2011.08.19

石垣島でアンガマ巡り

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アンガマという行事をご存知だろうか?沖縄本島とは一味違う旧盆の行事に行ってきたのでレポートを。

沖縄の三大行事といえば、旧正月、清明、旧盆。
なかでも旧盆はメインイベントではないでしょうか。

沖縄本島では、旧盆(お盆)のことをシチグァチと言いますが、石垣島ではソーロンと言う。
また旧盆3日間の呼び方も少々違う。
先日の記事内(旧盆のスーパー事情を調べよう)でも書かれていましたが、本島では、ウンケー(迎え)、ナカヌヒー(中日)、ウークイ(送り)。
石垣島では、ンカイピー(迎え日)、ナカビ(中日)、ウクルピー(送る日)と言う。なんかかわいい。

違うのは呼び方だけではない。沖縄本島で旧盆の行事といえばエイサーが主。しかし石垣島ではアンガマと呼ばれる集団芸能が行われる。
アンガマは市内各地の青年会が主に行い、新築、出産などの慶事があった家や初盆を迎える家、飲食店やホテルなどの施設を訪問する。
1日1軒だけではなく3〜5軒くらいを訪問していく。

ソーロン初日の地元の新聞にはアンガマが訪問する家や施設が住所入りで掲載される。
特に今年からは、初めて訪れる人でも分かりやすいよう詳細が載るようになったとのこと。

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ンカイピーの朝刊は必ず買いましょう。

アンガマを追いかける

ソーロンの3日間の夜は、耳をすまして歩いているとどこかしらから三線や太鼓の音が聞こえてくる。
新聞に書いてあるスケジュールは変更になったりすることもあるが、車から降りて耳をすませば音が聞こえてくるだろう。

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庭は人でいっぱい!というか各家々の庭の広さよ。

アンガマは一般家庭などで行われるのだが、見学は自由。とは言っても家の中に上がれるのは、親類や知人くらいだろうか。
なかには気さくな家主様が、地元の見学者や観光客を家に招き入れることもあるが、基本的には庭から拝見することになる。

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こんな時に島ぞうりバッジがあれば間違えないのに...!

アンガマは、グソー(あの世)からウシュマインミーファーマー(花子)達を連れて現世にやってくる。
各家々などを訪問し、唄や踊りで祖先の霊を供養してまわる。

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唄い踊る。

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左がウシュマイ(爺)右がンミー(婆)

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ファーマー(子孫)達。総勢20名くらい。

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地謡は三線と太鼓と笛。

アンガマの集団はグソーからの使者なので、顔は全て隠す。
クバ笠を深くかぶり、夜でも真っ黒のサングラスをかけ、手ぬぐいなどで顔を覆う。
夜とはいえ、真夏の石垣島でこの格好はツラいはず。みんな汗だくになって踊っている。

※顔を見られるとグソーに連れていかれます!

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ファーマーたちが次々と踊りを披露していく。

唄や踊りも魅力的なアンガマだが、なんといっても一番の魅力は、ウシュマイとンミーの二人が裏声を使い、方言(時には標準語)で観衆と繰り広げる珍問答だ。この珍問答は唄や踊りの間で行われる。

しかし普通に八重山の方言もわからないが、これが裏声になるものだから余計わからない...!

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質問したい人は顔を隠して裏声で挙手。

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ー ンミー!ンミー!あの世にも法律ってあるかやー?

ー あの世には法律が5つしかねーの。一つ。息をしてはならない。二つ。冷たーい水を浴びないといけない。三つ。西枕で寝ないといけない。四つ。役所に行って死亡届を出さないといけない。五つ。火の中を通ってくること。通らないと三途の川を渡れない。
 

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ー ウシュマーイ!オジー!石垣島でキャンプをする千葉ロッテの呼び方で嫁と喧嘩するんだけど、マーリンズなの?マリーンズなの?

ー ぐるぐるまわるからマリーンズ。(この辺りから方言で聞きとれない!)

ー ダジャレかー?

ー ダジャレさー。

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いろいろな演目を披露する。
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どの曲も楽しい。

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ストローじゃないと飲めない。

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「ホーイ、ホーイ」と唱えながら歩く。

演奏しながら次の家に向かう。

他のアンガマを見に

先ほどみたアンガマの隣の地区へ。

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ゾロゾロと。

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「ウートゥートゥー」

まずはウシュマイとンミーが仏壇に線香をあげ、ウートートー。
そしてウシュマイの座開きの舞で宴は始まる。

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各団体でウシュマイとンミーの面が違う。
不思議なものでこの面は表情があるように見えてくる。笑っていると笑顔に。怒っていると怒った顔に見えてくるから面白い。

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小顔のウシュマイ...!
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笑っているようにみえるから不思議。

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ー ウシュマイ!ンミー!質問があります!

ー ウシュマイが聞こうかね。

ー ウシュマイの着物の裾はなんでそんなに短いの?

ー ンミーが愛情を込めて洗うからどんどん短くなっていくのさー。

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おばあ達はファーマーが踊る時、足の運び方をチェックしていた。
重心移動など細かいところが気になるようだ。
おじい達は問答のやりとりをチェック。「機転が甘い」や「敬語の使い方がなっていない」などなど。
見ているところが違う...
何歳になってもシージャーの力は絶対だ。

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マミドーマで使う鎌をふりまわしながら次の家へ。マミドーマもいつかDEEで取り上げたい。

歩けばアンガマ

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赤瓦がキレイな沖縄の古民家。

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ここのアンガマは顔がオレンジ色で長い...!

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どこのアンガマを見ても楽しい。演奏される曲と踊りを見ていると自然と笑顔になる。

リゾートホテルでもアンガマ

石垣市内のリゾートホテルにもアンガマは現れる。

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暗闇に歩くアンガマ軍団。サングラスで見えなそう。

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アンガマ軍団はロビーを抜けて中庭へ。

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経費で泊まりたい。経費で泊まりたい。
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ホテルの屋外ステージで行われる。

ー ウシュマーイ!ウシュマーイ!オジー!オジー!

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ー ウシュマイが聞こうかのー。

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ー グソーには3つの宗教があるって聞いたけどなにがあるのー?(ヒアリングに集中したので合ってるはず)

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ー 一つ。仏教。二つ。オジイの度胸。三つ。オバアの愛嬌。
同じ質問での他のアンガマの解答例一つ。らっきょう。二つ。農協。三つ。オバアの愛嬌。まあダジャレが多い。

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ンミーの愛嬌。

いろいろなアンガマをみてまわったが、それぞれ特徴があって奥が深い。
珍問答も定番モノの他、招かれた家にちなんだ話題を即興で問答したり、演奏される曲もいろいろ変わるので面白い。

今回のアンガマ巡りは、八重山出身のお二人の多大なるご協力のもとで回ることができた。ありがとうございました。

もっと離島にも取材へ行きたいのでいろいろとよろしくお願いします。へへへ。

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