ
わけがわかりません。
古本屋さんらしく作家さんのポップもあるのですが
- 「松本清張:巨悪(ワル)は眠らせない」
- 「山本周五郎:イキのいい奴」
オススメ度合いは一向に不明です。
- サンタクロースまたの名を伊達直人
- お父さんにそっくり(だそう)です
販売促進とは思えない自由なキャッチコピー
- ホームページ作成本と南の帝王が一緒に積まれる
- でも応援セールもやってます
- CDコーナーのポップは意外に真面目
- 「シニ・ハバ!」
パラダイスすぎました。
ロマン書房
沖縄県那覇市牧志2-20-25(Googleマップ)
オーナーの方に「お店はいつからやられているのですか?」と聞いたところ
「うーん、20〜30年ぐらいかな」とものすごく曖昧なお返事をいただきました。
10年は結構大きいよ!
まとめ
原稿を書き終えた今、前半は調べて真面目に書いたのに、結局はロマン書房さんに負けた気がします。
自分が不憫でなりません。
2丁目の一角だけでも見所がたくさんある牧志。
他にも面白いお店はたくさんあるので、いつか牧志探訪第2弾をやりたいと思います。
沖縄地名しりとり、次回は牧志の「し」から始まる地名からお届けします。